日本の会議は無駄が多いと言われますが、成果の上がる会議とはどんな方法で行われるのでしょうか?今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では、著者で経営コンサルタントの梅本泰則さんが、成果が出る販売会議の方法について語っています。
成果のあがる販売会議の仕方
1.販売会議を開く
あなたのお店では、販売会議をしていますか?
「当たり前です」
すみません。
では、どれくらいの頻度で行っているのでしょう。最低でも、月に1回は開いていますよね。
その会議には、何時間かけていますか?おや、3時間ですか。結構長いですね。
従業員15人全員が参加するともなれば、それくらいの時間は必要かもしれません。それなりに、準備が大変そうです。
その会議は、いつ行うのでしょう。開店前でしょうか、閉店後でしょうか、それとも定休日でしょうか。
開店前や閉店後に、3時間も確保するのは難しいですから、きっと、定休日にやっているのですね。
従業員の皆さんにとって、大変ではないですか?私は、全員が出席する販売会議は、閉店後の1時間で良いのではないかと思います。
全体会議は、主にお店の方向性や、やるべきことを確認する場です。あまり多くのことを討議したり、意見を聴いたりする場にすると、いくら時間があっても足りません。
やはり、1時間ぐらいで終わるように、スケジュールを立てると良いでしょう。ただし、そのためには、全体会議の前に責任者会議を開く必要があります。
2.責任者会議を開く
そもそも、販売会議の主な目的は、年度の最初に立てた数値目標との差異を明確にし、目標を達成するための対策を考えることです。そのためには、まず前月の市場動向を確認します。
次に、課題と対策を考えなくてはなりません。もちろん、商品群ごとに、動向や課題、対策は異なります。
それを、全体会議の中でこなそうとするのは、難しいです。ですから、全体会議の数日前には、責任者会議を開くことになります。
この会議には、各部門の責任者が出席しますが、比較的お客様の少ない午前中などの時間帯に行ってはどうでしょう。
そして、責任者会議では、受け持ち分野の各責任者が、数値実績を基に、現状報告と分析をします。
目標が達成したならば、それに貢献した商品や、施策、プロモーションについて分析し、目標が達成できなければ、その原因を分析しなければなりません。
例えば、
・前月のサッカーの売上は〇〇万円で、目標比110%であった
・M社のスパイクが好調で、売上を押し上げたのが要因である
・粗利益については〇〇万円で、目標比95%であった
・新入学セールによる利益率が〇%となったことが原因である
といったように。
各自の報告が一通り終わったら、続いて今月の対策を発表します。例えば、今月の目標値を達成するために、どの商品の販売に力を入れるか、売り方はどうするか、どんなプロモーションを実行するか、といったことです。
これらの発表に対し、他の部門の責任者は、必ず何らかの意見やアドバイスをしなければなりません。
この責任者会議で決まったことが重要です。その決まったことが、全体販売会議で発表されることになります。
3.全体会議で行うこと
全体会議の議事は、次のように進めると良いでしょう。
・議事進行について、社長と議長とで事前に打ち合わせる
・議事の説明、検討のため、モニターかホワイトボードを用意する
・会議の最初に、議事案を皆に配布
・書記を指名する
・議事に入る前に、社長からの一言
・責任者会議で話し合われた「対策表」を参加者に配る
・社長が全体の施策(前月の結果と当月の対策)を明らかにする
・部門責任者から各部門の施策を発表する
・各担当者から、現場の問題点、課題、意見を吸い上げる
・今会議で決定したことを確認する
・社長が最後に一言
これを1時間で収めるには、テキパキと進めなければいけません。
全体会議では、出席メンバーに配られる「対策表」が、重要です。これは、商品群ごと一枚の表にまとめられています。
表は左右に分かれていて、左側半分が前月の動向です。
一番上の行に、売上実績と目標達成度が書かれています。2行目は粗利実績と目標達成度です。その下には、前月の商品動向、顧客動向、仕入対策の結果、プロモーション実施結果などが簡潔にまとめられています。
表の右半分は、当月の方針や対策です。一番上の行は、今月の売上目標、2行目は粗利目標。その下に、商品戦略、顧客戦略、利益獲得戦略、プロモーション戦略が書かれています。
これらの内容について説明するのが、部門責任者です。一通り説明が終わったら、全員から質問や意見を受け付けます。
この販売会議で大切なのは、今月はどんな方針で販売し、目標を達成するかということを、皆で共有することです。
もちろん、決めたことがすべてうまく行くわけではありません。計画通りに行かないのには、理由があります。それをまた分析して、次回の販売会議の課題とすることです。
こんな感じで販売会議を行ってみてはいかがでしょうか。
■今日のツボ■
・販売会議の目的は、目標を達成するための対策を共有すること
・全体会議の前には、責任者会議を開いて対策を考える
・全体会議で配られる「対策表」が重要である
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