先日、メルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』の著者であるホリエモンこと堀江貴文さんと、コメンテーターにして投資家・経営者の杉村太蔵さん、そしてYouTube「田端大学 投資学部」でおなじみ起業家・投資家の田端信太郎さんの3人による、まぐまぐ!とzatsudan共同開催の特別鼎談が実現しました。話はそれぞれの投資感に及び、資産形成のコツや投資の未来予測、リスクへの向き合い方などが語られるなど、議論は多岐にわたりました。表にはとても出せない特別な情報も満載で「必見」の内容となっております。今回は特別に、その内容の一部をテキストでお届けいたします。※対談の模様はzatsdanで動画視聴できます。
杉村太蔵、屋台村はじめました
堀江:……今日のこの組み合わせは何なんですかね?(笑)
田端:いや、僕はなんとなく“投資繋がり”だと思ったんですけど。
堀江:どうですか、太蔵さん? 明日もなんかロケだって聞いたんだけど。
杉村:明日は朝からです。
堀江:サンジャポのグルメロケらしいですよ。
田端:ちなみにどちらの店に?
堀江:赤坂にあるウチのお店ともう1軒別の店、俺が大学生の頃から行ってる店があって。すごく美味しいので、いいロケになると思いますよ。
杉村:あぁそうなんですか!
堀江:めちゃくちゃ美味しい牛タンのお店です。なんかグルメ企画の話になってるんですけど、太蔵さんは、投資とかやってるんですか? そういえば最近アレだよね、旭川とかで開発というか、屋台村みたいなことをやってるって聞いたけど。

堀江貴文氏
田端:それはチョロっとだけ聞きましたね。商店街の理事長になったとか?
杉村:そうですね、2024年の7月に。
堀江:屋台村を自分の金を入れてやってるらしいって。
杉村:そうそうそうそう。
田端:でも組合というと、非営利で何かをやってるんですか? 商店街一帯の土地を全部買ったとか、そういうわけでもないんですよね?
杉村:一帯の土地を買ったわけじゃないですけど、やっぱり地元が旭川なんで、何とかしたいなって考えていて。“地方活性化”ってよく言うけど、何をもって活性化なのかなって思っていて。これはある時に、堀江さんがおっしゃっていたことが、僕にすごい刺さったんですけど「今東京にいるやつも娯楽は何かって言ったら、みんなYouTubeであったりゲームであったり、SNSなんだよ」っていう話。
堀江:うんうん。
杉村:だから「東京に行ったって旭川に行ったって、場所は関係ないんだよ」っていう話をされてて、それで「確かに」って思って。そうすると、とにかく皆が自分で店を持てるようになったらいいだろうなと考えて、旭川でそういうことを始めたんです。
具体的には敷金・礼金などの初期費用はいらないお店。万が一失敗して「明日辞める」と言っても、こちらからは違約金を請求しないし、厨房機器とか什器とかは全部こちらで用意してあげる。さらに完全キャッシュレスで、売上の80%を返礼します。残り3.5%はPayPayとかに持っていかれちゃうので、16.5%をこっちの運用資金にさせてもらう。そうすると売上の8割まで取れるので、万が一失敗しても多額の借金は残らないですよね。
そのスキームだったら、旭川や下関でも、思い切って自分の店を出したいという人が出てくるんじゃないかなっていう仮説で、2年前からオープンしたんです。おかげさまで今では旭川で25店舗、下関の唐戸で44店の新規創業者が誕生して、お店をやっているんですよ。
堀江:え、下関もちゃんと行ってるんだ?
杉村:行ってますよ!先々週なんか、のど自慢大会の司会もやりましたからね。
堀江・田端:(笑)
杉村:そういう商店街に集まって、飲んで歌って踊ってっていう、そういう文化を取り戻すのが、僕の一つのミッションなんです。堀江さんがおっしゃるように、普段はみんな、やっぱりYouTubeやNETFLIXを見ているんですよ、別に東京でなくてもいいじゃないかと。

左から杉村太蔵氏、田端信太郎氏
田端:ショッピングモールみたいな感じですかね、ビジネスモデルとしては。ショッピングモールのフードコートみたいなやつを、ちょっとローカルな感じでやってますみたいな。
杉村:いや、いわゆる商店街で、そこのコインパーキングだったところを買ったんです
田端:じゃあそこでまずは杉村さんが土地を買われていると。
杉村:そうです。そこに1店舗が5~6坪ぐらいの小さなお店を25店舗集結させて、そこで新規創業者を誕生させることが、地方創生の第1歩だと考えたんです。
田端:それってちょっとした不動産デベロッパーみたいなもんですよね。
杉村:そう、新しい不動産投資だなと思って。
田端:これ、自らバリューアップしてるわけですよね。
杉村:そうそう。要は今までの不動産投資だと、定期的に安定的に賃料が入ってくればそれでいいってことで、上限が決まってるわけですよ。ただ僕のビジネスモデルは、その出店者の売上が上がれば上がるほど、我々の収益も上がってくる。だから常にこう……伴走型って言ったらそれまでなんですけど、100万売り上げてるならなんとか150万にする、150万なら200万にするっていう、お互いに成長する方向でやるモデルなんですよね。
その後である程度売上があがっていくと、この屋台村は賃料が歩合なので多く売り上げる店にとっては損になるんですよ。だから、そういう店にはどんどん出て行ってもらうというか、いい意味で卒業してもらう。周りの商店街に空き店舗がいっぱいあるから、そこにどんどん出ていってくれと。で、そこに出ていくときに、我々にちょっと出資させてくれと。いまは“はれてファンド”っていうのを作ってるんで。
堀江:その“はれてファンド”ってもう使ってるんですか?
