月刊バロック通信

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バッハ・ヴィヴァルディ・ヘンデルが活躍した時代へようこそ! チェンバロ奏者で『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の著者が バロック音楽を中心とした古楽の世界へ、まったりのんびりご案内します。

 

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月刊バロック通信 Vol.73
こんにちは。いにしえの宮廷楽師です。今月は以下の内容をお届けします。
=<< 目次 >>=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
++01 音楽家の処世術 その2 結婚するならプリマドンナ
++02 “音”でめぐる ヨーロッパの古都
++03 おすすめコンサート情報
++04 これからの公開講座
++05 突撃!バッハの昼ごはん
++06 編集後記
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

++01 音楽家の処世術 その2 結婚するならプリマドンナ

(その1 旅する人生 からの続き)
モーツァルトが神童お披露目旅行でマンハイムの街を訪れた時、その同じ舞台に立ったマンハイム宮廷楽団のフルート奏者がいました。彼の名はヨハン・バティスト・ヴェンドリング(1723-1797)。彼の演奏の腕前を、モーツァルトの父レオポルトも絶賛しています。

ヴェンドリングは初め、マンハイム宮廷の主プファルツ選帝侯のフルート教師を務めていましたが、宮廷歌手でプリマドンナのドロテア・シュプーニ(1736-1811)と結婚したことが、彼の宮廷楽士としての出世に有利に働きました。当時の平均的な宮廷楽士の給料が100~500グルデンであったのに対し、ドロテアの給料は1,500グルデン、ヴェンドリンク自身も1,000グルデンを得るようになったのです。
彼らの娘のエリーザベト・アウグステもマンハイム宮廷のプリマドンナとなりました。24歳の若さで父と同じ1,000グルデンが計上されており、ヴェンドリンク家はマンハイム宮廷楽士一家の中でも最も裕福な家族となりました。

1772年、J.S.バッハの末子のヨハン・クリスティアン・バッハ(1735-1782)がオペラ《テミストクレス》を上演するためにマンハイムを訪れました。この時彼は、ヴェンドリング一家のもとに滞在しましたが、こともあろうにエリーザベト・アウグステに結婚を申し込み、断られてしまいました。
実はこの若く美しい歌姫は1771年に短期間プファルツ選帝侯の愛人であったことがあり、父と同じ1,000グルデンという破格の給料が計上されているのはそうした訳があったからかもしれません。ヨハン・クリスティアン・バッハはのちに、ロンドン王室劇場でプリマドンナとして活躍していたイタリア人チェチリア・グラッシ(1740頃-1782以降)と結婚しました。

もう一人、ドレスデンでオペラ作曲家として名を馳せたヨハン・アドルフ・ハッセ(1699-1783)の例をご紹介しましょう。彼が結婚したのは、ファウスティーナ・ボルドーニ(1697-1781)。ヨーロッパで一、二を争う名プリマドンナでした。彼女はロンドン王立劇場でヘンデルのオペラに数多く出演しましたが、ある日、ライヴァルのソプラノ歌手クッツォーニと舞台の上で殴り合うというスキャンダルを起こしてしまいます。それにもかかわらず彼女の人気は陰ることがなく、次シーズンも王立劇場との出演契約が更新されたということです。

ハッセとファウスティーナと結婚したのち、夫婦でドレスデン宮廷に出仕します。ハッセは宮廷楽長、ファウスティーナは宮廷プリマドンナとして。ファウスティーナは夫の作曲したオペラ15作品に出演、またドレスデンからしばしばナポリ、ヴェネツィアなどのイタリアの街々に赴きオペラに出演。多額の謝礼の支払いを受けています。

さて、作曲家がプリマドンナと結婚するメリットは何でしょうか。

オペラ全盛時代となった18世紀には、主役級の歌手に支払われる謝礼は破格の額でした。作曲家の方は、オペラを書いて各地で上演することこそが、最も大きなステータスとなった時代といえるでしょう。作曲家は単に曲を作るだけでなく、実際に上演を行うまでの責任をもつ場合も多く、公演で歌ってくれる優秀な歌手をリクルートするために奔走したり、歌手それぞれの個性に合わせたアリアを書いたりすることは常識でした。
プリマドンナと結婚することのメリットは、その経済力をあてにすることもあったのでしょうが、それ以上に、オペラ作曲家として少なくとも一人の主役級の歌手を確保しておけるという、実務的な面にあったといえるでしょう。

