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国葬、五輪、統一教会。汚染だらけで逃げ場ない岸田政権“ジリ貧”支持率

統一教会汚染や東京五輪汚職、さらには安倍首相の国葬等々を巡り有権者からの信頼を完全に失い、支持率下落に歯止めのかからない岸田内閣。「危険水域」と言われる30%割れの可能性も否定できない状況になりつつありますが、彼らに打つ手はあるのでしょうか。今回のメルマガ『uttiiジャーナル』では著者でジャーナリストの内田誠さんが、あまりに酷いと言わざるを得ない諸問題を改めて取り上げ、各々についてその本質を追求。「岸田氏は何のために総理大臣になったのか」とまでの厳しい見方を記しています。

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国葬、電通、統一教会。問題だらけの岸田内閣狂騒曲:「デモくらジオ」(9月2日)から

今日、冒頭にお話申し上げようと思いますのは、この間の政治の流れというか…これは岸田内閣の行く末を考える上でも重大な色んな問題が同時多発的に起こっていて、なんというのか、もうシッチャカメッチャカな状態ではないかと思うんですね。突っ込みどころ満載もいいところじゃないですか。

これが、やがて秋の国会が始まりますけれど、国会が本格的に始まったときに、もうそうなると統一教会が自民党に与えた、あるいは保守政権に与えてきた影響の範囲なんていうことでは終わらない。

一つには国葬の問題がありますし、それからエネルギー政策の大転換ですね。これ、とてつもない問題ですけれど。それからもう一つ大きなこととしてあるのは防衛費の増額の問題。これは概算要求がすごいのが出て、スタンドオフミサイルがどうのこうのと色々あるのですが、5兆6,000億円くらいでしたかね、ところがそれで収まらない。いわゆる事項要求といって金額を示さない要求もたんとつまれていますので、こういうものを全部合わせれば「6兆円台の半ば」…あれ、どこかできいた数字、思い出しません?

自民党の安倍派の会合で、在りし日の安倍さんが防衛費の2%云々の話のときに言っていたこと。防衛力の抜本的な強化ということを岸田政権は言っているから、これは6兆円台の後半までいくのではないかと、嬉しそうに話していました。どうやらその数字にはある意味で「根拠」があったのでしょうね。ドンピシャ。少なくとも、事項要求を大体計算するとそのくらいになるだろうという意味で今報じられている6兆5,000億円以上というね…。ものすごい大軍拡、防衛費の大増額ということになります。

それからもう一つ大きな問題としてあるのは、オリンピックを巡る汚い金のやりとりですね。これは、今刑事事件になっているわけですが、どこまで伸びていくのか。これ、こういうレベルの問題が起きたときに、政治が絡んでいないはずがないですよね。これ、当然ね、オリンピックを巡って動いたおカネはもっと他にも色々あるわけですね。いわゆる規制の緩和ということに関しても、神宮エリアの規制の解除を巡ってどれだけのカネが動いたのだろうかということがありますね。こうなるとこれはちょっと大騒ぎだと思うんですよね。

これ、電通じゃないですか。今、家宅捜索を受けたり、元専務が逮捕されたりしていますが。これ、国葬の話とか影響してくると言うか、笑っちゃいますが。いや、これ、国葬を笑う訳ではないですが、普通なら電通に丸投げしていたんじゃないかと誰でも思いますよね。(この事務作業)ややこしいですよ、だって、ものすごい数の外国要人が来るわけでしょ。その一人一人に警備がつくわけですよね。

で、それは全部バラバラにやるわけではなくて、警備が連携していないと意味が無いですよね。ということは、その段取りとか、いつどこで誰がどのように配置されるかという、まさに奈良の銃撃事件で起きたようなことを繰り返さないために、綿密な計画を練らなければならない。そんなことが外務省の官僚や内閣府の官僚に出来るだろうか。今、やっているのかもしれませんが、多分、死にそうな顔して働いているのではないかと。本当に気の毒としか言い様がないですが、しょうがないですね、官僚になっちゃったんだから。こういう問題が起きてくるでしょう。

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とにかく大変な問題が山積、まさに山積しているんですよ。それもまあ、野党に追及されるのは望むところだというテーマももちろんあるでしょうけれど。旧統一教会の問題のように「降ってわいた」と彼らが感じているような、そういう問題でもあるわけで。これは、国会で大変な騒ぎになるというか、ならなければいけないことだと思うんですね。そういうことがあります。