杉村:ファンドは2年目になるんですけど、まだですね。候補は3人いるんですけど。だから2025年は、その“はれてファンド”を使って2号店を持ってもらいたい。そうすると、空き店舗がどんどん埋まっていくじゃないですか。それが今の僕の目標です。
堀江:屋台村はまだ入ろうと思えば入れるんですか?
杉村:いや、ただ売上70万を4か月連続で下回ってしまったら、こちらから契約解除できるって条件があって、やっぱり3分の1ぐらいの店は厳しい結果になるんです。
堀江:なるほど。
杉村:だから3か月ごとに屋台村に行っていただけると、たいがい店は変わっています。どんどんどんどん入れ替わります。ハッキリ言って厳しいといえば厳しいですよ。だけど、仮にダメでも多額の借金は残らないでしょ。だから、思い切って挑戦してみてくださいと言っているんです。
例えば、最初はスープ屋でやってダメだった人が、業態を変えて餃子屋でやったらすごい当たったんですよ。1回失敗しても、その失敗はすごく貴重な財産だから、2回、3回とチャレンジしてくださいというのがこの屋台村のコンセプトで、これをスケールアップさせたいっていうのが、今の僕の最大の目標なんです。
田端:それは杉村さんの手金でやられてるんですか、全部?
杉村:そう、最初はね。
田端:ほう。
杉村:だけど、それだとなかなかスケールアップしないので、僕の経営的な目標としては、やっぱりオーナーを探しているんですよ。星野リゾート版の商店街再開発みたいな感じで、誰かに持っていただいて。それで大体僕の目安では、1店舗1,000万なんで上物2億5,000万です、25店舗あったら。それの30年定借で4%払うので、オーナーになってもらう、誰かに。それで運営のほうで返していくっていうのが次の目標ですね。
堀江:オペレーターになりたいよね。
田端:昔からのパルコとかルミネとか、僕が入ったZOZOとかもそうですけど、ああいうところってそこそこにちょっとしたファッションブランドとして入って、そこから大きくなってみたいなものと、ただ商業不動産で、そこら辺で売上シェアの家賃、家賃固定プラス売上シェアになってたりするところというと、食べ物と服で分野はちょっと違うけど、何かどこか似てるのかなと。
杉村:そうですね、まさにおっしゃる通りです。そういったところも参考にしながら、地方創生の定義として、新規創業者を増やすこと、彼らに雇用を生んでもらうこと、そして彼らのビジネスが成功して税収が増えることと、この3つをなんとか引き上げられるようになったらいいなと思っています。なので出店しやすくするというのは、楽天とかのモデルを参考にしていて、そのリアル版ですよね。
田端:出店したいって人は、地元の若者が多いんですか?
杉村:地元の方がほとんどですね。
堀江:地元じゃないとやらないよね。
杉村:あとはこれって、東京でやってもそんなに人が集まらないんですよね。逆に地方だと、正直言って話題がそんなにないので、必ず地方局が取材に来てくれて。
堀江:まぁ、そうだよね。
杉村:だからそうすると「もう一回街を何とかしたい」って人たちも集まってくるし。そんなことを今、私はやってます。
堀江:じゃぁ今は、下関と旭川で?