ちなみにモーツァルトの初恋の人アロイージア・ウェーバー(1759/61-1839)は、のちにウィーンの宮廷劇場のプリマドンナとなり、恋は実らなかったものの、モーツァルトがウィーン時代に作曲したオペラに出演しています。そしてモーツァルトが結婚したのは、このプリマドンナの妹コンスタンツェでした。

☆今月の一曲☆
ヨハン・クリスティアン・バッハ作曲 オペラ《テミストクレス》
https://www.youtube.com/watch?v=DYz4pRz9FC0

++02 “音”でめぐる ヨーロッパの古都 

このコーナーでは、書籍『古楽でめぐるヨーロッパの古都』からの抜粋とともに、知られざる名曲をご紹介します。今月は第10章ヴェルサイユより。1668年にヴェルサイユ宮殿で行われた大規模な祝祭行事で上演された、コメディ・バレ(音楽・舞踏付き芝居)の中の一曲です。

J.=B.リュリ作曲 コメディ・バレ《ジョルジュ・ダンダン》より「皆で愛の神のすばらしい力をほめたたえよう!」
https://www.youtube.com/watch?v=sco75BY9k8M

ヴェルサイユ宮殿に王宮とすべての政治機能が移されるのは一六八二年ですが、それまでの間にもヴェルサイユではたびたび「ディヴェルティスマン」と呼ばれる大規模な祝祭が行われました。これは演劇、オペラを含む音楽付きの劇、舞踏会、豪華な食事、花火、庭園や噴水の(松明や蠟燭による)ライトアップなどを含む総合的な娯楽イベントで、国王が戦勝記念や寵姫のために行う祝祭に、廷臣である貴族たちを招いてもてなす趣旨のものでした。
たとえば一六六四年五月の「魔法の島の逸楽」と名付けられたディヴェルティスマンは、寵姫ラ・ヴァリエール夫人のために催されましたが、六〇〇人を超える貴族たちがパリから集まり、モリエール(1622―1673)の喜劇にリュリの音楽と舞踏が挿入されたコメディ・バレ《エリード姫》などが上演されました。その頃、ヴェルサイユ宮殿には常設劇場はなく、庭園のあちこちに仮設劇場がしつらえられ、招かれた貴族たちは広い庭園を移動しながらそれらを楽しみました。
一六六八年七月に行われた「ヴェルサイユの国王陛下の大ディヴェルティスマン」はネーデルランド継承戦争でスペインとの間に結ばれたアーヘン和約による戦勝を記念し、モリエールとリュリによるコメディ・バレ《ジョルジュ・ダンダン》が上演されました。
この演目は、宮殿正面の「大理石の内庭」に仮の劇場を設けて行われました。その他の呼び物としては、ギリシャ=ローマ神話のミューズたちが住むというパルナッソス山をかたどったお菓子のオブジェが、現在のフロールの泉水のある場所に設置されました。背丈を超える高さのお菓子の山の頂上にペガススがいななき、そのひと蹴りで泉が湧き出る情景が描写されていました。(p.229-231より)

++03 おすすめコンサート情報

中央大学混声合唱団 ロ短調ミサ曲演奏会
2017年6月24日(土) 17:00開演
パルテノン多摩 大ホール
指揮:飯坂純 ソプラノ1:岩本麻里 ソプラノ2:石田亜希子 アルト:上杉清仁 テノール:大島博 バス:大森いちえい オルガン:渡邊温子
管弦楽:アレクテ室内管弦楽団 
合唱:中央大学混声合唱団
チケット:S席 2,500円/A席 2,000円
ご予約、お問合せ:中央大学混声合唱団まで
http://c-konsei.lolipop.jp/TheChuoUniversityChorus/concert/

++04 これからの公開講座

タニタ楽器北浦和東口センター 春の講座
『古楽でめぐるヨーロッパの古都』
【内容】新刊書『古楽でめぐるヨーロッパの古都』をテキストに、以下の日程で公開講座を行います。一回ごと完結の講座ですので、ご都合とご興味に合わせてご参加くださいませ。(各木曜日・10:30-12:00)
※この講座は毎年春に5回、秋に5回開催しております。今年の秋の講座(9月開講)は再び第1章から第5章までを、ご紹介する音楽を入れ替えて解説します。
日時とテーマ
 5月11日 第6章 クレモナ(イタリア)終了
 5月25日  第7章 ツェルプスト(ドイツ)終了
 6月 8日  第8章 マンハイム(ドイツ)終了
 6 月22日 第9章 ヴェルサイユ(フランス)終了
 7月 6日  第10章 ヴェネツィア(イタリア)
会場 タニタ楽器浦和支店北浦和東口センター(JR北浦和駅徒歩4分)
http://www.e-tanita.jp/onkyo/kaijyo/center/higashiguti.html
参加費 1回 2,500円(2名様同時申し込みで1名様2,000円)
お申込み・お問合せ タニタ楽器浦和支店 Tel. 048-831-0910

