レフティやすおの楽しい読書

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元「本屋の兄ちゃん」といっしょに読書嫌い・古典苦手を克服し、「読書は楽しい!」を実感する「プチ教養人」に変身しよう!(若い頃、本好き読書好きで、司馬遼太郎先生のエッセイ「駅前の書店」(『司馬遼太郎が考えたこと 15』新潮文庫)に登場する東大阪市の栗林書房、その今はなき八戸ノ里支店で5年8カ月働く。)月の半ばは初心者のための読書法を、月末は古今東西の古典の名著・名作を隔月交互に一点ずつ紹介します。読書とは他人(ひと)様の人生や思惟を追体験すること。「楽しい読書」で素敵なひと時、豊かな人生を!

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メルマガ名
レフティやすおの楽しい読書
発行周期
月二回
最終発行日
2017年11月30日
 
発行部数
63部
メルマガID
0000257388
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 古典

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
------------------------------------------------------------
2017(平成29)年11月30日号(No.212)-171130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 毎年、この時期恒例の
 「クリスマス・ストーリーをあなたに」の7回目です。

 昨年は、原点に戻って、という感じで
 ディケンズの『クリスマス・ブックス』から「鐘の音」を
 紹介しました。

 今回は変化球で(お手軽に?)、
 クリスマスをテーマにしたショートショートを
 お送りしましょう。



★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡
 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡


-クリスマス・ストーリーをあなたに (7)-

  ~ クリスマス・プレゼントは??? ~

   「クリスマス・プレゼント」梶尾真治


 ☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡☆彡
★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡★彡


 ●「クリスマス・ストーリーをあなたに」

最初の一年のおしまいのほうで、
ディケンズの『クリスマス・キャロル』を取り上げて以降、
2011年から毎年11月の末に、
「クリスマス・ストーリーをあなたに」と題して
お気に入りのクリスマス・ストーリーを紹介してきました。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ 

2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
『クリスマス・キャロル』善意の季節
http://archives.mag2.com/0000257388/20081206074500000.html


1◆2011(平成23)年11月30日号(No.70)-111130-善意の季節
『あるクリスマス』カポーティ
http://archives.mag2.com/0000257388/20111130120000000.html
・『誕生日の子供たち』トルーマン・カポーティ/著 村上春樹/訳
文春文庫 2009.6.10
―クリスマス短編「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」収録
 「―思い出」はクリスマスの懐かしい、でもちょっと切ない思い
 出を振り返る愛情あふれる物語で、少年に与えられたクリスマス
 の贈り物、「ある―」は逆に、少年が与えたクリスマスの贈り物
 の思い出話といえる抒情的名編
http://www.amazon.co.jp/dp/4167705710/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

2◆2012(平成24)年11月30日号(No.94)-121130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 アガサ・クリスティー『ベツレヘムの星』から
http://archives.mag2.com/0000257388/20121130120000000.html
・『ベツレヘムの星』アガサ・クリスティー/著 中村能三/訳
ハヤカワ文庫―クリスティー文庫(2003/11/11)
―おススメ短篇「水上バス」を含む、クリスマスにまつわる小説と
 詩を集めた、クリスティーが読者に贈るクリスマス・ブック
http://www.amazon.co.jp/dp/4151300945/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

3◆2013(平成25)年11月30日号(No.117)-131130-  
クリスマス・ストーリーをあなたに~
 『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム
http://archivess.mag2.com/0000257388/20131130180000000.html
・『サンタクロースの冒険』ライマン・フランク・ボーム/著
田村隆一/訳 扶桑社エンターテイメント(1994.10.30) [文庫本]
―『オズの魔法使い』の作者ライマン・フランク・ボームの描く
 サンタ・クロースの生涯を描く、サンタさん誕生物語
http://www.amazon.co.jp/dp/4594015689/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

4◆2014(平成26)年11月30日号(No.140)-141130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『ひいらぎ飾ろう@クリスマス』コニー・ウィリス」
http://archivess.mag2.com/0000257388/20141130120000000.html
「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」収録短編集:
・『マーブル・アーチの風』コニー・ウィリス/著 大森望/編訳
早川書房・プラチナ・ファンタジイ(2008.9.25)
―もう一つのクリスマス・ストーリー「ニュースレター」も収録
http://www.amazon.co.jp/dp/415208958X/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

5◆2015(平成27)年11月30日号(No.164)-151130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
『まれびとこぞりて』コニー・ウィリス」
http://archivess.mag2.com/0000257388/20151130120000000.html
「まれびとこぞりて」収録短編集:
・『混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)』
コニー・ウィリス 大森望訳 ハヤカワ文庫SF1938 2014.1.25
http://www.amazon.co.jp/dp/4150119384/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

