クリエイターの発信を支える「まぐまぐ」の提供でお送りするラジオ番組『Why So Good?』。MCの越川慎司氏(株式会社クロスリバー 代表取締役/元日本マイクロソフト業務執行役員)が、毎回ゲストを迎え「何をやっているか」ではなく「なぜそれに至ったのか」を掘り下げる30分番組だ。今回スタジオに迎えたのは、一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会代表理事の塚本敦未氏。幼少期から演劇やミュージカルで身体表現を学び、大学では映画演技・身体表現を専攻。卒業後はモデル・ウォーキング講師として活動し、2017年にはMiss Earth Japan準グランプリを受賞した経歴を持つ。渡米し全米コミュニケーション学会(National Communication Association/NCA)と学術的な交流を重ねながら独自にまとめ上げたのが、非言語コミュニケーションのメソッド「ノンバラーニング®」だ。番組冒頭、越川氏は開口一番「聞きたいことが盛りだくさん」と切り出した。「外見じゃないノンバ」に注目する異色のキャリアと、そこから見えてきた日本の教育への提言まで、テンポよく交わされた対話をお届けする。
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外見じゃない「ノンバ」に注目する、異色のキャリア
上條:それでは、本日一組目のゲストをお呼びしましょう。一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会代表理事の塚本敦未さんです。塚本さん、よろしくお願いいたします。
塚本:よろしくお願いいたします。
上條氏は続けて「幼少期からミュージカルや演劇を通して体や感情を使った表現を学び、2017年Miss Earth Japan準グランプリに。現役モデルとして活動する傍らウォーキング表現指導を行い、これまで5000名以上を指導してきた」(塚本氏本人談)というプロフィールを紹介。「人は言葉以外から何を伝え、何を受け取っているのか」と向き合ってきた経験から非言語コミュニケーションの可能性に着目し、一般社団法人ノンバーバルコミュニケーション協会を設立した経緯を伝えた。
越川:もう聞きたいこと盛りだくさんなんですけど、最初に今日はWhy So Good?っていう番組ですので、ぜひリスナーさんにお伝えしたいGoodな点を塚本さん教えていただけますか。
塚本:今回私のGoodでご紹介させていただきたいのが、人が人らしくある力を育てる非言語コミュニケーション教育というもので、「ノンバラーニング®」といったメソッドのご紹介ができたらなと思っています。
越川:ノンバって最近よく聞きますよね。書店でもノンバの本って結構増えていて、これ僕結構コロナの影響もあるかなと思っていて、対面できなかった時にどうやってコミュニケーションするか、言語テキストではなかなか難しいみたいな背景があると思うんですけど、今回も興味津々で前のめりになるのが、独自の非言語コミュニケーション、ノンバラーニングというのを開発されたっていうことなので、この辺ぜひちょっと教えていただけますか。
全米コミュニケーション学会と歩んだ「ノンバラーニング®」誕生秘話
塚本:非言語コミュニケーションとかノンバっていう言葉、最近まさにちょっと流行ってきてるかなと思うんですけれども、私自身がもともとずっと幼少期から身体表現だったりとか、仕事もモデルのお仕事だったりとか、MCのお仕事も何回かやらせていただいたことがあって、そういう表現技法をずっと学んできたことから、そういったものをちょっと学術的に伝えていくことによって、人と人とのコミュニケーションがもっと良くなるんじゃないかなとか、自分がもっとハッピーになれるんじゃないかなっていうところをずっと考えていて。そんな時にアメリカの方にちょっと赴きまして、アメリカにあるNational Communication Associationっていう学会があるんですけれども、そこからちょっと学術内容をご提供いただきながら、一緒に作らせていただいたメソッドっていうのが、このノンバラーニングっていうものになってます。
越川:面白い。いや、だってもう今リスナーの皆さんも聞いてわかるとおり、僕の10倍ぐらいスムーズに話していただいて。
上條:聞き入っちゃいました。
現役モデルとしての表現力と、アカデミックな理論的裏付け——このふたつを掛け合わせたところに、ノンバラーニングの独自性がある。
演劇で気づいた「自分らしさ」のつまずき
越川:その一方で、外見とか見た目じゃないノンバに注目するっていうのがめちゃくちゃ興味あるんですけど、なんかきっかけがあったんですか?
