『施設長の資格』~障害者施設の舵取り指南

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障害者総合支援法で日本の社会福祉の枠組みは大きく変わりつつあります。総合支援法を最大限活用して新しい障害福祉サービス提供していくために、障害福祉施設を舵取りする施設長・管理者のとるべき道を全国の福祉施設スタッフ10万人にお届けします。

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メルマガ名
『施設長の資格』~障害者施設の舵取り指南
発行周期
毎月1・15日
最終発行日
2017年01月01日
 
発行部数
806部
メルマガID
0000205870
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
ビジネス・キャリア > 経営 > マネジメント

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メールマガジン最新号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ■■『施設長の資格』■■ ~障害者施設の舵取り指南~
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━Vol.194 2017/01/01

いつもお読みいただきありがとうございます。

2017年です。

昨年はなんと、年間3号しか発行できませんでした。

本年は福祉業界の皆さまのお役に立てるよう定期的に配信して参りま
すので引き続きご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

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★★☆ 本日の内容 ☆★★
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本日の内容は

 2016年の読書レポート


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★★ 2016年の読書レポート ★★
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2016年は雑誌や月刊誌を除けば約290冊の本を買いました。
紙の書籍の他にiPadのkindleアプリで電子書籍を読むので、購入し
た本の32%は電子書籍でした。ちなみに2015年は42%、20
14年は26%、2013年は12%でした。

では2016年に読んだ本の中で特に印象に残った本を11冊選んで
紹介します。また出版が2016年のものを選びました。出版年月を
付記します。参考までに記した価格は紙の書籍か電子書籍かいずれか
の金額です。なお、このあとの紹介順は、内藤の読書順です。

1 キャロル・ドゥエック『マインドセット』草思社
  16年1月 1836円

モノゴトのとらえ方は性格ではなくて、心のあり方(これをマインド
セットと言います。)による。だから自分の行動の結果である成果を
もたらす「能力」は変わらないものと考える「硬直マインドセット」
と、努力次第で成長させることができると考える「しなやかマインド
セット」とでは大きな差が生まれる。この差は生来のものではなく、
周囲の大人によって形成されるのです。持って生まれた能力を褒めら
れることと、努力を褒められることとの違いについても大きな気づき
が得られます。能力を褒められた子どもはできない問題に直面すると
挑戦することから逃げ、それだけでなく自分を賢く見せようとして愚
かな振る舞いに出ることがあると著者は説明します。
すばらしいことをした子どもには、その子どもの特性ではなく、努力
して成し遂げたことを褒めるべきと言います。大人の褒め言葉から子
どもが受け取るメッセージは表面的な言葉に留まらず子どものマイン
ドセットに大きな影響を及ぼすのです。ということはマインドセット
は変わる、変えることができるということなのです。

2 ルース・ドフリース『食糧と人類』日本経済新聞出版社
  16年1月 2592円

副題は「飢餓を克服した大増産の文明史」です。種子改良や肥料・農
薬開発や灌漑設備の改良など食糧の大増産によって収穫量を増やして
も、食料を効果的に分配する方法が未解決であると述べたノーマン・
ボーローグの言葉が紹介され、飢餓の原因は農産ではなく社会問題で
あることに気づかされますが、それよりも全編にわたる世界の食糧増
産に様々に取り組んだ人々の物語、しかし光の強さとともに避けられ
ずに伴う大きく深い影の存在にも大きな感銘を受けました。
原題はThe Big Ratchet つまり一方向にしか進まない歯車:ラチェッ
ト。人類の知恵による歴史の歩みは一方向に続くということです。

この自然は後戻りしないという現象をまた同じようにとらえた本にフ
レッド・ピアス『外来種は本当に悪者か?』草思社 6年7月 
1944円があります。「人間の存在も含めて自然であり、原始のま
まの生態系は存在しない」外来種の侵入は不都合なこともあるが自然
はそうやって再野生化(この本の原題はThe New Wild)を進行させる
とピアスは言います。自然とは一体何なのか、という問いにはこの本
の巻末に解説を寄せている岸由二慶大名誉教授の文章が参考になりま
す。内藤は人の自然観と社会観は別物ではないと考えるので自らの自
然観に大きな揺さぶりをかけるこれらの書籍から一体何を学ぶのか、
そして自ら経営する組織に何を活かしていくのか、と問われていると
感じます。

