ここ数年、電話が突然かかってくることは減少しており、私生活だけでなくビジネスの現場でも同じ傾向が見られます。ほとんどのコミュニケーションがメールやメッセージアプリに移行しているため、電話営業やテレアポが時代遅れだと感じる方も多いでしょう。しかし、逆にこの状況がチャンスとなり、電話を使った営業は「ブルーオーシャン」に変わりつつあります。メルマガ『菊原智明の【稼げる人、売れる人に変わる知恵】』の著者であり、経営コンサルタントとして活躍し、関東学園大学でも教鞭を執る菊原さんは、現代のビジネスシーンにおいて、どのようにしてテレアポを効果的に使いこなすか、その方法を伝えています。
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実はブルーオーシャンな”電話・テレアポ”の活用法
ここ数年、“いきなり電話がかかってくる”ということが少なくなった。
以前は友人から、「今何してる?大丈夫?」と突然、電話がかかってくることもあった。
そこから長話をすることも。そんな時代が懐かしい。今はゼロではないが一人か二人しかいない。
今はほとんどの人が“文字のやり取り”でコミュニケーションをしている。
ということはこれから、ますます“ライティングのスキル”が必要になってくるということ。これは間違いない。
しかし、裏を返せば、文字情報に偏るということは“電話ががら空き”という状態になる。
ということは、やり方によっては“チャンスがある”ということになる。
ただ、電話は活用法が難しい。ただ単に電話をかけても迷惑なだけ。逆効果になってしまう。
少し前のこと。スマホに電話をもらったことがあった。着信で名前を見たが思い出せない。
電話に出てみると「いやぁ~ご無沙汰しています。○○の件ではお世話になりました」と言ってきた。
そう言われてもまだ思い出せない。しかし、相手は親しそうに話をしてくる。何とか話を合わせながら会話をした。
話をしながら最後の方で「あぁ、数年前に仕事をさせてもらった人かな」とうっすら思い出した。それも定かではなかったが。
忘れていた私も悪いのかもしれない。しかし、5年以上経っているのであればもう少しヒントが欲しい。話を合わせながらのストレスのたまる会話。これではお互いメリットはない。
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できる人はこういった”ひと手間”をしている
このケースは知人だからまだいい。これがもし“ほぼ知らない営業スタッフ”だったらどうだろう?
少し話をして「私には必要ないので」と言ってすぐに電話を切る。
先ほどの知人だが、「以前、○○の件で仕事を依頼した○○です。明日の10時に携帯へお電話させて頂きます」 と事前にメールを送ってもらっていたらどうだろう?
それで思い出す場合も多い。忘れていてもメールの履歴を検索すればヒントが見つかる。予習ができるのだ。
誰か分かった状態で話をする。そうすれば意味のある時間になる。
できる人は“こういったひと手間”をしている。だからこそ行動が結果につながるのだ。
営業活動でテレアポをする。ほとんど接点のないお客様に「今度見学会があるんです。いかがでしょうか?」と電話したらどうだろうか?
なかなかでてくれないと思うが。電話にでてくれたとしても「この人誰?」という状態だろう。これではどんなオファーも受け入れてはもらえない。
お客様に電話をするなら“○日にご案内のお電話をさせて頂きます”といった前フリをする。
メールアドレスがあればメールを送る。スマホの番号だけならSMSでメッセージを送る。
お客様に電話をするなら「こんな内容で電話をします」といった前フリをする。その方が間違いなくうまく行く。
またテレアポにおいて大切な考え方がある。それは“テレアポは一発でアポを取ると思わないようにする”ということ。
営業スタッフとしては「せっかく苦痛なテレアポをしているのだからアポを取らないと」と思うかもしれない。
その空気感がお客様に伝わる。第一声を聞いたとたん「うぁ、これは危険だ」と拒否されてしまう。
電話をかけるなら「お客様の話を聞こう」と思うようにする。
もしくは「情報提供をしよう」と思うようにする。その方がいい結果につながる。
また今は一括見積サイトからのお客様が増えている。そこにやみくもに「その後いかがでしょうか?」などと電話をしてはならない。
こんなことをしていると、お客様の印象は悪くなる。さらには一括サイトの担当から「この会社の営業はお客様からの評価が低いからやめておこう」となってしまう。
これでは“電話をすることでチャンスを潰す”といったことになってしまう。十分注意が必要だ。
この場合も、メールで「〇日着でこういった資料を送ります」といったメッセージを送る。
続けて「資料について確認したいことがあるので〇日の18時に連絡させて頂きます」と付け加えるといい。
このように前フリしておけば電話しやすい。お客様も出てくれる確率も上がる。
ここで話ができると、「こんな資料も必要になってくると思います」という流れに持っていける。
ここで「では〇〇の資料を送りますね。補足説明したいので明後日の18時に電話します」と次の電話のアポが取れる。
このようなやり取りをする営業スタッフは少ない。お客様から「この人なら話を聞いてくれそうだ」と思ってもらえるだろう。
このように数回やり取りをすれば“アポイント取得のチャンス”が生まれてくる。
今、電話をかける営業スタッフは少なくなった。実はブルーオーシャンになっている。上手くやればチャンスはある。今回紹介した方法を参考にお客様にアプローチして欲しい。
【今日の課題】
- 電話の前に前振りのメールを送る
- テレアポは一発でアポを取ろうとしない
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