で、よく考えてみると、岸田さん、なんのために総理大臣になったのだろうという疑問を抱いております。新しい資本主義とか、まあ、安倍さんの時代に荒廃してしまった日本の経済、その土台を建て直すために色々なことをやるということになるのでしょうけれども、それがはたして実現するか。それが例えば原発の問題で、原発をエネルギーの中心に置くというようなことを言い始めている。

それからもう一つ、順番を間違えましたけれど、コロナの問題がありますね。例の全数把握の問題が今のところ一番大きいように言われていますが、これ、結局、それだけではない。あれは医療機関と保健所の負担軽減ということから起きてきているわけですが、問題はこの感染の波をどうやって押さえていくのかということであるはずなのに、そちらの方は何もしていないに等しいでしょ。むしろ、感染するならしてしまえと言わんばかりのことになっていませんでしょうか。今度のBA.5という奴の特徴の最たるものは、感染力が非常に強いということと同時に、高齢者や基礎疾患のある人たちが中等症から死に至るということ、重症の人はむしろ少ないのですが、中等症で入院した人が手当の甲斐なく、数日後に亡くなってしまうという例が非常に多く、一日の死者が300人以上のこともありましたね。

これ、めちゃめちゃ多い数字。日本でコロナで亡くなった人の数が、累計で4万人を超えたそうですが。結局、お年寄りと基礎疾患のある人、介護費と医療費の掛かる人たちがですね、次々に亡くなっていくという形に、私には見えてしまいます。なんか、どうか、この放送を見ておられる方の中には病気をお持ちの方も高齢の方もたくさんいらっしゃると思いますが、ちゃんとした対策を国が組まずに、このような形で亡くなる人が増えていく状況は大変よろしくない。是非ともこういうものに負けずに、頑張って生き抜いていただきたいと思っています。もちろんこれも国会で追求のネタになるでしょう。

そうなると簡単に数えて五つくらいになるわけですが、エネルギー政策についてはもう一つあって。ロシアによるウクライナ侵攻の流れの中で、天然ガスでヨーロッパの国々にたくさん供給されていたものが、NATOとロシアの対立の中で、流れていかなくなると。ロシアが供給量を絞ったり止めたりする状況があって。ロシアは余った天然ガスを燃やしているということですが。日本にとっての直接の問題はサハリン2ということですよね。結局、あれで、プーチン大統領がロシア系企業、ロシアの企業を事業主体にして、そこに昔の言い方で言うと「国有化」に近いような、そんな話になっている。

そこに、日本の二つの企業グループが参加をすることになった。ということになると、日本はロシアから天然ガスの供給を受け続け、買い続け、つまり金を払い続けることになる。これは外交上何らかの問題を引き起こす可能性がありますよね。

とにかくとんでもない問題が山のようにのしかかっている。岸田さんは何をどうしようというのか。すっかり忘れてしまいましたよね。総裁選の公約の頃の発言というものを。なんか言っていませんでしたっけ。格差を是正するとか言っていませんでしたっけ。(そんな話)どこかに行っちゃいましたよ。だから防衛費も大幅に上げるんでしょう、抜本強化すると言っていますからね。

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その一方で、金融課税の強化はしない、原発の、これ、いつできるか分かりませんけれど、まあ、とんでもないお金が掛かる原発ではないかと思いますけれど、新型炉というような話は。そういうものにも投資をしていくということになるのでしょうから、まあ、投資というか、ね、完全な民設ではないわけでしょ。これ、大丈夫ですかね。本当にどうかなっちゃいそうだなという気がしております。

えーと、この一週間の間にそのような問題が全部立て続けに一つずつ進んでしまった感じがあって、逃げられないところに来ちゃっていますので。こうなると、とりわけ今、統一教会の問題で支持率が下がっている岸田政権ですけれど、上がる見込みなんて多分ないですよね。本会議でもどなたかが言っておられましたけれど、内閣改造をやって支持率が下がった政権て、まず記憶にないといいますか。

