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Technology meets humanity background, modern remake of The Creation of Adam

ChatGPT、Web3…新しいテクノロジーについていけないと感じる人へ

ChatGPTなど多くの新しい技術が開発されていますが、それに振り回されることなく使いこなすためには何をしたらいいのでしょうか。Google、マッキンゼー、リクルート、楽天の執行役員などを経て、現在はIT批評家として活躍されているメルマガ『尾原のアフターデジタル時代の成長論』の著者・尾原和啓さんが、2つの方法を紹介しています。

【ChatGPT, Web3, メタバース】技術バズワードに対して振り回されず、使いこなすための2つの方法

「Chat GPT」「メタバース」「Web3」など、次々と出てくるテクノロジーバブルにどう対応すべきか、という話をしていきたいと思います。

新しいテクノロジーに振り回されない2つの方法

ここ1年半くらい、Chat GPTなどの新しいテクノロジーが、「世界を変えるぞ」ということで僕たちは振り回されています。僕たちが気をつけないといけないのは、YouTubeにしろニュースメディアにしろ、PVや視聴率を稼がなければならないので、スキャンダラスな方向に行っているところです。

また、技術には複数のファクターが絡んでいます。最近になって、松尾豊さんなどのきちんとした方がようやく解説してくださるようになってありがたいのですが、ブームの3ヶ月くらいは、「お前、ちょっと言っていること〇〇なんだけどな」みたいな解説にまみれるし、「ただ過激なことを言わせる」みたいなところが残ってしまうわけですね。

そういう時に、僕たちはどうお付き合いすればいいのでしょうか?オススメするのは2つです。

1つは「俺にとって、道具として便利かどうか問題」です。そしてもう1つは、「5年後、10年後に世の中をどう変えるのか」という長期の視点です。

最近の技術はアップデートが早いので、一つ一つに振り回されるのは無駄ですし、その裏側にある技術には複雑なものが絡み合っているので、それを1人で説明できる人は少なくなってくるわけですよ。

だとしたら、そういうものはあきらめて、「今、目の前にあるものが俺にとって便利なのかどうか」という、「道具」で考えるほうがシンプルです。

一方でこの道具は、見えないうちに世の中を変えて、5年後、10年後、「社会のあり方や働き方」「誰が稼げて、どういうことが無駄になってしまうのか」が決まってきます。したがって、「道具」と「5年から10年先の変化」を極端に分けたほうがいいんですね。

長期の視点で考える時に大事なこと

特に5年先、10年先の変化で「今できるところから、このくらいのことまで技術でできるようになっちゃうよ」「ここにはまだ限界点があって、この技術がクリアされないとわからないからね」といった見通しを立てる人の意見は、そこまでズレません。

要は、今目の前にある使い道と、5年から10年先はそこまでズレないし、ズレる時は「ここが起こったからズレたんだ」とわかるわけですね。

だけど直近の1~3年は、いろいろな活用の仕方をするから想定外のことが起こるし、「あんなところがこんな技術を作ったんだ」という変化があるから、目の前のことに振り回されやすくなります。

僕ですらぜんぜん予測できないですから、目の前の道具なのか、5年先、10年先かをきちんと分けることが大事だと思います。5年先、10年先をどうすればよいのかは、すぐに答えがわからなくてもいいわけですよ。

最近すばらしいのは、自民党の中の研究会や学会など、オーセンティックなところが3ヶ月から半年できちんとしたまとめを作ってくれやすい時代に入ったことです。

また、僕を含めたテクノロジーのビジョナリスト、フューチャリストがまとめたものがしっかり出てくるので、それを待つのが一番ですね。

だから手前で出てくる細かい話は聞かない。「僕、まだちょっとわかっていないんだよね」と言う勇気が大事です。5年から10年先の、「この人が言っていることがすごく評判がいいぞ」というものだけを読んでおけばいいです。

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原理ではなく「道具」として考える

一方で道具に関しては、「スマホが動いているのは、フーリエ級数がめちゃくちゃ使われているからだ」とか、「僕たちの位置を特定するGPSは、アインシュタインの相対性理論が使われているからだ」とかを知っている人なんて、ほとんどいません。

でも最近のAIにしろメタバースにしろ、「裏側を知っておかないといけない病」があります。普通に道具として触って便利だったら活用するし、便利じゃなければ使わなくてもいいんです。

アップデートしていかなくても、久しぶりに「こういう使い方ができるらしいよ」と教えてもらって、「え、そうなの」と言って、すぐに使えばいい話なんですよね。

まずは使ってみる。使ってみて、その場で使い方がわかればOKだし、わからなければ放っておけばいい。ただ大事なのは、新しい使い方が出てきたことに敏感になっておくことです。

使い方の本には間違いがないわけです。「こういう入力をしたら、こういう出力が出ますね」というのをいろいろな人が作っているので、自分が教育をしているのであれば、1ヶ月に1回、1時間でよいので、「教育・GPT」「教育・メタバース」みたいなかたちで、YouTubeやGoogle、Twitterを検索して、使い方のところだけを自分でも試してみる。そして、「あ、これいいな」と思ったら取り込む。こういうことを毎月1回やっていくことが大事です。

それをやっていると、「この人は使い方に関して、いろんな新しい工夫をするな」「この人は使い方についてまとめてくれているな」という人が見つかります。

その人は新しい使い方のコンビネーションがすごくうまい人だから、僕たちは原理をわかっていなくてもいいんですよ。

「使い方のベンチマークになる人を見つけて、その人のTwitterをフォローしておいて、アップデートを見るようにする」。あるいは、「1ヶ月に1回、1時間、使い方に関してだけ学習する」。

このように、きちんと分けることが大事だと思います。

ということで、つながる時代を楽しみましょう!

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image by: Shutterstock.com

尾原和啓この著者の記事一覧

IT批評家、藤原投資顧問 書生 1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用システム専攻人工知能論講座修了。 マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタート。 NTTドコモのiモード事業立ち上げ支援を経て、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現:KLab取締役)、コーポレートディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、Google、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業立ち上げに従事。 経産省 対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザー等を歴任。 現職は14職目。シンガポール・バリ島をベースに人・事業を紡ぐカタリスト。ボランティアで「TEDカンファレンス」の日本オーディション、「Burning Japan」に従事するなど、西海岸文化事情にも詳しい。

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【著者】 尾原和啓 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎週 月・木曜日 発行予定

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