3 山下淳一郎『ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方』
  総合法令出版 16年2月 1512円

ドラッカーに関する本は毎年一冊紹介していますが、今回はこの本で
す。仕事の評価を、その仕事をした人間の評価に代えてはならない、
あくまで仕事に対して評価をしなければならない。部下を成長させる
のに一番必要なことは、上司である自分が成長することなので、成長
のプロセスが(自分に)可視化できていなければなりません。ゴール
とそれへ至る道をはっきりさせることがまず必要です。内藤が勤務す
る法人の年末恒例の職員研修のテーマは「目標設定ワーク」なのです
が、自らの目標の設定の仕方は本来十人十色なので、自らの目標設定
スタイルを確立している職員にとってはおそらく退屈なワークとなり、
一方で確立していない職員にとってもまた何をどうして良いのかわか
らない(目標設定の意義がつかめていない)という意味で退屈になる
でしょう。
さすがに大人の組織なので、内藤が講師を務める以上、表面だった反
旗は翻りませんが、内藤自らの成長のプロセスをどのように参考にし
てもらえるかが決め手であるとは覚悟しているものの、実はこれがな
かなかうまくはいかないのです。そこで一年間ドラッカーに関する書
籍を読みながら試行錯誤を続けているのです。
ドラッカーのキーワードでおそらく一番重要なものは「真摯さ 
integrity」でしょう。日本語には真摯さと訳されますが、意味合い
としては勤勉、勤労だと考えています。日本国憲法でも国民の三大義
務の中に勤労の権利と義務がうたわれています。単に働くのではなく、
一生懸命、心を込めて本気で働くことが勤労です。日本国憲法の最高
の素晴らしさの一つは、これを労働の権利と義務などと表記しなかっ
たところにあると、内藤は考えています。
さて、この真摯さについて、この本ではマネジメントの真摯さの欠如
として、人の弱みより弱みに目がいく、何が正しいかよりも誰が正し
いかに関心をもつ、人格よりも頭の良さを重視する、有能に部下に脅
威を感じる、自らの仕事に高い基準を設定しない、を紹介しています。
身が引き締まります。ドラッカー『現代の経営』に自然と手が伸びま
す。

4 高島 大『すぐそばも幸せにできないで。』ワニブックス
  16年4月 1500円

昨年度末から保育園の経営に携わることとなり、改めて保育園の役割
・使命について集中して考えていたときに出会った本です。著者は親
子の関係、夫婦の関係などすぐそばにいる人を幸せにするをテーマに
facebookでも絶大な人気のある方です。身近な人とのかけがえのな
い時間をしっかりと見直すきっかけが溢れています。

家族のあり方については『老に学ぶ』(このタイトルの老の字は老の
下に日が付く文字です)エイチエス出版 16年5月 2160円 
に所収される執行草舟(しぎょうそうしゅう)の「毒を食らえ」が考
えさせられる文章です。この文は「みやざき中央新聞」に紹介されて
いたことから出会いがありました。著者の執行は幸福とは不幸を受け
入れた結果訪れるものであり幸福それ自体は単独で存在するものでは
ないと言います。愛もまた自己の生命を何ものかのために犠牲にする
ことであり、捧げる対象との関係がすなわち愛である。「家族ほど、
自分のエゴを覆い隠すのに便利な存在はありません。自分のエゴイズ
ムを愛という名のものに変えているだけ」(前掲書p52)という言葉
にははっとさせられます。
地域・国を越え、世代を超える、という発想を持たないうちには自ら
の行動の愛性を語れないのではないかとも思わされます。

5 船越耕太『ぞうきん1枚で人生が輝くそうじ力』大和書房
  16年3月 1512円

内藤が勤務する法人での全職員を対象として行う一つの研修会(昨年
度のテーマは「書斎を作ろう」、今年度のテーマは「冒険に旅立とう」
でした。)の企画中に出会った本です。
掃除は場所という対象物ではなく、自分の心を磨くことである、とは
さまざまな掃除や片付けの本で繰り返し述べられていることです。逆
に言えば日本人は、場所を浄めることが自らの心を磨くことになるこ
とに気づいた民族であるとも言えるでしょう。
だから掃除とは、見えるところを磨くに留まるものではなく、見えな
いところをこそ磨くという価値を明確に示したこの本は日本人のため
にこそある本です。便器の奥を素手でこすって汚れを落とす掃除をは
っきりと示してくれるのは他に例を見ません。目に見えないところの
汚れが自らの心のわだかまりを示しているならば、その汚れからの教
えに感謝しながら掃除できます。実際トイレの中で寝転んで見ると、
本当にいろいろなものが見えてくるものです。

