時間に追われ、忙しく動き続けることが当たり前になってしまっている現代人。日本では忙しいことが美徳というような考え方がありますが、「多忙」はあなたの“考えること”を奪っていくといいます。メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは、人生を左右するような決断をする時には、多忙であってもそれを放棄すべきだと論じています。
考えるために必要なこと
現代人は非常に忙しく働いているわけですが、これは実はヤバいサインなんですよ。次から次へとやることがあって、忙しく動き続けるのが美徳だと考える人がたまにいるのですが(というかかつての私もそうでした)、
■ 忙しい時には考えることが疎かになる
のです。
何かを考える、その考えることの深さを追求する、考えることで人生の方向を変えたいという時に必要になるのは、
● あなたの周りで時間がゆっくりと流れていること
なんです。
忙しい時には、あなたの周りの時間も忙しなく流れます。そういう情況では、思考を深めることができにくいんです。ひとつには、忙しいということは、早く結論を出したいと考えがちだから。もうひとつは、時間の動きの速さによって、心がかき乱されがちで、丁寧な思考ができにくくなるからです。
ですから人生を左右するような決断をする時には、自分自身を「忙しくない環境」に置いて、そこで無為の時間を作る必要があるんです。無為の時間とは、何も生産をしなくても良い、ただボーッとできる時間のことです。
忙しいというのは、この無為の時間が「悪」になる環境をいうわけです。クソ忙しい時にボーッとしていることは許されませんからね。そうすると必然的に、早く、なんらかの答えを見つけ出そうとする方向に心は動くわけです。これがアカンのですよ。
そうではなく、ただ時間がゆったりと流れるところに自分を置いて、流れるがままに任せ、その状態で答えを、結論を出すことを目的とせずに、そのテーマについて考え続けることを、「深い思考をする」というのです。
そのために露天の温泉に浸かって、ビールでも飲みながら、ボーッとできる情況を定期的に作るべきなんです。その時には、「~すべき」という概念が存在したらならないのです。本来のリラックスってこういうことですから。
時間がゆったりと流れていることを実感しながら、答えを求めず、今日のこれからのことも考えず、身体を伸ばして、でも脳みそはそのことにフォーカスして考え続けるのです。
ですからこれは時間に追われていたら不可能なんですね。考えている最中に電話が鳴ったらダメなんです。誰にも声を掛けられずに、好きなだけそのことに対する思考を深めることができる情況を作るのです。
人生を変えるような大きな決断をする時には、一度このセットアップをした上で思考してみてください。時間に追われてセコセコとした気分で出した結論とは、質が異なるモノが出てきますから。
特に経営に近い層の方は、この習慣を持つべきだと思いますよ。優秀な経営者は、そういう時間を定期的に持っているモノですから。
簡単なやり方は、土日のどちらかを完全に開けて、昼間にぬるめのお風呂に浸かって、酒でも飲みながらボケーッと考えることです。その際に、家族には決して声を掛けないこと、電話も取り次がないことをお願いしたら良いと思いますよ。
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