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Businessman in handcuffs arrested for financial fraud, sitting in interrogation room

韓国検察と反日政治家が一騎打ち。暴かれた反社会的勢力の組長との「黒い関係」

韓国の大物政治家「李在明」氏に多くの疑惑があることは以前から噂されていましたが、韓国検察は彼に対してようやく本格的に動き始めています。今回の無料メルマガ『キムチパワー』では韓国在住歴30年で韓国の大学に勤務する日本人教育関係者が、今回逮捕された韓国中堅企業集団であるサンバンウルグループの会長との黒い取引について暴いています。

「検察VS李在明」の一騎打ち、いよいよ本格化

国外逃避8か月ぶりにタイで捕まったサンバンウルグループのキム・ソンテ元会長が17日午前、仁川国際空港を通じて帰国した。サンバンウルという会社はもともとは韓国の中堅企業集団で、下着会社のサンバンウル、ビビアン、芸能事務所のIOKカンパニーを中心系列会社としていた。

しかしグループ名は過去と同じだが、2010年にキム・ソンテ(組織暴力団の組長)が率いるレッドティグリスに買収され、オーナー一家とサンバンウルグループは完全に断絶した。キム・ソンテは李在明との関係で大きな疑惑をもたれており、韓国への帰国によりそれらがどこまで明らかにされるかに関心が集まっている。

キム・ソンテはこの日、取材陣が「共に民主党の李在明代表と連絡したことはないのか、全く知らないのか」と尋ねると、「全く知らない」と答えた。「サンバンウル転換社債の中で(李在明代表の)弁護士費に流れたものがあるのか」という質問にもキム前会長は「全くない」と答えた。

先立って李在明も13日ユーチューブチャンネル「李在明」を通じて「だいたいにおいて私はキム・ソンテという方の顔も見たことがない」とし「その方がなぜ私の弁護士費を払ったりしてくれるのか。(サンバンウルとの縁というなら)下着を買って着たことくらいしかない」と話した。

しかし、同日午後、水原(スウォン)地方裁判所刑事11部(シン・ジンウ裁判長)の審理で開かれた李華永(イ・ファヨン)前京畿道平和副知事の裁判で、これと相反する証言が出た。証人として出てきたキム・ソンテ前会長の秘書室長
出身というA氏に検察が検察段階陳述調書を提示し「キム・ソンテ会長、バン・ヨンチョル(サンバンウル)副会長、李在明京畿道知事、李華永副知事が近い関係だったのか」という(検察)質問に『はい』と答えたのか」と尋ねると、A氏が「そうだ」と答えたのだ。A氏は続いて「(検察段階の供述は)事実通りに述べたもの」と再び述べた。彼は「李在明知事がキム・ソンテ会長と親しいという話が会社内で多く出ていた」とも話した。

A氏は2010年代半ばからキム・ソンテ前会長の秘書室長などとして働き、サンバンウル系列会社代表も務め「悪いこと」を処理した側近に挙げられる。ある法曹人は「検察段階の陳述とは異なり法廷で偽りの証言をすれば偽証罪で処罰されるので『李在明とキム・ソンテが親しい』というA氏の陳述は事実である可能性が高い」と話した。

サンバンウルグループのキム・ソンテ前会長は17日午前8時26分ごろ、仁川(インチョン)国際空港に入国した。彼は両手に手錠をかけられたまま取材陣の前に立った。帰国飛行機に法務部・検察合同護送チームが同乗しキム・ソンテを逮捕したという。

キム・ソンテは同日、仁川空港からすぐ水原地検に護送され取り調べを受けた。「サンバンウルグループ不正疑惑」を捜査する水原地検はこれに先立ち、キム前会長に対して横領などの疑いで逮捕令状を受け取っている状態だ。

キム前会長は2018~2019年、サンバンウルグループが発行した転換社債買い入れ資金を用意しようと会社資金30億ウォンを横領したという疑惑を受けている。サンバンウル系列会社のナノスが発行した転換社債を保有した投資組合で、本人の持分を高めようと他の組合員の持分を故意に減額し、4,500億ウォンの損害を及ぼしたという背任容疑もあるという。

キム・ソンテは、民主党の李在明と関連した様々な疑惑を受けている。サンバンウルは李在明が京畿道知事だった時代、対北朝鮮事業のために京畿道と事実上一つの体のように動いていたという。

キム・ソンテは2019年5月当時、李華永京畿道平和副知事、安富洙(アン・ブス)アジア太平洋協会会長らの助けで、中国丹東で北朝鮮側から鉱物開発など6分野の優先的事業権を受け取り、その見返りを支給することにしたと調査の結果わかった。

これと関連してサンバンウルは2018~2019年640万ドル(当時の為替レート基準72億ウォン)を中国に密搬出したという疑惑を受けている。検察は、キム・ソンテが安富洙アジア太平洋協会会長を通じて47万ドルを対北朝鮮事業ロビー資金の名目などで、北朝鮮側の朝鮮アジア太平洋委員会の金英哲(キム・ヨンチョル)委員長と宋明哲(ソン・ミョンチョル)副室長に渡したと見ている。

サンバンウルが李在明の京畿道知事時代、(李在明の)側近に金品を提供した疑いも明らかになった。李在明が任命したイ・ファヨン前京畿道平和副知事は2019~2022年キム・ソンテなどから賄賂と不法政治資金計3億ウォンを受け取ったという疑惑で起訴された。イ・ファヨン前副知事は11年からサンバンウル顧問と社外取締役を務め、報酬を受けている。

サンバンウルは京畿道とアジア太平洋協会が2018年11月と2019年7月に2回共同開催した南北交流行事費用も支援した。検察は昨年11月、アジア太平洋協力協会のアン・ブス会長を外国為替取引法違反の疑いで裁判にかけ、公訴状に「キム・ソンテ、アン・ブスが2018年12月に北朝鮮要人に会い、サンバンウルが京畿道に代わって北朝鮮内スマートファーム改善費用50億ウォンを渡すことで協議した」と指摘した。アン・ブスもサンバンウル社内取締役出身だ。

サンバンウルが李在明が2018年選挙法違反の疑いで裁判を受けた時、20億ウォン余りの弁護士費用を代わりに払ったという疑惑もある。検察は昨年9月「サンバンウル転換社債の一部で資金洗浄が疑われる情況が確認され、李在明などとサンバンウルの関係に照らして関連利益が弁護士費として代納された可能性を排除しにくい」と明らかにした経緯がある。李在明の選挙法違反事件の弁護人だった李テヒョン弁護士とナ・スンチョル弁護士も、サンバンウル系列会社の社外取締役を務めた。

李在明が京畿道知事だった時、顧問弁護士だったキム・インスク弁護士、チョ・ゲウォン前京畿道政策首席などもサンバンウル系列会社社外取締役出身だ。

サンバンウルという会社を隠れ蓑にして、あらゆる「悪事」を(李在明が)働いていた姿が徐々に解明されつつある。結論は「李在明が悪の根源」ということであるが、それをどこまで剥き出しにできるか。いよいよ「検察vs.李在明」の一騎打ちがはじまったところだ。三流映画よりははるかにおもしろい韓国の現実がここにある。

(無料メルマガ『キムチパワー』2023年1月18日号)

image by: Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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