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五輪なら何をやってもOKなのか。根拠なきIOC「30秒ルール」のトンデモ

何から何まで異例ずくめと言っても過言ではない東京オリンピックですが、運営側のドタバタぶりも過去に例を見ない状況となっているようです。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、「コロナ対策」に関するルールをコロコロと変えるJOCや政府に組織委員会、そしてIOCを強く批判。殊に、そのあまりの科学的根拠に依らない姿勢を問題視しています。

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IOCの根拠なき30秒ルール

いよいよ東京五輪が始まってしまいましたが、1964年の東京五輪の時、NHKが開始直前に実施した全国世論調査によると、「東京五輪に関心を持っている」が84%、「東京五輪は(戦後の)復興に役立つ」が92%だったそうです。そこで今回、大阪大学の三浦麻子教授らの研究チームが、当時と同じ設問で7月中旬に全国世論調査を実施したところ、「東京五輪に関心を持っている」は33ポイント減の51%、「東京五輪は(震災からの)復興に役立つ」は3分の1の31%にまで激減してしまいました。

また、朝日新聞社が7月中旬に「今年の夏休みの過ごし方」を調査した中の「東京五輪は楽しめそうか」との設問では、「はい」が9%、「わからない」が25%、「いいえ」が65%でした。しかし、23日の開会式の平均視聴率は、関東地区が56・4%、関西地区が49.6%と、いずれも高い数字を記録し、良い意味でも悪い意味でも今回の東京五輪の注目度の高さが証明されました。菅義偉首相は「始まってしまえば皆がテレビに夢中になり政権への追い風になる」などと言っていましたので、この視聴率にホッとしているのではないでしょうか。

しかし、日本のテレビ局の視聴率がそれなりに高かった一方で、アメリカのテレビ局の希望する時間に合わせて開会式を行なったのにも関わらず、アメリカでは33年ぶりの低視聴率だったそうです。それなら、日本人が観やすいように、もっと早い時間に開催したほうが良かったですよね。何故なら、立憲民主党の参議院議員であたしが応援している塩村あやかさんが、『女性自身』の「五輪開会式 深夜の子ども出演が波紋…橋本聖子が4日前に任命」という記事をリンクした上で、次のツイートをしたからです。

一昔前、テレビ番組で仕事をしていましたが、子どもの出演と時間は厳格でした。P(プロデューサー)もピリピリしてました。開会式を見て、ボランティアだから適用しないということだろうけど、深夜にとビックリ。記事によると条例には引っかかるようで…。五輪は何もかも特別で切り抜けてゆく

このツイートの最後に書かれている通り、今回の東京五輪は、何もかもに理不尽な「特別」がまかり通っています。東スポや日刊ゲンダイなどは、この塩村あやかさんのツイートを大きく取り上げ、五輪という大義名分によって法律まで捻じ曲げているJOCや政府のやり方を厳しく批判しました。

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それにしても、この「五輪だから何をやっても許される」というJOCや政府の姿勢は、一体、何なのでしょうか?たとえば、お酒です。あたしたち国民には「2人以上で飲みに行くな」「夜8時以降は飲むな」と言い、外食店には「酒類は提供するな」と言い、守らない場合は金融機関や国税庁まで使って圧力を掛けると脅しておきながら、五輪の選手村はお酒の持ち込みが自由だと言うのです。

そして、四方八方から批判が噴出すると、組織委員会は「選手村では1人飲みしか認めない」などと抜かしたのです。同じチームの選手4~5人が1部屋なのに、その4~5人がそれぞれお酒を買って来て、同じ部屋の同じテーブルで「1人飲み」って、組織委員会ってアホですか?

他にも、あたしたちが海外から帰国した場合、必ず14日間はホテルの部屋などに隔離され、一歩たりとも外へ出ることは許されません。しかし、海外から来日した五輪関係者なら、14日間の隔離期間中でも、近くのコンビニへ行くなどの「15分程度の外出」ならOKだと言うのです。

そして、これは、JOCのスタッフなどが監視しているわけでなく、外出した本人が自分で外出簿に戻った時間を書き込むという自己申告制なので、いくらでもゴマカシが効くのです。事実、2時間以上も外出したのに、外出簿には嘘の時間が書き込まれていたケースも報告されています。さすがに、この「15分程度の外出」は見直されましたが、こんな特例を許したら、隔離の意味がなくなってしまいます。

そもそも、どうして14日間もの隔離期間を設けているのかと言うと、皆さんご存知の通り、新型コロナの潜伏期間が最長で14日間だからです。来日時の検査の結果が陰性でも、すでに感染していて、発症していないだけというケースも多々あります。そのため、誰1人として特例など認めず、きちんと14日間隔離して、それでも発症せず、再度の検査も陰性であれば、ここで初めて「非感染者」と認められるのです。

それなのに、嗚呼それなのに、それなのに…と五七五の俳句調で嘆いてしまいますが、五輪担当大臣の丸川珠代は、こともあろうに、五輪選手に限っては濃厚接触者であっても「試合直前のPCR検査で陰性が確認されれば出場を認める」と言い出したのです。

ここまでは、とにかく「開催ありき」で、針の穴にラクダを通すようなトンデモ方針を次から次へと繰り返して来た菅政権でしたが、さすがに濃厚接触者をそのまま出場させるわけには行きません。そこで当初は、濃厚接触者は「6日間の出場不可」という基準を設ける予定でした。これにしたって、本来は「14日間の隔離」ですから、相当ユルユルで危険な緩和策でした。

しかし、開会式前の22日に、日本代表の男子サッカーチームと対戦することになっていた南アフリカのチームから、2人の感染者と18人の濃厚接触者が出てしまったのです。このまま「6日間の出場不可」にすると、試合に間に合いません。そこで菅政権と組織委員会は、急遽「試合直前のPCR検査で陰性が確認されれば出場を認める」という支離滅裂なトンデモ方針を打ち出し、「三面怪人ダダ」こと丸川珠代に発表させたのです。

濃厚接触者を試合に出場させるという「安全安心」とは真逆のトンデモ方針ですから、当初は批判の嵐が巻き起こると思われました。しかし、風は菅政権に吹いていたのです。時を同じくして「小山田圭吾まつり」が開催されたため、世の中の耳目はすべてこちらに向いてしまったのです。そして、この人命を無視したトンデモ方針は、忘れ去られてしまったのです。

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さて、開会式も終わって各競技も本番を迎えると、日本代表からも金メダリストがぽつぽつと出始め、表彰台での笑顔の画像がネットニュースにも流れるようになって来ました。すると、今度はIOCが「表彰台に上ったメダリストは写真撮影のために30秒までならマスクを外しても良い」というトンデモ方針を発表したのです。現場の知り合いによると、ADが「MASK OFF!」「MASK ON!」と書かれたカンペを持たされ、表彰台上のメダリストに向かって指示を出すというので、あまりのバカバカしさに、あたしは飲んでいた梅昆布茶を噴き出してしまいました。

JOCの「隔離期間中でも15分程度なら外出可能」という認識しかり、IOCの「メダリストは30秒までならマスクを外しても良い」という認識しかり、どちらも何の科学的根拠も見当たりませんが、お前ら真性のバカですか?あたしは、小学校の給食の時間に、床に落とした食べ物をマッハのスピードで拾って食べ、ドヤ顔で「3秒以内なら汚くないも~ん!」と抜かしていたクラスで一番バカな男子の顔を、40年ぶりに思い出してしまいました。

(『きっこのメルマガ』2021年7月28日号より一部抜粋・文中敬称略)

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image by: A.RICARDO / Shutterstock.com

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