塚本:なんか元々私自身そういう身体表現とかずっとやってたんですけれども、演劇とかやってると何かの人物に陶酔していくことによって、なんか自分が例えば悲しいっていう自己表現をした時に、悲しいと思われる悲しい表現っていうのを習慣づいてやる癖がついてしまっていて。結果、大学までそういう日芸の芸術学部っていうところに行ったんです。
越川:日芸にいらしたんですね。
塚本:そうなんです、そうなんです。そこでまさにそういう身体表現学んでたんですけれども、その中で本当の自分の表現方法って何なのかっていうのがちょっとつまずいてしまって。この自分らしさっていうもので、根本なんなんだろうなって。例えば自分の感情の根本だったりとか、表出の仕方って何だろうって考えた時に、シンプルにそれをいろいろと調べていく中で、あ、このノンバーバルっていう部分を自分の中で整理整頓することによって、自分らしい引き出しを出しつつ、相手に伝わる表現方法っていうのを見つけていく可能性があるなっていうことに気づいて、そのノンバラーニングっていう学術に興味関心を持ったっていうところですね。
「自分らしさの根本って何だろう——その問いへの答えを探すうちに、ノンバーバルという領域にたどり着いた」
空気を読む力を失いつつある日本人へ
アメリカ在住経験もある越川氏は、日本文化特有の「空気を読む」感覚に話題を広げる。
越川:特に僕も実はアメリカで住んでたことがあるんですけど、日本文化の特色というか、僕いい点だと思ってるんですけど、空気を読むっていう文化があるじゃないですか。あれってちょっと海外にはなかなかない感じ。これね、空気を読むってね、海外の人に説明ができないんですよ。日本語で言うとリード・ザ・エアでしょ、空気を読む。英語で言うとビトゥイーン・ザ・ラインって言うんですよね。要は行間を読むみたいな。この空気を読まなきゃいけない日本文化の中で、やっぱり伝え方っていうのはやっぱり工夫が必要なんですかね。
塚本:いや、もうまさにそうで。本来は日本人って元々得意なんですよね。例えばその空気を読むっていうのも、言ってしまえばその沈黙に耐えられる日本人の良さでもある。
越川:なるほどね。確かに沈黙に耐えられるのは確かにそうかも。
塚本:やっぱり日本人って沈黙に耐える長さが長いってほんと世界中にも言われているぐらいなんですけれども、最近はどうしてもその、短くなってきてはいるんですね。それって先ほどおっしゃっていただいたコロナがあったりとか、AIが発展していくことで、その自分の言葉を誰かが作ってくれたりとかすることによって、その空気がどんどんなくなってくる、行間がなくなってくるっていうところで、日本人がそこに対して改めて学ぶべきところなのかなっていう。
越川氏はここで、自身が企業の会議データを分析してきた経験を重ねる。
越川:確かに実はいろんな企業を支援していて、社内会議とか分析するんですけど、例えばオンライン会議でビデオオンにする人って21%しかいなくて、沈黙が怖いっていうんですよ、みんな。1秒の沈黙は「間」といって快適だと。かぶらないで喋るから3秒を超えると恐怖だって。
塚本:確かに。なんかオンラインだと顕著になりますよね。その間みたいな。
可視化のワークで人はどう変わるのか
越川:そういった日本の特異性、特別な感じがちょっと薄れてきてることと、コミュニケーションの仕方がいろいろ変わってきてる中で、いろんなご指導をされてると思うんですけど、指導して「この人変わったな」みたいに思う瞬間あります?
塚本:まさにその、結構その、まずこの非言語コミュニケーションを使うにあたって、自分を知るっていう可視化のワークを結構重点的にやってるんですね。例えば、今私が話してると思うんですけど、話してる時のジェスチャーだったり、姿勢だったり、話す速度だったりとか、そういったものって案外気づかないじゃないですか。
越川:確かに自分で見ないですもんね。
塚本:そうなんです。そういうのをワークを通して自分の可視化を続けていくことによって、ふとした時に出る自分のジェスチャーっていったものが伝えていく、その表現技法を教えた時にパッとできるようになった瞬間、例えば姿勢が変わったとか、すごいわかりやすいところでいうと目線が変わったとかっていうところですね。そういうところを見た時に、なんかやっぱり堂々ととか、自信があるとかっていうのに変わった瞬間があるので、そこはすごく気づくきっかけとしてはわかりやすいかなと思います。身体表現がわかりやすいです。
「伝える」を「伝わる」に変える、選択肢を増やすメソッド
越川:確かに日本人はあんまり体を使ってコミュニケーションをとるっていう練習とか習慣がなかったから、そもそもやってないし気づかないっていうのもあると思いますよね。ただ一方で、コミュニケーションって伝えることが目的じゃなくて、伝わることが目的。相手が主役の時に、伝え方としてノンバを使うっていうのは素晴らしいことだと思うんですけど、このうまく伝えるってことと相手に伝わるってことが両立しないこともあるんじゃないかなと思うんですけど、それはどう思われます?
