読者さんからのさまざまな相談にのっている世界的なコンサルティング会社マッキンゼーで14年間もの勤務経験を持つ、ブレークスルーパートナーズ株式会社マネージングディレクターの赤羽雄二さん。今回、メルマガ『『ゼロ秒思考』赤羽雄二の「成長を加速する人生相談」』のなかで回答する質問は、ビジネスのことではなく、親子関係について。中学生の息子さんに困っているという親御さんなのですが、赤羽さんの回答は?
中2の長男ですが、のんびりしているので、よかれと思ってどうしても口出しをしてしまいます。前はすなおに言うことを聞いていたのですが、最近は口答えがひどいです。このままでは将来が心配です。
Question
中2の長男がかなりのんびりしています。高校受験を控えて、相変わらずサッカー部の練習に夢中で、英語や数学がクラスの下のほうです。宿題のしかたとか、よかれと思ってどうしても口出しをしてしまいます。自分はもっと頑張っていたので、余計にやきもきします。中学受験もしたのですが、そのときはすなおに言うことを聞いていて、いい結果にもつながりました。ところが今回は、口答えがひどく、言うことを聞こうともしません。このままでは将来が心配です。どうしたらいいでしょうか。
赤羽さんからの回答
ご相談どうもありがとうございます。お気持ちは大変よくわかりますが、何もしないのが一番です。
のんびり屋さんということですが、サッカー部の練習に夢中ということは、一つのことに打ち込んでいて、むしろ素晴らしいと思います。
相談者さんは子どものころ頑張っていたのかもしれませんが、お子さんとは何の関係もありません。もうとっくの昔から、お子さんは別人格の独立した一人の人間です。
中学受験のときはまだ小学生だったから大人しく言うことを聞いていただけではないでしょうか。不満はあったはずですが言い出せないし、表向きは合わせてくれていた可能性が大きいです。相談者さんは勘違いをしておられたと思います。それが成長されて、自分のやりたいようにできるようになってきた、ということで、むしろ素晴らしいです。
「口答えがひどい」とか、「言うことを聞こうともしない」とか、相談者さんは何様のつもりなのでしょうか。
子どもは親とは別人格で、子どもなりに頑張っています。子どものためを思うなら、ぜひ徹底的に話を聞いてあげてください。徹底的にとは全部、いっさい正そうとせず、馬鹿にもせず、感情的にもならず、受けとめるという意味です。
「親に対して生意気なことを言うな」「まだ何もわかっていないくせに」「子どものくせに」とか思っていないでしょうか。
ご自身が中学生のとき、父親に反発していなかったかどうか、よく思い出してください。もっとひどく反発していたかもしれません。
「何を変えていけばいいでしょうか」はお子さんのほうではなく、相談者さんが100%アクティブリスニングする、ということだけです。ちなみに、奥様にもですね。
この記事の著者・赤羽雄二さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com