内閣改造をやれば普通は支持率が上がるので、そのために改造をやることさえあるようなことなのに、奥の手みたいな。ところがそれをやって支持率が下がったという。

もう一度、統一教会の問題から話始めますが、二人ほど、非常に問題の多い人が明らかになってきましたね。山際大臣が一つ、結構、深いところに入っているぞと。統一教会系の会合のようなものに出席して挨拶をしていたのではないかという話がありました。で、これね、「全然知らなかったんですよ」というんだけど、そんなわけはないんですよ。それは調べますよ。よくご存じのはずですよ。よくご存じで、そこから先、プラグマティックにというか、お互い実利を取るWin-Winの関係で、別に原理講論を読んだわけでも彼らの世界観を認めるのではないけれど、お互いに良い思いをしましょうやというドライな関係なのか、あるいはもうちょっと先まで行っているのか、それは分かりませんけれど、しかし、よく調べて把握したうえで判断しているはずですよ。でなければ政治家じゃないですよ。あり得ない。

で、山際さんは現職の経済再生担当ですよね。例によって、組閣前には統一教会との関係を公表せずに、留任し、その後に報告した「遅刻パターン」の方ですね。その後も指摘が続いていて、結局、報道がそう言っているのならそうだろうという投げやりなコメントで、統一教会との関連性についてお認めになったということがありますね。現職閣僚ですよ。良いのですかね、そのまま放っておいて。

もう一人、萩生田さんです。萩生田さんに関しては色々なものが出てきてしまい、八王子の市議時代でしたか、八王子選出の都議の時代でしたか、忘れましたが、地方議員として萩生田さんは統一教会の会合に来ていたという話が元信者の方の話から出てきたり、あるいはご本人も、そのような統一教会との関係については、この前までは「適切に処理します」と言って誤魔化していた。つまり一切断ち切るとかやめるとか縁を切るとか、そのようなことは言わなかったんだけど、今回は言いました。言いましたよ。関係を絶つということを仰いました。

これ、絶つのでしょうけれど、それ以前の深い関係について、もう一度お調べいただいた方が良いのではないでしょうか。これも山際さんと同じで、統一教会について知らなかったというような間柄ではないでしょう。極めて深い関係にあって、しかもその深い関係にある統一教会という団体は、日本は韓国の前にひれ伏し、カネをすべて差し出すべきだという思想を持った宗教団体であるわけですからね。保守が泣くよね。そういうところに至っているわけですね。どんどんと色々な事実が明らかになっていくのでしょう。

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それから国葬に関しては、2億5,000万円を予備費から出しますということになりました。これに関しては外国から来る要人、来賓の接遇ですね、いわゆるアテンドという接遇と警備。これは宿泊費や滞在費と違い、すべて日本側が持たなければならないはずで、これに、いくら掛かるのか。大量の警察官をこのために動員するのは不可欠でしょうから、その費用負担をどう考えるかということが出てきます。いくら掛かるか分からないので後で報告すると松野官房長官は言っています。おいおい、という感じですね。警察関係者の証言によれば、最大で100億円かかる可能性があるということです。これ、似た例の経験を通して出てきた数字で、実際に100億円に届くのかどうかというよりも、そういう規模の事業だということです。

それからエネルギー政策の大転換。原発再稼働を進め、運転期間の延長を図り、さらに新増設も考える。これはね、本当にどうしちゃったの?というくらい驚くべきことですね。それで防衛費増額って、ちゃんちゃらおかしいでしょ

これから国会に向けて色んな事実の蓄えといいますか、追及材料がこれから積み上がってきて、国会になれば激しい追及の嵐が起こるのではないかと思います。各委員会、もちろん予算委員会が中心でしょうが。そうなったときに、岸田さん、ちゃんと答えられない可能性が高いですからますます支持率が下がる、それに対して起死回生の一手ということになると、これは本会議でもどなたか言っておられましたが、解散総選挙を打つ可能性がある。

3年間のゴールデンタイムでしたっけか、3年間国政選挙がないので、解散さえしなければそのままいけると。で、その間に憲法改正を含む政策を進めましょうという話になっていたのだけれど。政策を進める主体にこれだけ大きな問題がたくさんのし掛かっている状況で、政策の実現など、可能なのかどうか。やったらそのことがまたさらに大きな反発を呼んでというような悪循環に入る可能性がある。

(『uttiiジャーナル』2022年9月4日号より一部抜粋。全てお読みになりたい方はご登録ください)

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image by: 首相官邸

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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