話題になるためにさまざまな戦略を打ち出し繁盛に繋げるのは並大抵のことではなりません。それが個人でやっているお店であればなおさら。そこで今回は、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが自身のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の中で、 テレビ局やユーチューバーがこぞって取材に来るお弁当屋さんを紹介。そのお店の「売り」とは一体なんなのでしょうか?
お弁当を2個買うと、もう1個お弁当がついてくる!?
デカ盛りで激安。そんなお弁当屋さんが神戸市にあります。
テレビ局やユーチューバーが取材に来るほどの有名店。とにかく量が多くて、安い。しかも、種類が豊富。正確にはわからないものの、100種類は超えています。
それだけではなく、トッピングなどの組み合わせを替えると、約9,700種類にもなると言います。
お店を遠くから見てもわかるのですが、店舗にはほぼ全面に、お弁当の写真と説明が貼られています。
かなりド派手で、目立っています。注目度は抜群です。
トンカツ弁当やハンバーグ弁当、からあげ弁当など、普通のほか弁屋さんにあるメニューはもちろん、ちょっと変わったメニューがたくさんあるので、飽きることなく、毎日でも利用できます。
たとえば、「牛冷しゃぶ弁当」「魚からあげ弁当」「カレーハンバーグ弁当」「とりのカレー炒め弁当」「トリキムチべんとう」「あんかけトンカツ弁当」「牛あんかけチキンカツ弁当」など。
「てんこもり弁当A 780円」は、トンカツ、ハンバーグ、コロッケ、からあげが山のように入って、フタが閉まらないほど。重さは1キロを超えています。
普通のほか弁屋さんで売っている500~600円のお弁当は350円からあります。いかに安いかがわかります。
このお店を目立たせる、もうひとつの“売り”が、「スーパーてんこもり弁当 1,100円」です。
メニュー名としては、「スーパーてんこもり弁当・トンテキ+テリヤキチキン」や「トンカツ+牛冷しゃぶ」、「チキン南蛮+豚生姜焼き」となっていますが、2種類が入っているだけではありません。
「トンテキ+テリヤキチキン」で言うと、トンテキ+テリヤキチキン+からあげ+エビフライ+白身フライ+カキフライ+目玉焼き+コロッケ+ギョウザ+春巻きとなっています。
これを完食できる人は、それほど多くはないでしょう。大食いチャレンジのメニューのようです。
店主が目指すのは、「なんちゅう弁当屋や!」と言われること。それが嬉しいと言います。
充分にショッキングで、インパクトは絶大。デカ盛りで激安は、大きな集客力となって、お店の繁盛に繋がっています。
しかし、このお店にはさらにもうひとつ集客力を高めているものがあります。
これがあることで、さらに注目度が高まり、テレビ局やユーチューバーを引き寄せているのです。
650円以上のお弁当を2個買うと、もう1個お弁当がついてくるのです。
ついてくるのは、350円のサービスメニューですが、普通サイズのお弁当です。
これは、話題になります。3人家族なら、1人分がタダですから。
この“ネタ”のような戦術が広く拡散し、面白いお弁当屋さんとして、認知されるようになったのです。話題づくりが需要であることを再認識させられます。
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