6 橘 玲『言ってはいけない』新潮新書kindle版
  16年4月 758円

著者の橘玲(たちばな あきら)は作家で社会評論家です。たまたま
内藤とは生年が同じなのでその評論や著者の生きた時代背景が重なる
ので密かなファンでした(もちろん同じ年というだけではなく、リベ
ラルな思想もまたその筋金が通っているところも大好きな理由です)
が、本年一番のショックを感じた内容の本でした。
「努力は遺伝に勝てない、知能は遺伝する」「見た目で人生は決まる、
美貌格差」「子育てや教育は子ども成長に関係がない」という章立て
から、読者の中には不快と感じる人も多いだろうに、と心配になりま
すが、誰もが不快に感じないところでの表現の自由等ではなく、人が
いやがる言論を弾圧することからの自由をこそ表現の自由と著者は考
えているのだから、本人の希望どおり、不快に感じながら読みました
(笑)。
エビデンスが示されるので反論のしようもないのですが、それでもそ
れは本当なのかと、出所をあたらずにはいられなくなるほどです。特
にジュディス・ハリスの集団社会化論の、「子どもにとって「世界」
とは友だち関係のこと」「子どもが親に似ているのは遺伝によるもの
で、子育てによっては子どもに影響を及ぼすことはできない」「親よ
りも「友だちの世界」のルールを優先することが子どもの本性だとす
れば「子どもはなぜ親のいうことを聴かないのか」という疑問は何の
意味もない」「家庭環境よりも子どもの人生に大きな影響を与えるの
は学校」「黒人の子ども集団には厳然としたルールがある。一つは白
人の子どもとつきあってはならないこと、もう一つは、白人の子ども
がするようなことはやってはならないことだ。黒人の子ども集団が禁
じるのは白人の子ども集団が高い価値を置くことすべてで、その象徴
が「勉強してよい成績をとること」だ」というこの本で紹介される言
説からは、であるならば、いわゆる社会性を子どもに身につけさせる
ために大人は一体どのようなことをすれば良いのだろうか、親の役割
の本質は一体何なのかという課題を突きつけられました。

7 門田隆将『リーダーの本義』日経BP社kindle版
  16年6月 1400円

著者は週刊新潮のデスクを経たノンフィクション作家。その執筆テー
マは「毅然として生きた日本人を書く」「人間の本義」というもので
す。本義とは、根本に存在する重要な意義と説明されています。
自ら、また自らの所属する組織が本義に忠実か、と著者に問われたと
すると、ドラッカーの『経営者に贈る5つの質問』ダイヤモンド社 
にある「われわれのミッションは何か」に答えることと同じことにな
るでしょう。
本では福島第一原発の吉田昌郎所長、根本博陸軍中将ほか、数名が採
り上げられているのですが、この本で採り上げられる人物については
詳細に語られる本が別に存在しますから、ダイジェスト版と言えます。
当然、本となる本も自然に読みたくなります。
『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の500日』PHP研究
所、『この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡』角川
文庫、『なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日』新潮社……
著者が活字にしなかったなら、この人物の生涯は忘却に埋もれて後世
に伝えられなかっただろうと思うとこの著者の執筆の意義は計り知れ
ないものです。
縁あって著者の講演を数回伺う機会があったのですが、直接言葉を伺
うと、本の中に書かれている台詞が(門田さんの声なのですが)眼前
でいま展開しているような迫力を持って迫ってきます。
本を読むだけでなく著者の声に出会う努力もまた重要なことだと感じ
ます。 

8 大胡田誠『今日からできる障害者雇用』弘文社
  16年2月 2160円

著者の大胡田誠は全盲の弁護士。今年発行されたこの本は、障害者雇
用の制度、特に雇用促進法や障害者差別解消法等に基づく合理的配慮
の提供義務に関するあたりがまとめられています。障害者雇用支援、
就労支援に関わるスタッフにとっては最適な入門書です。