杉村:はい、今後は狙うエリアとしては、いわゆる中核都市。人口25万から35万ぐらいの自治体が、一番このスキームが当てはまりますね。例えば、博多だとちょっと大きすぎる。1か月の売上が100万を超えてこないと、なかなか我々も運営できないような感じなんですけど。だから、大分とか最高です。大分なんかもぜひやりたいな。200坪あればできるんですよ。
堀江:俺はあんま関係ないけどね。
杉村:ああ、そうですか(笑)。あとは秋田とか山形とか。
田端:都会すぎてもダメ、田舎すぎてもダメっていう、ちょうどいい加減があるんですね。
杉村:そうそう。あとは高知県とかね。
堀江:高知はひろめ横丁とかあるけどね。
杉村:だから、ああいったところでこの新規創業を増やしていくっていう、そんな感じですね。
堀江:すごいなぁ、ちゃんとやってるんですね。
田端:投資家と経営者と地方創生の三位一体で。
堀江:とりあえず旭川は経営的には成り立っているの?
杉村:成り立ってます、経営的にはもう。あと課題は、やっぱり新規創業者が2年経って、売上が70~80万ぐらいなのを、ここから120~150万に引き延ばせられるかどうかっていうところが、我々の腕の見せどころかなと。
堀江:何をやるんですか。何かイベントとかやって増やすとか?
杉村:三菱自動車があるじゃないですか。三菱自動車は、実は冬用のクルマで結構強いんですよ。それがうちの屋台村に冬用のオフロード車を展示してくれたんですよ。初めて屋台村と自動車会社がコラボして、そこでクルマも売れるようになったんです。
堀江:へー。
田端:どうせ今、なかなかディーラーに人は来ないですからね。いろんなアウトレットのクルマとかも、駐車場の端っこに置いてたりして。
杉村:そうそう、まさにその発想です。こういうような、今まであんまり商店街と縁のなかった企業とも絡んだりといったこともやらせてもらっています。
堀江:どうですか、田端さんは?
田端:投資は、今ちょっとだいぶ上がっちゃったところもあるし、そんなにたくさん買っているわけではないんですけども、ドン・キホーテのパンパシフィックホールディングス株。
堀江:持ってるの?
田端:はい、ちょっとだけ。それでちょっとこの前、店を取材させてもらって、動画を撮って。で、思った以上に“情熱価格”っていうドンキのプライベートブランドがイケてる。
堀江:ドンキはすごいよね。
田端:すごいですよね、あれ。セブンとかは今、買収の件とかもあるんですけど、セブンプレミアムって、プライベートブランドの中では“安かろう悪かろう”で、イオンのトップバリューに近かったのが、「あれはイケてる」っていう感じになって「ナショナルブランドより、そっちの方がいいんじゃないか」みたいなムードを作ったんです。あれはうまくいってたし、素晴らしいと思うんですけど、何かここしばらくは「何かセブンがちょっとおかしくなってるな」っていう感じがしてて。
堀江:あ、そう?
田端:なんとなく僕の中での感覚なんですけど。そういうのと比べると、商人魂って言うんですかね。ドンキのああいうのを見て、これは株価がますます。でも、すでに大分上がってるには上がってるんですけどね。
堀江: majicaポイントとかすごいよね。
田端:なんで、そういうのとかは結構投資もやらしてもらっているんですけど、北風と太陽で言うと北風みたいに、あんまりこうメルカリみたいにメンツを潰すようなやり方をすると、ちょっと会社の対象が狭まるんで。来年ちょっと太陽でいこうかなと。
堀江:じゃあメルカリの株は売っちゃうの?
田端:いやぁ、どうしようか迷ってるのが正直なところですけど。今裁判中なので議事録を出してくれないんで、取締役会の議事録を請求してるんです。で、1審は勝ったんですよ。開示せよって判決が出たんですけど、即時抗告されて。今は2審なんですけど、多分それも勝てると思うんですけど。でも何か売っちゃったら原告の理由がなくなったとかって言われるじゃないですか。それが癪だなと思って、売ってないんですけど。
堀江:メルカリはどうなんですか? イケてないですか?
田端:だって僕が騒ぎ出してから、結局アメリカもリストラして、ジョン・ラーゲリンもクビになっちゃったし。アントラーズはもともと、別に赤字の額はそんな大したことないんですが。で、僕は「本業はピカピカだから、そこらへん始末したらピカピカな会社になって株が上がる」と思ってたのに、今なんか例の“すり替え”だなんだで、本業自体が結構やばいんで。
堀江:すり替え。
田端:何かもうユーザー同士でもめちゃ揉めてんですよ。何か返品されたら、中身が偽物に変わってたとか。あんまりご存じないですか?
