コロナの影響ですっかりそのあり方が変わってしまった学校。諸外国での学校におけるコロナ対策は今どうなっているのでしょうか。お隣の韓国では、5月1日から幼少中高のすべての学校で「正常登校」が始まるといいます。そこで今回は、無料メルマガ『キムチパワー』の韓国在住歴30年を超える日本人著者が、韓国の学校でのコロナ対策について語っています。
5月1日から全ての学校で「正常登校」
韓国は5月1日から、幼小中高校の全ての学校で「正常登校」が始まる。移動式授業、科学室などの特別室の共同使用が可能になり、修学旅行と体験学習にも行けるようになる。
新型コロナウイルス感染症(コロナ19)で、2020年4月に史上初めてオンライン始業式を行った後、防疫のためにこれまで実施してきた遠隔授業(リモート授業)はもう行わない。
マスクも今は教室でKF80以上を着用しなければならないが、5月からは飛沫遮断用・デンタルマスクも許容される。今年3月以降、すべての生徒が学校から迅速抗原検査キットを受け、週1、2回実施している先制検査(迅速抗原検査)もしなくてよくなる見通しだ。
教育部(兪銀惠=ユ・ウンヘ副首相兼教育部長官)は20日、このような内容の「ポストオミクロン学校日常回復推進案」を発表した。
ソーシャルディスタンスの確保は18日から解除されたが、学校は今月30日までは「準備段階」と従来の防疫体系を維持し、5月1日~22日まで「移行段階」、23日から「安着段階」に段階的に移動するというのが核心だ。
今年2月に教育部は正常登校できる条件として、「学内在学生の確定比率3%」、「学内在学生の登校中止学生(感染者+隔離者)比率15%」指標を提示した。
5月1日からはこの指標を廃棄し、すべての生徒が正常登校し、コロナ19以前の水準で教科および非教科活動を再開する。
教育部は同日「防疫目的の遠隔授業方式は終了し、学習興味の誘発、達成度の向上など、教育の効果性向上目的だけで遠隔授業を活用する」と強調した。
幼稚園はすでに外遊びや同年代の遊びを中心に運営できる。小中高校の場合、移動式授業、グループ学習、討論などもできる。クラス・学年単位の小規模体験活動やイベント、宿泊型修学旅行や体験学習も可能となる。
今学期の始業後、週2回、今月18日からは週1回で実施している先制検査(迅速抗原検査)は教育庁(各自治体ごと)の自律に変わる。
自律だが、大半の地域では実施しないものと予想される。教育部の関係者は、「現在、購買量を見ると、全ての生徒が先制検査をするほどのキットを備えているところは多くない」とし、「先制検査に対する学校の負担が大きく、保護者からの苦情があるため症状のある人だけを対象に実施するだろう」と説明した。
学校内の感染者発生時に行ってきた接触者の自主調査も消える。5月からは症状のある人や基礎疾患があって高危険度の人の自律的管理に転換する。回数も接触者に分類された日から24時間以内に迅速抗原検査1回推奨へと縮小される。
症状のある人や基礎疾患があって高危険度の人が学校に備蓄された迅速抗原検査キットで検査したり、在庫がなければ病院に行って自律的に検査する方式に変わるわけだ。
室内マスクの着用義務は維持するが、食薬処(食品醫藥品安全処)が許可した保健用・飛沫遮断用・手術用マスクを着用してもよい。
屋外マスクを着用するかどうかは今後防疫当局の指針を適用する予定だ。給食室指定座席制、体育館内の2学級以上同時授業、歯磨き施設(蛇口)の一定個数以上の同時使用などは学校の自律的判断によってできる。
来月23日からは防疫当局が感染病の等級調整によって変更する防疫指針を教育部も反映する。
教育部は防疫当局が確定者隔離義務方針を隔離勧告に変えれば、コロナ確定生徒も1学期の期末試験から受験できると説明した。確定者は7日間登校中止の基準も変更される見通しだ。ただ、教育部はいかなる場合でも
・入室前と食事前の発熱検査
・窓開け換気
・給食室の仕切り設置
・1日1回以上消毒
などの防疫指針は維持する方針だ。
学生の場合、成人よりコロナ19ワクチン接種の割合が低いため、学校は憂慮しながらも日常回復を期待している。
ソウルA小学校長は、「これまで防疫のため教育活動が萎縮していたが、移動授業、現場学習、体験学習などを拡大していけば、教育に役立つだろう」とし、「それでも確認者数が非常に少ないわけではなく、宿泊などは意見を収集しなければならないだろう」と話した。
ソウルB小学校長は「対面授業が本格的に行われるだけに、コロナ19で失われた2年を回復するよう学力格差の解消に重点を置く考えだ」と述べた。
一方、教育部は大学も5月1日から非対面授業を対面授業に切り替えることを積極的に勧告した。
5月1日からは、1マス空けて座るなどの講義室の距離を置くことも解除し、大学自体別に意見収集の結果によって防疫基準を運営するようにする。
宿泊型教育行事は、これまで国の防疫当局の承認を受けなければならなかったが、これからは大学本部に届け出れば可能となる。
いよいよ5月からは教育現場も日常を回復していくことになりそうだが、再度の大流行の起点になるかもしれない。ひとまず見守るしかない。
(無料メルマガ『キムチパワー』2022年4月21日号)
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