9 ミケーレ・ザネッティ『精神病院のない社会をめざして
  バザーリア伝』岩波書店 16年9月 2916円

この本は、原題がBasaglia una biografia とあるとおりフランコ・
バザーリアの物語を彼とともにイタリアにおける収容型精神病院全廃
に向けた政策推進を担当した政治家のザネッティが書いた伝記です
(ジャーナリストのパルメジャーニも一部執筆しています)。
精神病とは何か、精神科医療とは精神病者をどのようにとらえている
か、という古くて新しい課題は気をつけていれば多くの言説に触れる
ことができますが、特に16年7月26日に発生した相模原障害者殺
傷事件以降、マスコミを通じて様々な意見に触れることとなりました。
バザーリアは、精神病者を隔離・収容する精神医学のあり方、精神保
健福祉のあり方に留まらず、隔離を黙認する市民社会の無関心が、患
者から自由を剥奪することに加担している実態を糾弾し、実動したの
です。人間は課題に直面することで成長する、人間が直面することに
なる課題は成長に不可欠であり、神様から与えられたものとして感謝
しよう、課題こそ成長に不可欠なもの、と普段言っている人間(その
一端に内藤もいる)が、精神障害者、精神病者の取り組みについてだ
けは、自分の目の届かないところに押しやろうとする、自分にとって
都合の悪い状態の時は、収容・隔離やむなしと判定しようとするので
す。
『現代思想16年10月号 緊急特集 相模原障害者殺傷事件』
青土社 1404円は様々な思考のヒントがあります。特に優生思想
はあらゆる意味での線引きの暴力であり、根本的なところで優性に抗
するとは、どんな線引きをも拒絶し続けることだと述べる杉田俊介の
論(前掲書P124)からすれば、バザーリアもこのような線引きを見
逃さなかったわけです。
もちろんきれいごとを言っているだけで済むことではないし、相模原
の事件に関しては被害を受けた障害者の命は取り返しの付かないこと
になっているわけですから、なんらかの課題を自らに課す必要があり
ます。加害者は虐待をするために施設職員におそらくなったのではな
く、施設で働くうちに「保護者の疲れ切った表情、施設で働いている
職員の生気の欠けた瞳」と感じるように変化していった(そのように
変えていった)のでしょう。加害者が自らの施設職員であったならば、
と考えて、組織をどのようにするかが管理者の使命として問われてい
るのですから、自らの仕事に高い基準を設定しなければならないでし
ょう。
平成29年1月10日~11日に「平成28年度障害者虐待防止リー
ダー職員研修会」が全社協灘雄ホールで開催されます。10日のシン
ポジウムで発言する機会をいただいていますが、その場では、内藤の
勤務する施設での実践を紹介し、皆様のご意見を伺いたいと思います。

10 ギャビン・ニューサム『未来政府 プラットフォーム民主主義』
   東洋経済新報社kindle版 16年10月 2400円

内藤が勤務する法人の小澤孝延施設長が平成27年夏に千葉県八街市
の市議会議員に当選しました。生まれ故郷である八街市に市民コミュ
ニティを作り上げるのが彼の公約です。
この本は、地域コミュニティを大きく変えたアメリカのカリフォルニ
ア州副知事の実践事例集です。インターネットのクラウドが地域コミ
ュニティ、政治のあり方を大きく変えるというものです。社会の大き
な変化に政治システムがついて行けないと言われる中、選挙権も18
歳まで引き下げられたことをきっかけに市民を多く動員して共同で地
域の課題を解決していくしくみを作り上げる、という発想は参考にな
ります。キーワードは「双方向」なのです。「ポケモンGO」も単な
るゲームとして完結することなく、モンスターを集めるという行為と
地域コミュニティづくりをどうつなげるかを思考することが大切なの
です。このような発想を議員はすべきだ、という批判をしてはいけま
せん。このような態度は「双方向」の発想とは異なるからです。
そして、この双方向は地域コミュニティづくり、地方政治のあり方に
留まらず、このしくみから施設・事業所における障害者支援のあり方
を作り替えるヒントにもなります。支援は一方的なものですから、双
方向とするならばどうするか。丁寧なアセスメントなんて該当しませ
ん、アセスメントは一方的なものと気づかなければなりません。障害
があっても情報にアクセスできるデバイス、アプリケーションの開発
を障害者とともに進めていくことがスタートで、障害者とともに地域
社会に貢献するにはという発想が大切であることに気づけます。

