月刊バロック通信

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バッハ・ヴィヴァルディ・ヘンデルが活躍した時代へようこそ! チェンバロ奏者で『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の著者が バロック音楽を中心とした古楽の世界へ、まったりのんびりご案内します。

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メルマガ名
月刊バロック通信
発行周期
月刊
最終発行日
2017年07月22日
 
発行部数
187部
メルマガID
0001306010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 音楽 > クラシック

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月刊バロック通信 Vol.74
こんにちは。いにしえの宮廷楽師です。今月は以下の内容をお届けします。
=<< 目次 >>=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
++01 プリマドンナの気性とは
++02 “音”でめぐる ヨーロッパの古都
++03 おすすめコンサート情報
++04 これからの公開講座
++05 突撃!バッハの昼ごはん
++06 編集後記
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

++01 プリマドンナの気性とは

「アリエッタ(小アリア)を歌い終わる時、卓越した女性歌手は、最後の単語の語尾の母音を、いつものようにわざと長く伸ばして歌います。ドルチェェェェ…(甘い、dolce)…スポーゾォォォォ…(花婿、sposo)といったように、です。そして、もし、たまたま音が外れてしまったり、テンポが合わなかったりしたことに気がつくと、こう言います。『…このオーケストラは、目の良く見えない人たちが糸紡ぎの工場で立てる騒音よりも、ひどい音がするわ。アリア一曲でさえ、まともなテンポで演奏してくれないのね。』」※注

これは1720年にヴェネツィアで出版された『当世流行劇場』の中の一節です。貴族で作曲家でもあったベネデット・マルチェロが、当時のヴェネツィアのオペラ界を風刺した書物で、オペラ劇場をとりまく様々な立場の人々をくまなく取り上げ、やり玉にあげています。上の記述は「女性歌手」について。こういった書物の性格上、誇張があることは確かですが、当時のオペラ劇場の様子を生き生きと伝える史料としての価値も無視できないものです。

前号でヘンデルのオペラに出演した2人のプリマドンナについて触れました。その2人とは、ファウスティーナ・ボルドーニ(1697-1781)とフランチェスカ・クッツォーニ(1696-1778)。彼女らはカストラートのセネジーノとともに、ロンドン王立劇場で上演されたヘンデルのオペラの花型歌手でした。幸運なことに、彼女たちの歌唱能力については、実際に聴いたことのある当時の音楽家が、プロフェッショナルな立場から記述しており、その歌いぶりを詳細に知ることができます。

イタリア人カストラート、ジョヴァンニ・バッティスタ・マンチーニの記述によると、ボルドーニはメゾ・ソプラノで、声の機敏さに秀でていました。当時のオペラのアリアでは、同じメロディが再び出てきた時に、より短い音価の音符を用いて装飾して歌うのが習慣でしたが、ボルドーニはどんなに細かい装飾をつけても、伴奏者の自由を奪うことがなく、常に元の速さを保って歌うことができた、と、彼は賞賛しています。
一方クッツォーニについては、同じくイタリア人カストラートで声楽教師でもあったピエール・フランチェスコ・トーシによると、ソプラノの甘い声には、人の心を落ち着かせる美しさがあったと絶賛されています。とりわけ感傷的な歌を得意とし、聴衆の涙を誘うことができた、との記述も残されています。ヘンデルが2人の異なる特質を生かしてアリアを作曲したのは言うまでもありませんが、むしろこの2人の存在が彼のオペラの登場人物のキャラクターを決定し、ヘンデルの表現の可能性を広げたともいえるでしょう。

さて、冒頭の『当世流行劇場』の引用は、主役級の女性歌手の高慢で勝手気ままな様子を描いたものでしたが、それを地でいくような性格だったのがクッツォーニでした。1727年6月6日にボノンチーニ作曲のオペラ《アスティアナッテ》の上演中にボルドーニと舞台の上で殴り合いになったことは、前号でご紹介しましたが、クッツォーニがロンドンにやってきて初めてヘンデルのオペラ《オットーネ》に出演しようとしたときのエピソードもまた、強烈な印象を与えます。

《オットーネ》の最初の稽古の時、配役が決まる前にすでにアリアが出来上がっていたことを不満に思ったクッツォーニは、特別に彼女のために冒頭のアリアを書いてほしいとヘンデルに迫り、すでに作曲されていたアリアFalsa imagineを歌うことを強く拒みました。その時ヘンデルは「おおマダム、私は貴女がまぎれもない悪魔だということを知っています。しかしながら私は、私が悪魔の長だということを知らしめてさしあげましょう。」と言い放ち、彼女の腰をもちあげ、窓から放り出そうとしたとか。
プリマドンナにとって、自分のキャラクターに合わないという理由で歌うのを拒むのは、正当なこととみなされる一面もありましたが、このエピソードからは「爆発しやすい」といわれたクッツォーニの性格が垣間見られます。ヘンデルも負けてはいませんが。

☆今月の一曲☆
G. F. ヘンデル作曲 オペラ《ロデリンダ》第2幕より
レシタティーヴォとアリア「帰ってきて、私の愛しい人よ」(クッツォーニが歌ったロデリンダのアリア)
https://www.youtube.com/watch?v=77cCiVj2JFo

