出たっきり邦人【欧州編】

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メルマガ名
出たっきり邦人【欧州編】
発行周期
週刊(金・火)
最終発行日
2018年06月15日
 
発行部数
3,474部
メルマガID
0000023690
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
行政・政治・地域情報 > 地域の情報 > その他

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■□■ 出たっきり邦人・欧州編・2018・6・15 1567   ■□■

        〓イギリス・ケント発〓

    『万華鏡』 第147回

      <ピーク・ディストリクト紀行>

この春、結婚34周年を迎えました。交通手段も通信技術も現代に比
べてはるかに便利ではなかった34年前、私はまさに背水の陣の覚悟
でこの国にやって来ました。お嫁に行くというのはそういうことです
ものね。自分の一生を夫に捧げる。フェミニストに怒られるかもし
れませんが、古風な私は自分の考えや信念を変えたいとも思ったこと
がありません。夫はたまたま外国人であったというだけで、自分の
中の古い日本の価値観を身に宿したまま、イギリスに移住して来たの
でした。

三人の子供が生まれて育っては巣立って行った今、主人と二人だけの
時間が何よりも増して大切だと感じています。今年も結婚記念日を祝
うことができた幸運に、ただただ感謝しています。

今年は愛犬を連れて、4泊5日でイングランド中部にある国立公園
ピーク・ディストリクトに出かけて結婚記念日を祝うことにしました。
オーカモアという小さな村にあるコッテージに滞在して。ケントから
4時間のドライブですが、高速が混んでいて、6時間もかかってオーカ
モアに到着しました。高速道路のサービスエリアで休憩を取り、ス
○バの抹茶ラテとケーキを楽しみました。昨今私はこの抹茶ラテが大
のお気に入りで、機会があれば飲むようにしています。何でもない小
さな楽しみですが、私にとてつもない喜びを与えてくれるのです。

オーカモアは本当に人寂れた村ですが、それでもWiFiが整っている
し、コッテージは歴史のある古い建物でありながらもモダンな設備
が完備し、非常に過ごしやすかったのです。このコッテージは昔の線
路沿いに建てられており、それは踏切の遮断ゲートを手で移動させて
いた鉄道従業員の家屋だったのです。現在はグレード2重要建築物に
認定されています。

また、コッテージの近くにトンネルがあります。そこから列車が走り
出て来て、コッテージから数百メートルのところにあったオーカモア
駅に滑り込んでいたのでした。その途中に歩行者用の踏切があり、
列車がやって来る連絡を受け取った従業員は、遮断ゲートを手で動
かせて歩行者の安全を図っていたのでした。そして列車が去った後は
再び遮断ゲートを動かせ、人々は自由に線路を横切ることができた
のでした。考えてみれば、それは安全の面で非常に大事な仕事でした。

何もかもが電動または自動になっている現代からタイムスリップし、
当時の状況を想像させてくれました。今は線路も駅も列車もなくなっ
てしまいましたが、この地域は産業革命時代、石灰石採鉱産業など
で非常に賑わっていたのです。産業革命発祥の地、イギリスのバック
ボーンとなっていた光景が目に浮かびました。戦後、そして欧州共同
体に加盟後のイギリスはかなり変わったことは歴史を見れば分かりま
すね。かつての栄光、今何処、そういう町はたくさんありますが、
それでもそんな町の人々は生活を続け、子孫たちにその誇りを伝承し
ているのです。

私たちは犬と共に、この村を散策しました。聞こえるのは鳥のさえず
り、見かけるのはキジやウサギ。とにかくのどか。樹木は青々として
非常に茂っている。テンポの速い都会生活からしばし離れ、心と体
を休めるのには最高です。

二日目はコッテージから車で50分のところにあるバックストン・カ
ントリーパークへ行きました。私たちの犬を連れての国内旅行の目的
は犬と自然の中を歩くことです。様々なカントリーパークに行ったこ
とがありますが、ここも他所同様、広い森林公園で、人々、犬、そし
て自転車が行き交います。岩がゴツゴツとした地域で、イングランド
にもこういう所があるのだ、と慣れた田園風景とは違った景色を楽
しみました。

カントリーパークに隣接しているのは鍾乳洞見学施設。主人と犬を休
憩所に残し、私一人で鍾乳洞見学に出かけました。私は昔から鍾乳
洞に魅せられており、たまたま訪れた場所とはいえ、見学のチャンス
を逃したくありませんでした。ピーク・ディストリクト地域には鍾乳
洞がたくさんあることも初めて知りました。

