全国の75件に関与か カンボジア拠点の特殊詐欺―中心人物、1年半前に入国・警視庁

2023.04.12
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by 時事通信


警視庁=東京都千代田区

警視庁=東京都千代田区

 カンボジアを拠点とした特殊詐欺事件で、詐欺容疑で逮捕された職業不詳岡本大樹容疑者(38)らのグループによる被害は昨年4月以降、全国で計約75件に上るとみられることが12日、警視庁暴力団対策課への取材で分かった。
 同課は、グループがカンボジア国内で拠点を移しながら特殊詐欺を繰り返していたとみて、暴力団の関与も視野に調べる。
 同課によると、「有料サイトの未払い金がある」と日本の高齢者にうそのメッセージを送り付け、電子マネーや現金を詐取する被害は昨年4月~今年1月、関東甲信越や九州地方で計約75件発生。手口が似ていることなどからいずれもグループが関与したとみられる。
 中心人物とみられる岡本容疑者は2021年11月にカンボジアに入国した。別の特殊詐欺事件に関与したとして、警視庁が同月、詐欺容疑で逮捕状を取得し、行方を追っていた。
 その後、他のメンバーが同国に入国し、昨年12月23日以降は、南部シアヌークビル州のホテルに滞在。1月25日まで10部屋を予約し、うち2部屋を「仕事部屋」とし、残りの8部屋で寝泊まりをしていた。
 このホテルに滞在する前も同国内に拠点を置き、特殊詐欺を繰り返していた可能性があるという。
 メンバーら19人は1月24日、カンボジア当局に身柄を拘束された。今月11日、日本に移送され、東京都内の女性=当時(62)=から電子マネー計約25万円分をだまし取った疑いで逮捕された。(2023/04/12-13:32)

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