6◆2016(平成28)年11月30日号(No.188)-161130-
「クリスマス・ストーリーをあなたに~
ディケンズ『クリスマス・ブックス』から『鐘の音』」
http://archives.mag2.com/0000257388/20161130120302000.html
・『クリスマス・ブックス』ちくま文庫 1991/12
―落語調訳「クリスマス・キャロル」小池滋訳、
 「鐘の音」松村昌家訳
http://www.amazon.co.jp/dp/4480025936/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22

・『クリスマス・ブックス』田辺洋子/訳 渓水社 2012
―前期(1843-48)のクリスマス中編5編を収録。「クリスマス・キャ
 ロル」「鐘の音」「炉端のこおろぎ」「人生の戦い」「憑かれた男」
http://www.amazon.co.jp/dp/4863271883/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


~過去の私のおススメの〈クリスマス・ストーリー〉~

【短篇】
トルーマン・カポーティ
 「あるクリスマス」「クリスマスの思い出」
アガサ・クリスティー「水上バス」
コニー・ウィリス
 「ひいらぎ飾ろう@クリスマス」「まれびとこぞりて」

【中編】
チャールズ・ディケンズ『クリスマス・キャロル』
チャールズ・ディケンズ『鐘の音』

【長編】
ライマン・フランク・ボーム『サンタクロースの冒険』


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



 「クリスマス・プレゼント」梶尾真治

  (『有機戦死バイオム』ハヤカワ文庫JA 1989.10 より)

http://www.amazon.co.jp/dp/4150303053/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


 ●「クリスマス・プレゼント」ストーリー紹介

  《社会が悪い。世の中が悪い。それを正すのが……裁くのが、
   この爆弾だ。氷上の論理である。》

    (同書)


人生の落後者である、自称革命家の氷上は、
世を拗ねて、世間を騒がす大事件を起こそうと考える。

季節柄、爆弾をクリスマス・ラッピングして、
これを繁華街に放置する。

馬鹿な奴が開けた途端、ドカン! という企みだ。

街にはクリスマス・ソングが流れる中、
爆弾の包みを手にした氷上が角をまがったとたん、
誰かとぶつかる。

吹っ飛んだ包みをあわてて拾うと、「気をつけろ」と叫んだが、
相手はもうどこかに立ち去ってしまっていた。

デパートの前、公衆電話の横に包みを置くが誰も気づかない。

そうこうしてると、一組の母子があらわれ、母親が電話をかける。
すると、小学生らしい子供が包みを開き始める。

さすがに子供は、と氷上は思う。
子供は予定に入っていなかった。

あわてた氷上は、私の忘れものですと裸になった箱を取りもどす。

ところが、箱が違っている!


 ●箱が入れ替わっている……

中身を確認すると、
コアラのぬいぐるみとメッセージ・カードが入っている。

「リナちゃんへ。
 いつまでもいい子でいてください
 サンタのおじさんより」


先ほど誰かとぶつかって落とした際に
包みが入れ替わってしまったらしい。


  《「ああっ」氷上は思わず呻き声をあげた。何も知らない女
   の子が爆弾の犠牲になろうとしている。自分が罰したいの
   は汚れた社会、薄情な世の中のはずだ。サンタのプレゼン
   トを楽しみにしている何の罪もない女の子ではない。》


氷上は、この悲劇を止めようとします。

しかし、わかっているのは、「リナ」という名前だけ……。



 ●リナちゃんを発見、感謝される氷上

あれこれ試みた挙げ句、氷上は近く交番に飛び込みます。

若い警官は何も疑うことなく、氷上の話を聞き、
早々に探しましょう、という話になり、
あちこち電話をしてくれた。

さいわい一時間後には、無事、発見。

さっそくリナちゃんちに急行。

警官は、家の前で持参した包みからサンタの衣装を出し、
昨日、ボランティアに行った時のものだといい、
せっかくだから、サンタ姿で喜ばせてあげましょう、
と提案します。

サンタ姿の氷上からのプレゼントに、リナちゃんは大喜び。

母親も涙を流さんばかりに感謝感謝。

  《「主人を交通事故で亡くしてから、リナが欲しがるものも
   買ってやれない状態で、本当にありがとうございます」》


ところが、どこにも例の箱がない。
間違えた箱はないかと尋ねても、母親は知らないという。

人違いだったのか?

