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お金持ちは皆やっている。サラリーマンが見習うべき税金圧縮術

宝くじにでも当たらない限り、サラリーマンを続けながら「お金持ち」になるのは不可能だと考えてしまっている方、それは単なる思い込みでしかないようです。今回のメルマガ『神樹兵輔の衰退ニッポンの暗黒地図──政治・経済・社会・マネー・投資の闇をえぐる!』では投資コンサルタントでマネーアナリストの神樹兵輔さんが、豊かな老後を送るためにサラリーマンが身につけるべきお金持ちの発想と、彼らが実践している税金圧縮術を紹介。お金のプロとして、「時間を味方につける投資法」をレクチャーしています。

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なぜ金持ちはますます肥え太り、庶民はますます貧乏になるのか──金持ちほど税金を払わないですむカラクリ!

みなさま、こんにちは!

「衰退ニッポンの暗黒地図」をお届けするマネーアナリストの神樹兵輔(かみき・へいすけ)です。

今回のテーマは、お金持ちと貧乏人についてです。

新約聖書のマタイの福音の章には、「富める者はますます富み、貧しきものはますます貧しくなる」という一節があります。

2000年近くも前の書物に、こうした資本主義経済の冷厳な真実ともいうべき言葉が記されていた──というのは、驚くべきことでしょう。

別名「マタイの法則」とも呼ばれる現代にも通ずる経済現象ともなっているのです。

その理由はご存じでしょうか。

「収入=消費」の人生では、富の蓄積が図れないからに他なりません。「収入>消費」の人生でなければ、富の蓄積は図れません。

ましてや、この収入が「労働収入」である限り、それが本来もっている剰余価値は資本家に搾取されている──というマルクスの教え通りにもなってしまうのです。

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サラリーマンが一生お金持ちになれないロジックとは?

大卒正社員のサラリーマンの生涯賃金は、退職金を除いても2億から最大でも3億円程度といわれます。

しかしその手取りは、おおむね8割程度でしょう。

生涯で2億円稼いだとしても、22歳から65歳定年の43年間で割ってみると、1年当たりの平均はせいぜい460万円程度にすぎないのです。

2億5,000万の手取りとしても43年で除すると1年当たりの平均は、580万円程度にすぎません。

住宅ローンに、子供の教育費、日々の生活費に追われるばかりの人生では、まとまった貯蓄すらもままならない水準なのです。

こんな計算をちょっとしてみただけでも、平均的なサラリーマンを続けていたのでは、まずは一生「お金持ち」になれないことは明白でしょう。

サラリーマンの人は、どこかで発想を変えなければ、老後も含めて一生貧乏な生活を続けるほかはないのです。

65歳定年時に当てにならない退職金と年金だけが頼りの老後生活が待っているわけです。これは非常にヤバい現実でしょう。

また、近年では「高学歴パラドクス」という説も、広く流布されるようになってきています。

これは、子供の頃から勉学に励んで学歴競争に打ち勝ち、優秀な名門大学に入り、卒業後には一流大企業に就職して、出世のためのラットレースに励む──人生のことを指しています。

こういう高学歴エリートの人は、朝から晩までの社畜生活を送り、ようやく定年退職で会社から解放されるまで「働きバチ」の生活のままでしょう。

すると、大した資産も築けないうちに、老後生活に突入する──というケースになるのです。社畜で終わる人生です。

これが残酷な「高学歴パラドクス」の現実というわけです。

昨今話題の「FIRE」という早期リタイアを目指す資産形成ブームの背景には、こうした現実をシビアに考えている人が少なくないから──ということもあるのでしょう。

誰だって一生涯を社畜人生で送るのは嫌だからです。

ロバート・キヨサキ氏のベストセラー投資本『金持ち父さん・貧乏父さん』における「貧乏父さん」の生涯こそが、まさしく高学歴パラドクスの典型でもあるわけです。

一代で富裕層になった人たちは、意外にも学歴に関係ない人生を送った人が多いことも、こうした逆説を裏打ちしています。

さて、昨今はサラリーマンでも、労働収入に頼るだけでは、人生そのものが危うい──という人が、増えてきています。

しょせん、自分の労働力を売るだけでは、お金持ちになれないからです。どうしたら、自分の人生に裕福な生活をもたらせるのでしょうか。

今こそ、お金持ちの発想を身につけないといけないわけです。

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所得税は稼ぐほど税金が増える「累進課税」!

