失業者が多いにも関わらず、マッチングがうまくいかず働き手が集まらない…。そんな現状に悩む雇用主の方々の声に対して、今回のメルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、人材不足の秘策を伝授しています。意外な年齢層が「使える」そうですよ。
人材不足の秘策。やる気のない若者より、生活の懸かったシニアを狙え!
相も変わらず、人材不足が続いています。社会情勢の悪化により、失業者が多いにも関わらず、働き手が集まらないのが現実です。
人を求める企業・商店。仕事を求める人たち。求めるものが同じでありながら、なぜ、マッチングできていないのでしょうか。
ひとつの要因としては、仕事に就けず、困っているのに、仕事を選り好みしている若者が多くいるからです。
厳しい世の中で、安定を望む気持ちは理解できますが、それを続けていると、就職の機会を逃し、フリーターやニートになってしまう可能性もあります。
やがてやる気を無くし、アルバイトをしていても、無気力な態度を取ってしまいます。
自身の置かれた状況を理解せず、「俺は才能を活かせていない」「私はもっと活躍できるはず」と、文句ばかりを言うようになります。
また、新卒採用しても、入社3年以内に約3割の人はやめてしまうというデータがあります。
根性が足りない。努力をしない。と、昭和チックに言うつもりはありませんが、現代の若者の気質であることは間違いありません。
そんな若者に大きな期待を抱いて採用したところで、長続きするとは限りません。もっと、違う層の人材を探すべきです。
若者を育てて、未来に繋げることは大切ですが、目の前の人材不足には、即刻対応しなければなりません。
そこで、声を掛けるべきは、シニアの人びと。
退職し、年金生活をしている人の中には、年金が少なく、生活に困っている人がたくさんいます。
年金の平均受給額は、国民年金で5.6万円、厚生年金で14.4万円。決して、余裕のある暮らしができる金額ではありません。
なので、年金をもらいながら、パート・アルバイトをしているシニアは、かなりの数に上ります。
ハローワークなどで、シニアの職探しをすると、「警備」「調理補助」「清掃」「マンション管理」で、求人があります。
逆に言うと、それ以外では、ほとんど求人がないということです。
シニアでは、細かな仕事、難しい仕事はできないと思われているのです。また、かなり目上の人に指図するのは躊躇する、ということもあるかもしれません。
しかし、シニアは想像以上に真面目によく働き、驚くほどの能力を発揮することがあります。
たとえば、ファストフード店で働く84歳の女性は、「好きだった接客がしたい」という思いから、82歳から働き始め、いまや「おもてなしマスター」と呼ばれる立場となり、お客さまへのサービスや声掛けをして、お客さまに慕われています。
家電量販店で働く80歳の女性は、商品の場所をしっかりと把握し、お客さまの要望に的確に応えています。パソコンも使い、バイクで通勤するほど、元気な方です。「動けるのが楽しい」と言います。
シニアだから使えない、ということはありません。長年の仕事経験、人生経験があり、高度なノウハウ・テクニックを持った人はたくさんいます。
そんな人材が溢れているのです。働きたいと願っています。こうした人材に声を掛けないのは、実にもったいない。買い手市場と言えるのかもしれません。
人材採用の門戸は、もっと広く開けておくべきです。やる気に満ちたシニアをぜひ採用してください。
image by: Shutterstock.com