塚本:そこに関しては、やっぱりその選択肢を増やしてあげる作業をするっていうのが一つ大事かなと思っていて。やっぱりその、自分を知りますって言って、例えば相手がいて、相手がどういう反応するかっていうのを気づく、その後に、じゃあ自分の非言語を調整しなければいけないっていう、そこの選択っていうところがあるんですけど、ここの幅を広げていくことっていうのが、まず一つ、その「伝わる」に変わるためのメソッドとしては必要なのかなと思っています。
「相手の反応に気づき、自分の非言語表現を調整する——その“選択肢の幅”を広げることが、伝わるへの近道になる」

塚本さんのマイルール——感情・感覚に敏感でいること
身振り手振りの大きさが番組内でも話題になった塚本氏。越川氏はその表現力に触れつつ、彼女自身のコミュニケーションの流儀を尋ねた。
越川:もうこれあとでリスナーの皆さん、YouTube見てもらいたいと思うんですけど、塚本さんのボディランゲージ、やっぱりすごく勢いあって。
塚本:伝わってきますね。
越川:だって今手ぶつかりそうになるぐらい。
塚本:激しめで。
越川:でもね、僕ノンバが大好きなのは、相手に興味関心を示すことってめちゃくちゃ重要だと思ってて。だからこそ身振り手振りが大きくなる。やっぱり身振り手振りがないとね、ちょっと私に興味関心ないのかなって思われちゃうから、表現、自己表現ってすごく重要だなと思うんですけど。塚本さんご自身がコミュニケーションを取る時、もしくは仕事をする時に、何かマイルールってあります?
塚本:そうですね。なんかこう、コミュニケーションを取る時もそうなんですけど、感情とか感覚っていうものには敏感でいようかなっていうのは常に思っていて。すごい簡単な話だと、例えばご飯を食べた時に美味しいって思う、思わないとか、すごい簡単なんですけどね。なんかそういうところに自分の感性とかを持って行くだけでも、自分の引き出しって広がると思っていて、そういうのは心がけてはいますね。
この答えに越川氏は大きく反応した。
越川:もうそれはね、ほんと大賛成で。なんかね、人間が残されてるものって感性だと思うんですよ。論理的なものってAIがやっちゃうから。どう感じ取るかってすごく重要で。世界の一流にいろいろインタビューしてて、食事をする時にね、やっぱりスマホを見ながらご飯食べるみたいな人誰もいないじゃないですか。美味しいと感じながら、その一日をしっかりと味わうってすごく重要だと思うし、感じる中で世界の一流は、結構美術館に定期的に行く方が多くて、それも感性を磨くっていう。
日常の些細な感覚に意識を向けること——それが表現の引き出しを増やす第一歩だと、二人の意見は一致した。
越川氏が見る「人を惹きつける人」の共通点
番組終盤、塚本氏から越川氏への逆質問というひと幕も。
塚本:質問がありまして、たくさんの方見てらっしゃるじゃないですか、こういう風にお話しながら。やっぱりこう、パッと人を引きつける方とかっていうのがいると思うんですけれども、越川さん的にはそういった方って何を持ってると思いますか?
