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文政権の“嘘”が次々と暴かれる韓国。北朝鮮施設を検証ナシで「不能化」発表が判明

韓国の文在寅政府時代に、北朝鮮の最前線監視哨所(GP)が不能化したと発表していましたが、その際の現場検証はあまりにもずさんなものだったことが判明しました。今回、無料メルマガ『キムチパワー』の著者で韓国在住歴30年を超え教育関係の仕事に従事している日本人著者が、その詳細を紹介しています。

韓国の文政権、なんの検証もなしに北朝鮮「最前線監視哨所」不能化を発表していたことが判明

文在寅政府が2018年12月、現場検証も核心地下施設破壊有無の確認もせずに「北朝鮮GP施設が軍事的に不能になった」と発表したことが分かった。当時、現場検証に参加した複数の軍関係者はこの1月14日、本紙(朝鮮日報)に「北朝鮮GP地下施設が破壊されたかどうかを装備などを通じて実際に検証することはできず、肉眼で見て北朝鮮の主張を聞いたのが全てだった」とし「『不能化に対する疑問が十分に解消されなかった』という趣旨の報告も掲載したが黙殺された」と話した。現場検証団が不良検証、虚偽発表疑惑を外部に提起したのは今回が初めてだ。

政府高官も「当時77人で構成された現場検証団の一部でこのような報告をしたことを確認した」とし「北朝鮮側の地下施設をきちんと確認しないまま、北朝鮮側の立場だけを聞いて韓国政府の立場が『不能化が達成された』となった経緯を把握している」と話した。

軍高官は「当時、合同参謀が検証結果の報告を検討する過程で、合同参謀側高官と国防部高官の間で怒鳴り声と暴言が交わされ、意見の衝突があったと聞いた」と話した。軍側では「不能になったと判断しにくい部分がある」と主張したという。文在寅政府が北の金正恩のご機嫌伺いに北朝鮮最前線監視哨所(GP)を撤収した可能性があまりにも濃厚なわけだ。

軍は最近、北朝鮮が昨年末から復元に乗り出した軍事境界線付近の11個のGPの一部で地下施設を活用している情況を監視資産を通じて確認したという。軍当局は、このような迅速な地下施設の使用から、前政権の「北朝鮮GP不能化」主張とは異なり、該当地下区域が破壊されることはなかったものと推定している。

軍専門家らは、外部に露出した地上要塞が核心である韓国軍GPとは異なり、北朝鮮GPは外部監視警戒所と銃眼具(機関銃や小銃のような直射火器を撃つことができる小規模地下陣地)を連結した地下施設が核心だと見ている。韓国軍がGPをすべて破壊したのに対し、北朝鮮は地下施設をそのままにして「破壊した」と欺瞞戦術を駆使し、迅速に復元に乗り出したものとみられる。

これに先立って南北は2018年9月9・19軍事合意を締結した当時、「非武装地帯内GPが軍事的緊張感を高める」としてGPを全面撤収することにし、試験的に軍事境界線(MDL)から南北にそれぞれ1km以内にあるGP11か所を優先的に撤去・閉鎖措置した。さらに同年12月12日、南北は検証団をそれぞれ派遣し、撤去するかどうかを確認した。

朝鮮日報の取材を総合すると、当時の現場検証過程で韓国軍は実際に北朝鮮GP地下施設が破壊されたかどうかは十分に確認できなかったものとみられる。検証団に含まれたある領事級将校は「銃眼溝の埋没などはあえて北側に行かなくても韓国側GPでも観測可能なものだった」とし「さらに一部の銃眼溝は『地雷埋設地帯』が前にあるというので直接観察も難しかった」と話した。

彼は「現場検証に出る前に受けた事前教育で、北朝鮮の地下施設が破壊されたかどうかを必ず確認するよう指示を受けたが、現場では『爆破で埋もれている』『ここが地下施設への入口なのに土で塞がれた』という北朝鮮側の話を聞いて、別に検証できずに帰ってきた」と話した。彼は当時、現場検証を約1時間30分で終えたと話した。当時、軍が配布した現場検証チェックリスト自体も「銃眼具が不能になったのか」のような肉眼で判断できる要式行為(ここでは形式的な確認ほどの意)に近かったという。

北朝鮮GP検証では、韓国軍の観測装備を利用した地下施設探知過程もなかったという。軍高位関係者は「韓国軍が地下施設破壊可否を観測できる地表透過レーダー(GPR)など地下観測装備携帯を要請したが、北朝鮮が搬入を拒否したと理解している」とし「結局金属探知機・レーザー距離測定器・カメラなどを持っていった」と話した。

別の現場検証スタッフは本紙に「金属探知機から地下空間があるという信号が出て地下施設があるか確認を要請したが、北側から進入路が塞がれたとしてこれに応じなかった」と話した。当時、一部メディアは「内視鏡装備で確認した」と報道したが、軍関係者は本紙に「該当装備は使用したことがない。誤った報道だ」と述べた。ある軍関係者は「当時『地雷地帯』を理由に銃眼具をチェックできなかった事例が複数のGPから出たが、一部の韓国人検証人員は『立て札があまりにも新品のように見える』と話した」と話した。

それでも国防部と合同参謀本部は現場検証5日後のブリーフィングで「北朝鮮GPから兵力と装備が完全に撤収したことが確認された」とし「北朝鮮GPが監視哨所としての任務遂行が不可能だと評価し、不能化が達成されたと判断した」と明らかにした。虚偽発表という疑惑提起が出ている理由だ。牙山(アサン)政策研究院のヤン・ウク研究委員は本紙に「当時GP不良検証疑惑が事実か検証するために監査院監査や外部機関の客観的調査が必要と見られる」と話した。

しかし文在寅政府当時、国防部でこの事案を担当した高官は本紙に「北朝鮮側がそのように爆破させたのに、どうしてGPの下にある地下構造物が正常なのか」とし「当時の検証は徹底的に行われた」と話した。それと共に「現政権が9・19合意を破棄する名分を探すためにこのような主張をすること」と話した。

軍事境界線付近のGP試験撤退は、当時も公平性をめぐる議論を呼んだ。韓国側保有の約80GPと北朝鮮側保有の約160GPという絶対的な数の差を考慮せず、同じく10か所を破壊し、1か所は原型を保存することにしたのが一方的に北朝鮮側に有利なのではないかという指摘だった。

しかし、当時文在寅元大統領は青瓦台NSC状況室で状況点検会議を開き「相互間GP撤収、また相互検証は南北の65年分断史に新たな一線を画す事件」とし「南北いずれも軍事合意に対する徹底した履行意志を示した」と自評した。この嘘つきをこのまま野放しにしておいてよいものなのだろうか。(朝鮮日報ベース)

image by: Shutterstock.com

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韓国暮らし4分1世紀オーバー。そんな筆者のエッセイ+韓国語講座。折々のエッセイに加えて、韓国語の勉強もやってます。韓国語の勉強のほうは、面白い漢字語とか独特な韓国語などをモチーフにやさしく解説しております。発酵食品「キムチ」にあやかりキムチパワーと名づけました。熟成した文章をお届けしたいと考えております。

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【著者】 キムチパワー 【発行周期】 ほぼ 月刊

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