堀江:俺、メルカリ使わないからさぁ。
田端:僕も正直言うとメルカリで物を売ったり買ったことないんですよ。で、民度が下がりまくって魑魅魍魎の騙し合いみたいになってて。基本それに対してメルカリは「当事者同士で解決してください」っていうスタンスだったんですけど、さすがにそういうのが多すぎて大爆発・大炎上してるんですよ。
杉村:プチ詐欺みたいなのが横行していると。それをメルカリが運営会社として関与しないと。
田端:ただ、これが今本当に日本の民度が落ちてるなと思うのは、最初はすり替えられたって言ってる人が、本当の被害者の人がいたと思うんですよ。ところが、それこそ闇バイトとかで雇った2~3人とかで「すり替えられた」ということを言い立てる被害者と加害者、もう全部グルにすることもできるじゃないですか。
堀江:なるほど。メルカリ側を全員で騙すと。
田端:そうそう。そしたら騙し放題になっちゃうんで「さすがに言われたものを全部保証するのも無理っす」っていうことが最初からちらついてたんですけど、今なんか「検品センターみたいなものを作ります」とか、あとメルカリは「偽ブランド対策をなんとかしろ」って話があって、それで“安心取引”っていうロゴをつけるようになったんですよ。
メルカリにハイブランドの名前以上のものを送ると、検品して「それは本物です」ってことになったんですけども、それも逆に言うと“安心取引”のロゴが付いてないやつは「偽物でもしょうがないぞ」って言ってるみたいなところもあるとか。それも含めてもうちょっとめちゃくちゃ問題が山積みで、真剣に考えても「どうやったらいいんだろう」っていうのは、僕も正直分かんないです。やっぱプラットフォームって難しいなと思って。一回でも民度が下がると。
堀江:しかもCtoCのプラットフォームだからね、より難しい。
田端:それで恐らくね、中古車にもに参入したんですけど、あれも苦し紛れって言ったら分からんですけど、GMVがどんどん下がりそうなんで、単価の高いところに進出しようというので、中古車に入ってきたんですけど。でも中古車とか不動産って、そんな素人がCtoCで取引やっていいのかって感じで。もちろんちゃんとプロの業者は付いてんですけども、僕もバディカっていう中古車の通販会社の取締役とかやってるんで分かるんですけど、まぁ魑魅魍魎の世界なんで。ネット系の人が空中戦で「こんなバカばっかりの業界だから俺らがやったら儲かるんだろう」みたいな感じで来ても、まあ無理ですよね。
堀江:昔、ライブドアでもやってたからね。
田端:そういえば、やってたじゃないですか。「開店、開店~」ってクルクル回って。
堀江:あの時は結局、入口と出口を押さえて……業者間オークションが一番儲かってるから、そこを取りに行こうぜっていう戦略だったんで、別にネットで売ろうとかどうでも良かったんでね。
田端:だからメルカリ、なかなか苦しいっすよ。株担保融資も山田さん、ガッツリ600億してるんで。
堀江:今もあるの?
田端:多分ありますよ。無くなって、担保外れたら開示報告しないといけないと思うんで。
堀江:でも運用してるんでしょう?
田端:そうじゃなかったら600億なんてね。例のナントカヒルズとかは3桁億入ってたとしても、600億も使えないと思うんですよ。で、ジェットに乗ったとしてもさすがに600億使えないじゃないですか。でも僕からしたら、自分のところの株は無配なのに、600億とかを株担保融資で借りて、何かSP500とかアメリカ国債でも買ってんだったら、株主としてはちょっと腹立たしい思いはあったし(笑)。まぁ自由っちゃ自由ですけど……。
株主総会でも質問が出たんですよ。そしたら「私の個人的な私財のことなのでコメント差し控えます」と言ってましたね。まあ「そらせやろ」というのと「もうちょっと何かないのかよ」っていう気持ちもあって。
杉村:へー。そんなことできるんですね。
堀江:株担保融資はぜんぜん受けられますよ。金利は高いですけどね。
田端:あと、もちろん満額は貸してくれないですけどね。半額とかがせいぜい。でもこれは株価が下がると、大変なことになるんですよ。
堀江:追証が来るから……。
※本記事は、実際の鼎談から一部抜粋して編集したものです。全編は、1月中に堀江貴文さんのメルマガをご登録いただくと初月無料でお読みいただけます。ぜひご登録ください。
堀江貴文さんメルマガ『堀江貴文のブログでは言えない話』
巷ではホリエモンとか堀江なんて呼ばれています。経済情報から芸能界の裏話までブログに書きたいことは山ほどあるんだけど、タダで公開するのはもったいない、とっておきの情報を書いていこうと思っています。私に質問のある人はメルマガに記載されているメールアドレスに返信ください。個別のビジネス相談などは有料にて承りますが、それ以外の一般的な質問に関しては、メルマガ内公開で質問に答えることになります。全ての質問に必ずしも答えられるわけではありませんのでご了承ください。毎週月曜日発行。
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