11 鈴木大裕『崩壊するアメリカの公教育』岩波書店
   16年8月 1944円

公教育をビジネスに変えた米国の迷走、という帯のコピーが示すとお
り、新自由主義的な競争の導入がアメリカの公教育に与えた影響に関
するレポートです。新自由主義の特徴は、小さな政府、能力主義、自
己責任、市場原理です。この思想に基づく成果至上主義が必要な側面
もあることは確かです。この側面は報酬(現金や所得)と結びつくの
です。しかしながら、この本からの学びによって改めて確認すべきは、
福祉サービスの成果は外部からの客観的な測定・評価になじまないと
いうことです。行政サービス評価や障害福祉計画の数値目標達成は、
条件であり目的ではないのです。受け取るものが多いほど幸せという
価値観は、成果至上主義、効率的なほど賢いという価値に立脚するで
しょうが、与えるものが多いほど幸せ、手間をかけるほどよいという
価値観があることを忘れてはなりません。仕事とは、感謝と報恩の行
動であり、誰かとともに誰かを幸せにする、そのスタイルが職業選択
の自由の本旨でもあります。費用対効果の分析で無駄かどうかを判定
する功利主義(例えば学力基準に到達しない学校への制裁を義務づけ
た結果、点数の低い生徒の自主退学や排除を促進するという歪んだ動
機を学校に与えている(前掲書P87))が有効ではない世界があること、
社会福祉はまさにその社会であることの基本を押さえなくてはならな
いのです。就労支援の成果を加算に反映させることで事業者を評価す
る、という「よい視点」と思われることの裏に大きな陥穽があること
に気づきましょう。工賃支払いや就職の成果を上げた事業者には「報
酬」で報いる、という子供じみた手に踊らされる管理者では、職員に
成果を上げさせることは無理です。成果に報いるに金銭をもってしよ
うとか、報酬単価が低いから人材が集まらないとか、と発想する管理
者でも社会福祉事業は深まりません。
一体いつまで、報酬が低い、人的配置が薄くなる、業務が過酷になる、
虐待が発生する構造的課題である、という発想にしがみつくのでしょ
うか。


最後に、読書論に関する本を紹介します。

印南敦史『遅読家のための読書術』ダイヤモンド社 
16年2月 1512円

土井英司『一流の人は、本のどこに線を引いているのか』
サンマーク出版 16年10月 1274円

小説ならばストーリーを愉しむエンターテイメントなので、「速く読
むこと」など考えなくてもよいのでしょうが、自らの学びのため、仲
間のための学びとしての読書となると、一定の速度が必要になります。
読書の目的は本を読むことではなく、本からの情報を得ることを通じ
て自らの行動(それをもたらす思想)を変えることにあります。

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★★ 編集後記とお知らせ ★★
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

今回もここまでお読みいただきありがとうございました。
読者の皆様に感謝申し上げます。

このメルマガは、年末12月30日と31日の2日間をかけて作成し
ました。その間家事はほとんどせずに、妻に任せっぱなしでした。
毎年夕食と、年越しそばを上げ膳据え膳で食する幸せな(申し訳ない)
年末です。
元日は、書棚整理から始まります。


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ださい。結構一方的に配信していますので、メールをいただけると力
が出てきます。お読みいただけているなと安心できます。

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このメルマガは「施設長の資格」というタイトルですが、「施設長・
管理者」だけに向けて書いているわけではありません。むしろ若手・
中堅の施設スタッフの方に向けてメッセージを発しています。

あなたがたとえ施設長でなくても、もし自分が施設長ならばどういう
行動を取るかということを常に考えていることが重要です。

そして「施設長になる」という明確なビジョン・志をもっているスタ
ッフの方だけが将来「施設長・管理者」になれるのです。

ですからこのメルマガでは、障害者支援の一線で日々真摯に奮闘して
いるまじめなスタッフの方々で将来施設長・管理者になりたいと本気
で考えている方にその資格(生きる姿勢)を身につける情報をお届け
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