所得税は、課税所得全体に税率をかけるのではなく、所得が一定額を超える毎に、その超えた部分に対して高い税率がかかっていく仕組みの超過累進課税方式となっています。

速算表で示すと、課税所得が195万円以下なら税率5%ですみます。

そして、課税所得が195万円を超えて330万円以下の場合には税率10%で9万7,500円が控除されます。このへんまでなら、税金だけでなく社会保障費も少なくてすみます。

ところが、高額所得者ともいえる課税所得が900万円を超え、1,800万円以下の所得の場合には、税率33%で控除額が153万6,000円になります。

そして課税所得が4,000万円を超えると最高税率の45%が適用され、控除額が479万6,000円になります。

もちろん、これは課税所得なので年収額ではありません。

基礎控除や扶養控除、社会保険料控除など諸々が差し引かれ、そのぶん課税所得は圧縮されて割り出されます。

しかし、その結果でも給与年収が1,000万円以上の人は、国税庁の民間給与実態統計調査を見ても、給与所得者の5%程度(260万人)しかいませんが、源泉所得税と社会保険料(年金や健保など)、前年度の所得にかかる住民税を引かれると、概算で年間730万円程度の手取りにすぎなくなるのです。

年収2,000万円でも手取りはたったの1,300万円程度です。

驚くべきことに年収1億円でも、手取りは半分以下の4,918万円程度になります。

累進課税 なので高額所得者になるほど税金でもっていかれる部分が多くなります。

これでは年収が増えても素直に喜べないでしょう。

サラリーマンの人は、こうした現実を直視しなければいけません。

会社で昇進して給与が上がった──といっても、ちっとも喜べない現実があるからです。

それゆえにこそ、高額所得者の人ほど、自分が支払う税金に敏感になっているのです。これは、見習わなくてはなりません。

高額所得者は「損益通算」で税金を圧縮する!

そこで高額所得者が好んで使うのが所得税法上の「損益通算」という方法になります。

これはAの事業が黒字でも、Bの事業が赤字なら、両方を通算して所得を圧縮できるという仕組みで、青色申告で赤字なら3年まで繰り越せます。

所得税法上の所得は10種類に分類されますが、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つの所得については赤字になると、他の所得の黒字から差し引けるのです(ただし、株式売買の損失は株式の利益とでしか損益通算できない)。

そのため、高額所得者は、とりわけ不動産投資によって税金を圧縮する人が多いのです。

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不動産投資での「減価償却」がオイシイ理由!

例えば、賃貸用の不動産を購入して運用すると、家賃収入が発生しますが(空室があれば収入も減る)、同時にいろいろな経費もかかります。

特に初年度は、登録免許税や不動産取得税が、通年の租税公課(固定資産税・都市計画税)に加わります。

また、リフォーム費用や建物部分の借入金利子も経費になり、不動産業者への募集経費や管理費、見回りのための交通費も経費になります。

そして最も大きな経費となるのが「減価償却費」なのです。

新築の建物の法定耐用年数は、木造で22年、軽量鉄骨で27年、重量鉄骨で34年、鉄筋コンクリートで47年です。中古ならさらに築年数分が短くなります。

3,300万円で購入した新築の木造アパート なら、毎年150万円ずつを22年間建物が減価するぶんとして、帳簿上の経費として計上出来る形なので、家賃収入が年間200万円あったとしても、これらの経費をぜんぶ足せば軽く400万円は超え、不動産収入は200万円以上の赤字になります。

年収1,000万円のサラリーマンなら、源泉徴収された所得税額は85万円程度ですから、確定申告で各種の控除をしていくと、申告納税額はたちまちマイナスになるはずです。

すると、源泉徴収された所得税85万円全額が還付され戻ってくるのです。

これで事実上税金を払わずにすんだことになり、翌年の住民税もグーンと圧縮されます(所得が33万円以下なら均等割りもかかりません)。

この方式で、さらに次々と中古の不動産を購入していけば、効率よく減価償却が出来、何年にも渡ってまったく所得税を払わずにすますことも出来るのです。

所得の高い人ほど税金も沢山払っているので、不動産投資で節税に走るゆえんなのです。

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サイドビジネスでも節税できる!