11人の訪問客を率いて、ガイドさんが鍾乳洞の中で色々説明してくれ
ました。決して大きな鍾乳洞ではないですが、私は暗闇の中でも大自
然は鼓動を続け、永い年月をかけて美しいものを創出している事実に
いつも感動するのです。鍾乳洞内には小川も流れ、その音量は季節や
雨量によって異なるとのことです。

7億年前、ブリテン島は赤道にあったらしく、熱帯海洋生物の化石も
見つかっています。何億年かけてブリテン島は今の位置に移動したの
でした。本当に地球の歴史を思うと、私たちの存在なんて非常に小
さい。しかし、その地球の美しさを愛でられるのは私たち人間だけ
でもある事実を思い起こすのです。従って、いつもどこへ行っても、
この美しい地球にいさせてもらえていることに感謝するだけなのです。

三日目は私たちの結婚記念日。この特別な日は車で1時間半のところ
にあるダーウェント貯水池で過ごすことに決めました。軽い散歩のつ
もりが、10マイル(16キロ)のフルサーキットを歩いてしまいまし
た。5時間半にわたるハイキングでしたが、高地にも登り、非常に美
しい景色を満喫してとても満足です。

この貯水池にはダムが二つあります。これらは19世紀末に建造された
もので、今でも大切に保存されています。ダム塔のデザインがとにか
く美しい。ビクトリア時代の人々のアートセンスが伺われるのです。
天候も快晴、34周年を記念するのに申し分のない風景をたんのう
し、憩いの時を過ごすことができました。

四日目はコッテージから30分のところにあるザ・ローチズという丘
に出向きました。丘の麓にアイスクリーム・ヴァンが止まっており、
子供連れの家族で賑わっていました。そこが丘の上に行く入り口か
と悟り、近くに車を止めました。アイスクリームは帰りに買うことに
して、私たちと犬は丘の頂上を目指して登って行きました。

犬と主人は颯爽と登って行きましたが、私はゆっくり歩きながら後
ろを振り返り、高地になるほど視界が広がる快感を味わっていまし
た。高所から見るアイスクリーム・ヴァンの小さいこと!そのうちア
イスクリーム・ヴァンが去って行くのが見えました。もう店じまい?
ここを訪れるお客さんは少ないから、きっと他へ移ったのでしょう。
アイスが食べられなくて残念でした。

頂上はやはり風が強いですが、そこからピーク・ディストリクト全般
を眺めることができます。360度のビデオも撮り、世界最高峰に立っ
ているような気分にさせてくれました。

五日目はケントに帰る日。私たちはいつも宿泊先のコッテージを掃
除して帰ることにしています。自分たちの残して行く汚れに羞恥心が
ない人はたくさんいますが、借り物はできるだけ元の姿で返すこと
が私たちの考えなのです。あるコッテージで、私は不注意から小皿を
割ってしまいました。お詫び状と共に寸志を置いて帰りましたが、
それは日本的常識に基づいた行動かもしれません。しかし、西洋に
住もうと、私の古い日本的価値観だけは捨てることはありません。

数々の美しい思い出を与えてくれたコッテージ、そしてピーク・ディ
ストリクト。イギリスもまだまだ訪れるところがたくさんあります。
縁があってこの国にやって来た。その縁をとことん大切にしていこう
ではないか、そう堅く決めています。

色んなことが起き続けている悲観的な世の中ですが、あえて真善美を
探し求める毎日です。結局自分の身体も含め、全てが借り物。あの世
へ持っていけるのは思い出と体験だけ。借り物は大切に使わせてもら
い、た〜くさん成し遂げてから、気持ちよく返却したいものです。

年を取ると見方も変わりますね。子育て後の人生が非常に楽しいと
感じています。色んな自由をやっと謳歌しているのですもの。英語の
格言に「一つの戸が締まれば新たな戸が開く」というのがあります。
人生における一つの章を終えて新しい章に入っても、結婚した当時の
初心を忘れずに、新しい戸をどんどん開いて行きたいと思うこの頃で
す。

鍾乳洞ホームページとダーウェント貯水池のウィキペディア・サイト
です。百聞は一見にしかず。
どのようなところなのか、参考になれば幸いです。

http://poolescavern.co.uk

https://en.wikipedia.org/wiki/Derwent_Reservoir_(Derbyshire)

                                
プリマ
           
『万華鏡』へのご意見・ご感想はkentprima@hotmail.comまでお寄せ下さい。

◇◆次回6月19日(火)ドイツ・デュッセルドルフから配信予定です◇◆
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