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かならず相手に見抜かれる。他人の話を聞いている時に注意すべきこと

人間関係構築の基本中の基本といえば、先方の話をきちんと聞くことに尽きますが、ただ漫然と耳を傾けていればいいというものでもないようです。今回のメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』では、アメリカに本社を置く世界的なコンサルティング会社で14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さんが、相手の話を真剣に聞くことで信頼を獲得できる「アクティブリスニング」について解説。さらにNG行為を含めた具体的なリスニング方法もレクチャーしています。

※本記事は有料メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年8月23日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

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赤羽雄二の視点:真剣に話を聞いて深く信頼される、アクティブリスニングのすすめ(その1)
相手の話に「全集中」する

相手の話を聞くことは、上司や先輩・後輩に関係なく、仕事やプライベートに関係なく、人としてすべての活動のなかでもっとも重要なことの一つだと私は考えています。話を真剣に聞くことで、相手が何を言いたいのか、何で困っているのかわかりますし、なによりも、相手に信頼されます。相手の話を聞かずに一方的に話す人があまりにも多いので、真剣に聞く人は感謝され、喜ばれ、人として信用されるからです。

真剣に話を聞くなかで、ちょっとよくわからないことがあれば、我慢するのではなく、その場で丁寧に質問をするほうがいいです。ただし状況によっては、少しだけ待ってから質問したほうがよい場合もあります。一方的に拝聴、傾聴するのではないという意味で、私はこのやり方を「アクティブリスニング」と呼んでいます。このニュアンスを表現する適切な日本語が見当たらないので、こういう表現にしています(詳しくは拙著『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』(日本実業出版社)参照)。

相手の話を聞くときに注意しなければいけないのは、「早く話が終わらないかな」「またこの話をしてる。もう5回以上聞いたよ」「イライラする話し方だなあ。頭が悪いのかな」などと考えながら聞いてはだめだということです。

おとなしく聞いているふりをしていても、うわの空の状態は必ず相手に見抜かれます。心の底など気づかれまいと思っても、察知されてしまいます。こちらの表情や声のトーン、体のちょっとした向きなどで伝わるのです。人間の感度は高いので、決して隠せません。

また、話を聞きながら「相手が話し終わったらこれを言おう」とか、「ここが間違っていたから正そう」といったことを考えているのもだめです。相手の話を真剣に全部聞き、よく理解することで相手に信頼されたあとでも、そういう聞き方だと失敗します。心から聞く気がないということが露呈してしまうからです。せっかく相手に信頼されたというのに、これでは台なしになります。アクティブリスニングの最大の敵は、おそらく「自分がしゃべりたい気持ち」だと思います。アクティブリスニングをするには、相手の話を聞くこと、とくにしっかりと最後まで聞くことが出発点ですので、こちらがしゃべってはどうしようもありません。

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では、しゃべりたい気持ちをどうやって抑えればいいのでしょうか。「しゃべりたい」というのは、「自分の話を聞いてほしい」「今日あったことを話したい」「私のことを見ていてほしい」、あるいは「私の気持ちを理解してほしい」「もやもやをはき出してしまいたい」、あるいは「間違ったことを言っているから正したい」「あぶなくて見ていられない、放っておけない」などによるのだと思います。

これだと、あくまで自分を中心とした気持ちの発露、気持ちの整理です。相手への関心よりも「自分の言いたいことを話している」ことになります。相手から見ると、「きちんと聞いてもらった感じがしない」「私のことなんか、どうでもいいんだ」「自分のことしか関心がないんだ」ということになります。

コミュニケーションの原点に立ち返って、一方的なおしゃべりではなく、いま目の前にいる相手の話をどう丁寧に聞くか、どう深く理解するか、その結果をどう発展させていくかを考えながら聞くことで、今までのやり方では見つからない、あるいは見つけづらいことがアクティブリスニングによってかなり短時間のうちに見つかるようになっていきます。どういうとき、どういう質問をどういう順序でするのがいいのかまで自然に頭に浮かび、行動できるようになります。

真剣に聞くことで、状況を理解できるだけではなく、問題の本質までわかるようになることがアクティブリスニングの素晴らしい点です。

たとえば、「ZOOM会議が長くダラダラしている」という不満に対して話を聞き、よくわからなかった点は深掘りし確認してみたら、少なくとも会議リーダーの問題ではなかったということがわかった。そもそも会社のマーケティング基本方針が定まっていなかったし、さらに、テレビ広告を使うのかWEB広告を使うのか、予算や展開の順番をどうするのかなどの方針に矛盾があった。その根本原因に、社長の古くからの友人が広告代理店として妙な形で入り込んでいた、といったことがわかる場合もあります。

問題を表面的にしか見ていなければ、対処への答えを間違えますが(先ほどの例だと、「会議リーダーを交代させれば解決するにちがいない」「会議への参加メンバーをもっと増やせば、スムーズに議論できるにちがいない」など)、問題の本質を理解すれば、社長の古くからの友人の広告代理店との取り引きを見直す必要があることがわかります。

どんどん質問することで、表面上の問題から深掘りし、問題の本質を見抜くところまで進んでいくことができます。可能であれば対面のほうが望ましいですが、ZOOMミーティングでもそれほど問題なくできます。(その2に続く)

(メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』2021年8月23日号より一部抜粋。全文はメルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』を購読するとお読みいただけます)

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ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクター 東大工学部卒業後、コマツにてダンプトラックの開発に携わる。スタンフォード大学大学院に留学し機械工学修士、修士上級課程を修了後、マッキンゼーに入社。ソウルオフィスをゼロから立ち上げるなど、14年間活躍。その後、ブレークスルーパートナーズ株式会社を共同創業し、ベンチャー共同創業・経営支援、大企業の経営改革、経営幹部育成、新事業創出に取り組む。韓国、シンガポール、インド、ベトナムなどの企業を支援。 著書に 『ゼロ秒思考』 『速さは全てを解決する』 『瞬時に切り返す会話術』 『自己満足ではない「徹底的に聞く」技術』 など、国内24冊、海外23冊。合計113万部超。 内外での講演多数。東京大学、早稲田大学、電気通信大学、北陸先端科学技術大学院大学講師。

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