そこへ、ドアをノックする音。
母親がドアを開けると、そこに例の箱が置かれていた。

「これだ!」と叫ぶ氷上に、
警官が中身を確認してくれという。

「あなたのものかどうか確認しないと持ち帰れませんよ」
という。


 ●いよいよラスト!

さて、困った氷上。

まさかここで開けるわけにもいかないけれど……。

しかし、方法はない。

外へ出て箱を開ける。


――さて、何が起きたのでしょうか?


 ●クリスマス・ストーリーの約束事

クリスマス・ストーリーには、定型はありません(多分)。

でも、いくつかの約束事のようなものが認められます。


   《... “典型的なクリスマス・ストーリー”というのがど
    ういうものか、べつに厳密な定義があるわけではないの
    ですが、私見では、<クリスマス精神そのものを語る>
    のがクリスマス・ストーリーではないかと思っています。
    [...] ではそのクリスマス精神とはどういうものか。
    [...] それが描かれている世に名高い名作を、ふたつほ
    ど挙げるだけでじゅうぶんでしょう。チャールズ・ディ
    ケンズの『クリスマス・キャロル』と、O・ヘンリーの
    短編、「賢者の贈り物」です。いずれも、いわば“人情
    話”で、ほのぼのとした温もりと、人情の美しさとが、
    せつなく、しみじみと心を打ちます。... 》

      深町眞理子『追跡のクリスマスイヴ』「解説」より 

  (メアリ・H・クラーク/著 深町眞理子/訳 新潮文庫 1996)
   * <クリスマス…>内、原文では傍点(ヽ)表記

http://www.amazon.co.jp/dp/4102166106/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


たとえば、『クリスマス・キャロル』では
冷酷無慈悲な守銭奴のスクルージのもとを
共同経営者の亡霊が訪れ、
その後、過去・現在・未来の3人の精霊によって
過去・現在・未来の自分の姿を見せつけられます。


このような超自然現象、あるいは奇跡が、
それとなくであれ、あからさまであれ現れる、というのが一つ。

そして、スクルージがラストで改心してよい人間になる。

この「改心する」というような、
<愛と感謝の気持ち>を描くというのが、もう一つの約束事です。



 ●<クリスマス精神>

弊誌
2008(平成20)年12月クリスマス号(No.11)-081206-
「『クリスマス・キャロル』善意の季節」

に、こう書いています。



--
クリスマスという催しに脈々と流れているのは、
過去の恵みに対する感謝の祈りであり、
人を思う気持ちであり、未来に期待する心です。

クリスマス・カラーといえば、赤と緑。
赤は、生命の象徴としての太陽を表し、
緑は、常緑樹、永遠に不滅の命を表すといいます。

一年で一番日の短い冬至のころ、来るべき春に豊穣を願う祭り。
それがクリスマスの始まりだそうです。

クリスマスとは、
今の暗さに負けず、明るい未来を期待して、
喜びを人に分かち与える、善意の季節なのです。
--


クリスマスこそ、
「人間の善意を描くのにふさわしい季節」なのです。

そういう人の心の優しさを表現する季節ということでしょう。

すなわち、<愛と善意の季節>なのであり、
そういう<クリスマス精神>を描くのが、
「クリスマス・ストーリー」なのです。



 ●○○○からのプレゼント

では、本編のラストはどうなったのでしょう。

(やっぱり、ネタばらしになるのでやめておきましょう。)


ヒントは、
リナちゃんへのプレゼントのメッセージ・カードにあった
「サンタのおじさんより」の言葉です。


要するに――

 リナちゃんへのプレゼントは、
 本当の○○○からのプレゼントであり、

 ということは、氷上のぶつかった相手は、○○○であり、

 ということは、氷上の開けた箱には、爆弾ではなく、
 ○○○からのメッセージ付きのプレゼントが入っていた

――というわけです。


そこで、

氷上は、夜空のかなたに鈴の音を聞きながら、
メッセージにあったように改心し、プレゼントを手にし、
……。

一編のクリスマス・ストーリーの完成となります。


クリスマスは、

妬(ねた)みや嫉(そね)みと自暴自棄の季節ではなく、

<愛と善意の季節>なのです。


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※「別冊 編集後記」~『レフティやすおの作文工房』~
2017.11.30 クリスマス・ストーリーをあなたに~(7)
「クリスマス・プレゼント」梶尾真治
 ―第212号「古典から始める
レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
http://ameblo.jp/lefty-yasuo/entry-12332325526.html
*ココログ『レフティやすおのお茶でっせ』にも転載しています。
http://lefty-yasuo.tea-nifty.com/ochadesse/
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レフティやすおの楽しい読書/発行人:レフティやすお
発行『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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