++05 新コーナー 突撃!バッハの昼ごはん

『月刊バロック通信』通算70号を記念して始まった新コーナー。ここでは1745年にライプツィヒで出版されたベストセラー『ライプツィヒの料理本』に掲載されたお料理をご紹介します。もしかしてバッハも味わったかもしれない料理のレシピを、ちょっとのぞいてみませんか。

その4 <鱒(マス)を美味しく煮る>
1. 鱒の腹を開き、内臓を取り出し、よく洗う。
2. 洗った鱒をざるに入れ、酢をかける。
3. 鍋に半分くらい真水を入れ、適量の塩を入れ、沸騰させる。
4. その中に鱒を入れ、素早く再沸騰させる。
5. しばらく煮たら、ワインを入れて冷まし(差し水の代わりにワイン、というイメージ)、もう少し煮てから取り出す。
6. それに一枚の大きな紙をかぶせ、よく固まるまでそのまま置き、盛り付ける。

☆<突撃!バッハの昼ごはん> 調理レポート!
前回ご紹介した<鳩のサワークリーム煮>を、鶏の手羽で作ってみました。現代人にも普通に美味しく、お客様にお出しできるレベルの味に仕上がりました。『ライプツィヒの料理本』著者のエーガーさん、本当に素晴らしいです!
今回は、以下の分量でやってみました。
手羽元8本、スープ(コンソメキューブを使用)1カップ、サワークリーム50g、しょうが(千切り)1かけ分、ナツメグ1ふり、白胡椒2ふり。最初に手羽元を焼き色がつくくらいに焼き、あとの手順はレシピ通り、ただし最後のバターを省きました(鶏の皮に脂肪分が多いため)。ご参考までに・・・
※バッハの生きた時代と音楽についてのエッセイと、バッハ時代の料理のレシピが掲載された同人本を、歴史的料理研究<音食紀行>遠藤雅司氏と共同で執筆中です。ここでご紹介しきれていないレシピも掲載予定。発売日が決まりましたらお知らせいたしますので、どうぞご期待ください!

++06 編集後記

関東は梅雨に入っても雨が少ない状況のようです。晴天の日が多く木々の緑も一層濃くなって参りましたが、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

5月は多くの講演の機会をいただき、充実した毎日を送らせていただきました。また朗読と音楽のコラボレーション 風流楽(ふる~ら)のコンサートも、おかげさまで好評のうちに終了することができ、ご参加くださいました皆様方に心より御礼申し上げます。

タニタ楽器主催『古楽でめぐるヨーロッパの古都』公開講座は、2016年秋、2017年春と2クールで書籍の内容(10章+番外編)を一巡いたしますが、2017年秋、2018年春とで二巡目をさせていただく予定でおります。内容は、すでに講座にご参加くださった方も、初めての方も、また書籍を持っていらっしゃらない方でもお楽しみいただけるように構成いたします。
初めて古楽の世界に触れてみたい方も、本の内容を深めたい方も、魅力的で親しみやすい音楽を、チェンバロ演奏とCD音源でたくさんご紹介いたしますので、お誘いあわせの上、ぜひご参加くださいませ。
また、都内や首都圏以外での開催のご要望がございましたら、下の「ご意見・ご感想」フォームからお気軽にお問合せ下さい。

今月も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また来月もお元気でお会いいたしましょう。
ご質問・ご意見・ご感想などもお待ちしております。
→ http://form.mag2.com/mouwuuanio

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月刊バロック通信
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★発行人:いにしえの宮廷楽師(渡邊温子)
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★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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Copyright(C) 2017 Atsuko Watanabe
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メルマガ名
月刊バロック通信
発行周期
月刊
最終発行日
2017年06月22日
 
発行部数
187部
メルマガID
0001306010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 音楽 > クラシック

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