そこそこのクオリティだけど、誰よりも早くできた─。あなたはこれをどう評価するでしょうか。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょうおんさんは、点数を積み上げる思考の危なさと時間とクオリティについて語っています。
そこそこのモノを速く
人間ってひとつの習性として、点数を積み上げる方向の思考をしてしまうところがあるんです。点数を積み上げるというのは、
▼ 一度目にやったモノの点数が60点だったら、それを70点に高める
▼ 次には70点を80点にする
▼ 最後は100点になるように頑張る
こういう積み上げをするということで、これはみなさんの多くが得意というか、理解できる思考なんです。
ところが普通にやったら90点を取れる実力のある人が、60点で良いから、今の半分以下の時間で片付けてくれ、と言われた時の対応ができないんです。それは切り捨てるとか、削るという思考ができないからです。点数を積み上げることはできても、点数を削ってその分、時間を節約するという訓練をしていないからなんです。
仕事といえば、とにかく点数を高めることだという方向にばかり意識が向いて、点数を落としながら生産に掛かる時間を短くしていくという意識がないんですよ。
多くの人が、速読の訓練で躓くのはここなんです。
1/3の時間で60点の理解なら十分でしょ?と説明しても、80点、90点、いやいや100点じゃないと納得できないんですって顔をするんですね。
でもこの文章の理解に100点満点の理解度は必要ないですよね?要点が理解できれば十分じゃないですか?その代わり、いつもの1/3、1/5の時間しか使っていないんですから。と言ってもピンと来ない人が多いんです。
これは、そこそこのクオリティではダメなんだという既成概念から抜け出せていないからなんですね。そうなってしまう理由は、
● そこそこのモノだけど、誰よりも早く生産できた
ということの価値を理解していない、そういう仕事のやり方で評価されたことがないからなんです。
ま、実際には、「そこそこだけど早くやることに価値がある仕事」に対応できない人だと見切られていて、それを評価されるような仕事を振られたことがないのかも知れません。というかその人の上司は、何度も何度も、
● そこそこで良いから、早くアウトプットしてくれないかな
ってお願いしているはずなんですよね。仕事のできない人って頑固な人が多いですから、頑なに自分のやり方に市場を合わせようとするんだと思います。その落とし所として、
■ 相応の時間を掛けて、それでも85点程度のクオリティしか生み出せない
という仕事の進め方をしているんだと思います。これはかなり強くダメ出しをしているんですよ。相応の時間を掛けたのなら、95点にしろよって話ですから。
60点で良いから、速く終わらせてくれ!
という仕事に対して、独自見解を貫いてこちらの期待する2倍の時間を掛けて、それでクオリティは95点に達していないとしたら、依頼する方としては採点ではゼロ点なんですよ。
■ こっちがお願いしたい時間の2倍も掛かってるのに、それなのにこことここと、あそこにもエラーがあるの?(←なんという役立たず!って上司は思っています)
この感覚って分かりますかね?
5つまでのエラーは無視してあげるから、20分で終わらせてねというリクエストに対して、40分掛けてクオリティはエラーが3つありましたって、何も良いところがない、どうしようもないグダなんですよ。こんな仕事を褒められるわけがないんです。でも、この感覚を分からない人が非常に、ヒジョーに多いんです。
で、そういう人に無理矢理20分でやらせると、今度はエラーが8つありましたってことになるんです。どうやっても20分で5つのエラーに収めることができないんです。なぜかって?だってそちらの方がスキルと能力が必要ですから。つまりその人は、能力的に相当劣後しているということですよ。
これは意識して、短い時間で仕上げるという訓練をしないと、できるようにならないんです。実はそれをやることが、あなたの脳力を高めることに繋がるんです。ですから、いつもの業務を、半分の時間で、その上で、どの程度のクオリティを保てるのか?を確認するということをやってみると良いですよ。
特に、この話に、「胸が痛い!」って思う人はね。
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