最近流行の副業を独立自営型でスタートさせるのも、効率よく節税できる方法です。

たとえば、語学や何かのスキルをリモートで教えたり、犬の散歩代行業を始めるのでもよいでしょう。

ビジネスには必ず経費が発生するので、自宅家賃を按分したり、水道光熱費、パソコン代、通信費、交際費、広告費、研究費などを計上すれば、所得を圧縮し損益通算できるわけです。

いずれにしろ、日頃から領収書をもらう癖をつけ、諸々のコストを把握して、給与所得者であっても、毎年確定申告することが節税につながるライフスタイルとなるわけです。

ここまで見ていただいた通り、高額所得の人ほど、所得税を圧縮しています。税金がバカにならないからです。

高額所得の人は、自分の労働収入だけに頼ることなく、「お金に働いてもらう」という考え方をもっているのです。

不動産投資の場合には、金融機関からの融資を受けられるので、投資額そのものにレバレッジ(てこの原理)が利かせられます。

そのうえ、家賃収入という、他人からの賃料によって、ローンの返済も行えることになります。

時間を味方につける投資法なのです。

ローンの返済が終われば、投資物件がお金を生んでくれる、あなたの純資産になります。

こうした投資の基本原則は「長期・積立・分散」です。

お金がお金を生むサイクルを確立すべき重要性がここにあります。

サラリーマンの人は、株や投資信託などの金融商品や、不動産などの現物投資などで、純資産を生み出す仕組みをもたなければいけません。

投資のタネ銭をつくるためにも、サラリーマンの人は、まず最初は生活を切り詰めなければなりません。そして、100万円でも200万円でも投資のタネ銭をつくるべきでしょう。

この最初の小さな投資の雪ダルマをつくる要領で転がすことが重要なのです。

人生は「アリとキリギリス」の寓話に教訓を得るべきなのです。

不動産投資を始めるならば、最初は、少額からでもチャレンジ可能な都心の利便性の高い立地のワンルーム・マンション投資からでも初めて見るのがよいでしょう。

老後に備えて、まずはマイホームを購入したい人も多いでしょうが、住宅ローンを組んでしまうと金融機関の与信枠がいっぱいになってしまい、投資用の融資が受けられなくなります。

マイホームは、投資に成功して余裕が出来てから考えたほうが良いのです。

先に触れた『金持ち父さん・貧乏父さん』著者のロバートキヨサキ氏も、「自分のポケットにお金をもたらしてくれるものが資産」と説いています。

つまり、マイホーム購入は、自分のポケットからお金を奪っていくものゆえに、「マイホームは資産ではない」という独特の資産の見方を披露しています。一理も、二理もある考え方といえるでしょう。

あなたも、「長期・分散・積立」の投資の考え方で、お金持ちになる発想を磨いてはいかがでしょうか。

やり方次第で、あなたも一代でサラリーマンをやりながらでも、お金持ちになれるチャンスがあるのです。

ぜひ、行動を起こしてください。

今回はここまでです。

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image by: Shutterstock.com

神樹兵輔この著者の記事一覧

投資コンサルタント&マネーアナリスト。富裕層向けに「海外投資懇話会」を主宰し、金融・為替・不動産投資情報を提供。著書に『眠れなくなるほど面白い 図解 経済の話』 『面白いほどよくわかる最新経済のしくみ』(日本文芸社)、『経済のカラクリ』 (祥伝社)、『見るだけでわかるピケティ超図解――21世紀の資本完全マスター』 (フォレスト出版)、『知らないとソンする! 価格と儲けのカラクリ』(高橋書店)など著書多数。

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【著者】 神樹兵輔 【月額】 ¥660/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週月曜日

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