越川:えっとね、一番は好奇心です。どうでもいいと思ってる人じゃなくて、何かワクワクしたい、何かいいことをしたいっていう人たちは、やっぱりオーラが違うと思うんですよ。で、それがノンバーバルで何に表れるかというと、実は頷きの深さです。仕事ができる人とか教養の深い人たちって、頷きが他の人よりも深いんですよ。
塚本:結構違いますね。
上條:違います。
越川:相手に興味関心持ってる人、僕みたいにペラペラ喋る人よりも、聞き上手な方の方が、実はその相手を巻き込んで成功を残す方が多いので、僕は結構人を見る時に頷きの深さを見てたりします。今やっぱり重要なのは情報共有じゃなくて感情共有だと思ってるので。会議で内職してる人が多いと聞いていない時代なんですよ。誰が喋るかってことがすごく重要になってきてるから。腹を割って話す関係性を持つ時には感情共有が必要で、感情共有は絶対ノンバーバルなんですよ。これからね、感情共有時代になってくると、非言語コミュニケーションっていうのは必須項目、AIよりも必須になるんじゃないかなと。
義務教育への提言——非言語コミュニケーションを学校教育へ
越川:今後の何か事業ビジョンとか、こういうことをしたいっていうのがあれば、ぜひ教えていただければと思うんですけど。
塚本:ありがとうございます。やはりこの非言語コミュニケーションって、まだまだ日本ではなかなか浸透していない学問ではあるので、そういったものをできれば私は学校教育とかに入れていって、中学校までの義務教育の中で身体表現とか、自分の表現の仕方、それが大きいかは小さいかはご自身の性格だったりすると思うんですけど、そういうのを気づくきっかけを与えていきたいなっていうのはありますね。
越川:義務教育重要、特に小学校課程とかに入れたいですね。最近はプレゼンテーションっていう授業は結構入ってきてんですけど、なぜか国語の中にあったりするんですよ。単独で相手に伝わるようになるためのコミュニケーション術として、プレゼンテーションの仕方とか、ノンバーバルで相手に伝わる技術っていうのは、これやっぱり小さいうちに学んどいた方がいいですよね。
塚本:アメリカだとね、もうそれが当たり前になっているので、小学校の教科としてコミュニケーションの授業があるので。
越川:そうなんですよ。義務教育課程 ではないですけど、各州でね、ほとんどコミュニケーションっていう授業があって、それ小学生が受けてるので、スティーブ・ジョブズみたいなプレゼンやるんですよ、小学校が。
上條:アメリカ人ってコミュニケーション能力高いみたいな、そこからも来てるかもしれないですね。
越川:あの、実は生徒さん、小学生に教えるよりも真っ先に教えなきゃいけないのは小学校の先生なんですよ。僕、実は小学校の先生向けにプレゼンの仕方とかやることがあるんですけど、やっぱりみんな恥ずかしがっちゃって。先生がやらないと生徒がやらない。だから教師課程になる上でプレゼンテーションとかコミュニケーションを学ぶっていうことが、なんか重要なんじゃないかなと思いますね。あと教育実習とかに絶対コミュニケーションを入れるとか。
資格・検定制度という未来像
越川:あとは資格試験とかも良くないですか?日本人って資格取得好きなんですよ。このノンバっていう項目を取ると資格が取れる、それを履歴書に入れると就職が有利みたいな形になってくるとみんなやるから。
塚本:細々と個人講座をやってて、ただ本当に認定証ぐらいなので、検定はね、ちょっといいですよね。
越川:ノンバ検定何点とかだったら、あ、これもっと目指そうとかってなるのはすごく面白いですよね。
上條:強みのアピールになりますよね。
塚本:確かにそうですよね。
越川:もう夢が広がる感じでね。いやもう聞きたいこと山ほどあるんですが、あっという間に時間が。
塚本:あっという間ですね。
上條:本当だ。いや、まだまだお話伺いたいところなんですが、ノンバーバルコミュニケーション協会の最新情報はホームページとInstagramをご覧ください。
越川:塚本さんありがとうございました。
番組概要
- 番組名:Why So Good?
- 放送局:interfm
- 放送日時:毎週木曜25:00~25:30
- 出演:越川慎司氏(株式会社クロスリバー 代表取締役)
上條美沙子氏 - ゲスト出演:塚本敦未 氏(一般社団法人 ノンバーバルコミュニケーション協会 代表理事)
- - 公式サイト:https://nca-japan.or.jp/
- プロデューサー:エダコDX
- ラジオ本編はこちらから https://www.interfm.co.jp/whysogood
- interfm(東京:89.7MHz 横浜:76.5 MHz) https://www.interfm.co.jp/
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※本記事は、トーク番組「Why So Good?」の放送内容をもとに再構成したものです









