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すべての責任は首都目線のTV局。東京一極集中がちっとも改善されない根本理由

問題視されてから久しい東京への一極集中ですが、是正されるどころかその加速度が増しているのが現状です。なぜ地方の衰退を招くばかりのこの問題は、一向に収まる気配がないのでしょうか。今回のメルマガ『テレビでもラジオでも言えないわたしの本音』では著者で現役医師の和田秀樹さんが、東京にしかキー局がない現行のテレビ局制度がその元凶であるとし理由を詳述。さらに解決法として地方局の活性化を挙げるとともに、政府が講じるべき対応策を提案しています。

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東京一極集中の本当の解決策

前回、私が予想したように、中国や韓国、そしてロシアも日本でウヨク的な政権を望んでいるようだ。

選挙前にわざと中露でデモンストレーションの艦隊に日本を一周させた。

パンパカ右翼に勝たせた方が学力低下も進むし、ほかの産業の競争力もなくなる。もうしばらく、日本を落ち目にしたいという願いで、選挙前になると北朝鮮がミサイルを飛ばし、中国は軍事演習をする。

自民党が勝って、日本の落ち目は続く。国の首脳部が頭のいい国の情報操作に、マスコミは私立文系、国の首脳部は二世ばかりの国はいいように動かされる。

さて、日本では上昇志向という言葉が首都圏や京阪神の中学受験層やオリンピックを目指すスポーツ選手などを除けば死語になったようだが、最近のトレンドとしては、こういう激しい競争をするより地方移住をしてのんびり暮らすことになってきたとのことだ。

たまたまテレビの情報番組を見ていたら、そういう話になっていた。

そして、東京一極集中を批判していた。

しかし、私の見るところ東京一極集中の元凶は東京にしかキー局がないテレビの体制だ。

今回のコロナ禍でも、ほとんど感染者がいないような地域まで東京並みの自粛を求め続けたので、地方でも高齢者が自粛生活を送ることになった。

結果的に地方でも高齢者のフレイルや要介護高齢者が増えることだろう。

地方によっては、大丈夫だから健康やフレイル予防のために歩いた方がいいというアナウンスがあればこんなことにならないで済んではずだ。

基本的に東京のテレビ局は地方の人などどうでもいいようだ。

東京のテレビ局は東京の人が払った税金を地方に払うのが嫌なようで、国鉄も郵政も民営化の応援団のようになったが、ほとんどの地方でサービスの低下を実感しているはずだ。

現実には東京のJRだって金儲けに走って、東京駅は店だらけになったが、ほとんどエスカレーターなどは増設されておらず、高齢者には使いにくい駅になった。昔は、JRが真っ先に高架になっていたが、私の知る限り、高架化も民営化以降あまり進まず、あかずの踏切も放置されている。

東急電鉄などのほうがはるかに民間企業であるが公益事業だという意識があるようだ。

高齢者が事故を起こすと言えば、高齢者全員から免許を取り上げようとするし、泥酔運転の人間が事故を起こせば、欧米では許される食事のときにちょっとアルコール飲料を飲む程度の酒気帯び運転まで厳罰化するように仕向ける。

かくして、地方の高齢者は移動手段を奪われ要介護にまっしぐらになる。

あるいは、地方の飲食文化もつぶされ、警察の天下り先のパチンコ屋がその跡地に建つだけだ。

地方に移住したくても、ろくな飲食店が残っていなかったり、要介護高齢者ばかりが増え、保険料も高くなる。

これはすべて東京目線のテレビ局のせいと言っていい。

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私の見る限り、キー局の東京一極集中が続く限り、東京に有利な世論が誘導され、地方は住みにくくなる一方だ。

それを解消するためには、キー局をプロ野球のように地方分散させるしかないが、おそらくそれは無理だろう。

多少、金がかかるが政治ができるとすれば地方局にお金を渡して番組の半分は地元制作にさせることだ。一局につき一日2,000万円、年間70億も補助すればできるだろう。年間3,500億円で可能なことだ。

地方で番組を作るのが当たり前になれば地方文化の活性化につながる。

東京一極集中がまずいと東京のキー局のアナウンサーがほざいても信用できない。翌日には高齢者から免許を取り上げろと言いだす輩たちだ。

地元局を活性化させて、地方文化をはぐくみ、東京配信のニュースに対して、地元が言いたいことを言えるようにする。欲しいものだって堂々と要求することができる。

今だって、地元制作の番組のほうが視聴率を取っているのだから、地元の議員だって無視できないはずだ。

たったそれだけのことができなかったり、素直に従っているから東京一極集中が進む。

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image by: Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』2021年10月30日号の一部抜粋です。

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高齢者を専門とする精神科医、学派にとらわれない精神療法家、アンチエイジングドクター、そして映画監督として、なるべく幅広い考えをもちたい、良い加減のいい加減男。

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