レフティやすおの楽しい読書

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元「本屋の兄ちゃん」といっしょに読書嫌い・古典苦手を克服し、「読書は楽しい!」を実感する「プチ教養人」に変身しよう!(若い頃、本好き読書好きで、司馬遼太郎先生のエッセイ「駅前の書店」(『司馬遼太郎が考えたこと 15』新潮文庫)に登場する東大阪市の栗林書房、その今はなき八戸ノ里支店で5年8カ月働く。)月の半ばは初心者のための読書法を、月末は古今東西の古典の名著・名作を隔月交互に一点ずつ紹介します。読書とは他人(ひと)様の人生や思惟を追体験すること。「楽しい読書」で素敵なひと時、豊かな人生を!

 

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◇◆◇◆ 古典から始める レフティやすおの楽しい読書 ◆◇◆◇
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2017(平成29)年5月15日号(No.199)
「私の読書論93-本との出会いは偶然か必然か」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 
私の読書論93-本との出会いは偶然か必然か
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 前回、「私の読書論92-近況から―本屋ロス」で、
 書店における本との“偶然の出会い”について書きました。

 そのとき、
 「自分が必要とする本は、必要な時に必ず出会える」
 という信念について書きました。

 今回は、その辺をもう少し考えてみようと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

本との出会いは、偶然か必然か

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 ●偶然もまた運命

前回、こんな言葉を引用しました。


  《人生においては何事も偶然である。
   しかしまた人生においては何事も必然である。
   このような人生を我々は運命と称している。... 》

   「希望について」p.127

*三木清『人生論ノート』新潮文庫 改版 1978/9
http://www.amazon.co.jp/dp/4101019010/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22


偶然もまた運命――。

運命とは、必然だということでしょうか。

この場合の出会いは本との出会いということです。

でも、それだけとは言えませんよね。
色んな出来事についても言えるでしょう。

(でも、ここでは本との出会いに限ってお話します。)



 ●マーク・トウェインのこと

私は、マーク・トウェインの『トム・ソーヤーの冒険』が
「世界で一番の小説だ」と思っています。

一般的には、

 児童文学――少年小説の傑作のひとつ

という評価でしょうか。

しかし私は

 「世界最高のエンターテイメント小説」

と考えています。


英米文学の研究者の間でも、
基本的にこの評価は変わらないようです。

『ハックルベリー・フィンの冒険』は、
最初のアメリカ文学とか、様々に評価されています。

ヘミングウェーの言葉を持ち出すまでもなく、です。

この評価もうなずけますけれど、
それだけのように思われるのは、どうも……。

私の知る範囲で、『トム―』を評価している
著名な文学者といえばコリン・ウィルソンぐらいでしょうか。


 *以下、余談になりますが――


彼の『わが青春 わが読書』の3章が「トム・ソーヤー」です。

この本は、
コリン・ウィルソンの読書人生をたどるエッセイです。

内容を詳しくたどりながら、その魅力を語っています。

ただ、ここでも基本的には少年小説の秀作といった
捉え方の一端を見せていますけれど。

しかしそれだけではなく、
「トム・ソーヤー効果」なる言葉で、
トム・ソーヤーから学んだ人生哲学を語っています。

例のトム・ソーヤーのペンキ塗りのエピソードのくだりです。


この部分を取り上げている方が、日本にもいらっしゃいます。
お名前は失念しましたが。
(時間があれば、チェックし直すのですが、
 今は余裕がありません。ごめんなさい。)

多分、私が知らないだけで他にもいらっしゃることでしょう。

ここは、私にとっても一つのポイントです。


それ以外にも、
彼が言うように非常によくできた小説である
と考えています。

(コリン・ウィルソンのこの本の代表訳者として
 「訳者あとがき」を書いてらっしゃるのが、
 アメリカ文学研究者で翻訳家の柴田元幸さんでした。

 彼は、その後『トム―』を翻訳されました。
 その訳書のあとがきで、
 英米の文学者は『ハック―』は大人になってからも読むが、
 『トム―』は子供の時に読むだけ、と書かれていました。
 それがとても悔しく思ったものでした。

 でも柴田さんには、
 実際に翻訳して改めて評価していただけたので、
 嬉しく思いました。

 以前読んだある文章で、
 柴田さんにはあまりいい印象を持っていなかったのです。

 しかし、少し印象がよくなりました。
 同い年のようで、
 これからは今まで以上に
 彼の翻訳作品に触れてみたいと思いました。)


『トム・ソーヤーの冒険』については、
創刊第2号で取り上げています。

2008(平成20)年2月号(No.2)-080229-
大人も楽しい『トム・ソーヤーの冒険』


*参照:
コリン・ウィルソン『わが青春 わが読書』学習研究社 (1997/11)
―日本の編集者・安原顕氏の依頼で書かれた人生・読書論。
http://www.amazon.co.jp/dp/4054007732/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22



 ●運命の新刊『人間とは何か』

そんな私の好きな作家の一人である
マーク・トウェインの本を
最近、2冊立て続けに読みました。

大久保博さん訳の
角川文庫<マーク・トウェイン完訳コレクション>
『アーサー王宮廷のヤンキー』と『不思議な少年44号』です。

そして、次に『人間とは何か』を読んでみたい
と思っていました。


この作品は、彼の晩年の思想の書といってもよい作品です。
彼自身であろう老人と青年の対話からなるものです。

岩波文庫版が出ているのは知っていました。
これを図書館で探してみよう、と考えていたのです。


ところが先日、
いつものようにブラッと本屋さんに立ち寄ってみますと、
角川文庫の新刊で出ているではありませんか。

これこそ偶然であり、かつまた必然と言えないでしょうか。

しかも、出版までの詳しい経緯を知りますと、
単なる偶然と割り切れるものではなく、
いよいよこれこそ運命の出会いそのものだったのです。


*参照:
『人間とは何か』大久保博訳
角川文庫<マーク・トウェイン完訳コレクション> 2017/4/25
http://www.amazon.co.jp/dp/4041053625/ref=nosim/?tag=hidarikikidei-22



 ●ネット書店のおススメの場合

ネットの本屋さん――たとえばアマゾンでも、
こちらの購入履歴や検索履歴から、
興味を持ちそうな商品をおススメしてくれます。


しかし雑誌やアイドルのCDやDVD等なら、
最新刊や予約受付中の商品も
おススメとして紹介してくれますが、

書籍などでは、出たばっかりの新刊や
近刊予告的なものまでは、まず紹介してくれません。

また、履歴データにない商品は、紹介してくれません。

ある日突然、私が興味を持つことになった商品までは、
カバーしてくれません。


でも、リアルな店舗では、
私の興味のままに商品が目に飛び込んでくるのです。

この辺は、人間の心の不可思議なところであり、
それを機械的なマーケッティングでカバーすることはできません。



 ●出版までの経緯

大久保博訳の<完訳コレクション>の一冊として出版された
『人間とは何か』は、訳し下ろしです。

従来の角川文庫に収録された<完訳コレクション>の諸作品は、
単行本の文庫化でした。


その巻末の「訳者あとがき」を読んでみますと――

2016年12月の日付で、ご両親同様87歳となったとたん、
肺腺ガンが転移し、余命幾ばくもなしと宣告され、
最後の挨拶を、とあります。

その後、12月いっぱいの予定? が、
めでたくお正月を迎えられ、
解説を書こうとしたけれど疼痛がひどく、考えがまとまらず、
昔紹介した小話でまとめています。

というわけで、
未だ亡くなっていない人「未亡人」と名乗っておられました。


これもなかなかの奇跡と言えないでしょうか。

失礼な発言になるかもしれませんが、
ひょっとすると、本になっていなかったかもしれないのです。

訳業の半ばで……、
という可能性もゼロではなかったかもしれないのです。


私が必要とするときに、
そういう経緯を経た本を手にすることができたという事実は、
偶然であるにしても、
「これは運命であり必然なのではないか」
という私の気持ちもご理解頂けることでしょう。



 ●出会いを求めて

「自分が必要とする本は、必要な時に必ず出会える」
という信念というか、信条についてですが、

この言葉は、
私の一番好きな日本人作家である(あった)
北杜夫さんの本で読んだものなのです。

正確な言葉は今記憶していません。
しかし、これに類する言葉でした。

そして、私も同感だと思ったものでした。

もう何十年も前のお話ですね。


そんな言葉が、
私の心にしっかりと根をおろしているのは、
それが実感として心に刻まれているから、
なのでしょう。


私は、そんな本との運命の出会いを求めて、
毎日、あちらの本屋こちらの本屋と、
本屋さんをはしごして歩いているのです。

 ・・・

最後に、
上記のマーク・トウェイン『人間とは何か』に
こんな言葉があります。

「人間を動かして色々なことをさせているのは、
 一つの衝動だけだ」
といいます。


  《老人 自分自身の精神を満足させたい、
       という衝動さ――
      どうしても自分自身の精神を満足させて、
       精神からその賛成を得なければならぬ、
       という気持ちだな。》p.30


きっと私は、自分自身の精神を満足させるために、
本屋巡りを続けているのでしょう。

そして、
自分の精神を満足させられるような本を探しているのでしょう。


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※「別冊 編集後記」~『レフティやすおの作文工房』~
2017.5.15 私の読書論93-本との出会いは偶然か必然か
  ―第199号「古典から始める
レフティやすおの楽しい読書」別冊 編集後記
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