※注 『当世流行劇場』 p.80より引用 ベネデット・マルチェロ著、小田切慎平/小野里香織 訳、未来社 2002年

++02 “音”でめぐる ヨーロッパの古都 

このコーナーでは、書籍『古楽でめぐるヨーロッパの古都』からの抜粋とともに、知られざる名曲をご紹介します。今月は第10章ヴェネツィアより。ヴェネツィアで生まれ育ったヴィヴァルディは、《四季》などの器楽曲で有名ですが、オペラ劇場でも活躍しました。1713年に彼が興行主となったサンタンジェロ劇場のために、翌年作曲されたオペラからの一曲です。

A.ヴィヴァルディ作曲 オペラ《狂乱のオルランド(1714年)》より
アルジラーノのアリア「何を見るまなざしにも」
https://www.youtube.com/watch?v=HBjB0D6y7lk

サンタンジェロ劇場は、ヴェネツィアの劇場の中で特に優れた劇場というわけではありませんでした。というのも、興行主サントゥリーニは常に騒動の渦中にいるような人物で、言うことを聞かない女性歌手への暴力沙汰や、土地の所有者とのいさかいがありました。彼は貴族のマルチェッロ家とカッペッロ家から、劇場の土地の使用権を七年間の契約で得ていましたが、その期限が切れた後も劇場を占有し続け、一七一〇年にとうとう両家から訴訟を起こされました。しかしうまく立ち回ったらしく、裁判では現状維持の判決を得ています。

ちなみにマルチェッロ家とはヴェネツィアの名家であり作曲家のアレッサンドロ(1669―1747)とベネデット(1686―1739)を輩出した家系です。一七二〇年にベネデット・マルチェロがヴェネツィアのオペラ興行を風刺した『当世流行劇場』を執筆し、その中でヴィヴァルディのことも厳しく批判しているのは、当時のサンタンジェロ劇場の興行主だったヴィヴァルディに対してのあてつけだったのかもしれません。

一七一三年にヴィヴァルディは、サンタンジェロ劇場の興行主をサントゥリーニから引き継ぎました。しかし彼が作曲した最初のオペラ《離宮のオットーネ》はヴェネツィアではなく近郊のヴィチェンツァで初演され、翌年一七一四年になって《狂乱のオルランド》が初めてサンタンジェロ劇場で上演されました。(p.256-260より)

++03 おすすめコンサート情報

朗読と音楽のコラボレーション 風流楽コンサート
2017年12月3日(日) 14:00開演
アートルーム 新紀元(JR立川駅より徒歩2分)
朗読 野田香苗 チェンバロ 渡邊温子  
ご予約、お問合せ cembalonko2002♪excite.co.jpまで。
(♪をアットマークに替えてください)
 
中央大学混声合唱団
第54回定期演奏会 ヘンデル「メサイア」
2017年12月10日(日) 16:00開演
オリンパスホール八王子(JR八王子駅前)
出演 指揮 飯坂純 ソプラノ 石田亜希子 アルト 鈴木涼子 テノール 大久保憲 バス 大森いちえい オルガン 渡邊温子 オーケストラ アレクテ室内管弦楽団
合唱・主催 中央大学音楽研究会混声合唱団  
ご予約、お問合せ 中央大学混声合唱団 http://c-konsei.lolipop.jp/TheChuoUniversityChorus/

ドラマチック・バロック!Vol.7
2018年1月27日(土) 14:00開演
東京オペラシティ 近江楽堂 (京王新線 初台駅直結)
出演 ソプラノ 秋吉邦子 チェンバロ 渡邊温子
ご予約、お問合せ cembalonko2002♪excite.co.jpまで。
(♪をアットマークに替えてください)

++04 これからの公開講座

タニタ楽器北浦和東口センター 秋の講座
『古楽でめぐるヨーロッパの古都』(その3)
【内容】新刊書『古楽でめぐるヨーロッパの古都』をテキストに、春に5回、秋に5回開催。秋の講座(9月~11月)は第1章から第5章まで、今までにご紹介していない音楽を含め、詳しく解説いたします。
【会場】タニタ楽器浦和支店北浦和東口センター(JR北浦和駅徒歩4分)
http://www.e-tanita.jp/onkyo/kaijyo/center/higashiguti.html
参加費 1回 2,500円(2名様同時申し込みで1名様2,000円)
お申込み・お問合せ タニタ楽器浦和支店 Tel. 048-831-0910
【日時とテーマ】決定し次第、こちらのサイトにてご案内いたします。
http://cembalonko.exblog.jp/11680488/

++05 突撃!バッハの昼ごはん

1745年にライプツィヒで出版されたベストセラー『ライプツィヒの料理本』に掲載されたお料理をご紹介します。もしかしてバッハも味わったかもしれない料理のレシピを、ちょっとのぞいてみませんか。

その5 <レバータルト>
1. 子牛のレバーを取り出し、沸騰したお湯に入れ、血抜きをする。
2. 小さく刻み、塩少々、胡椒、生姜、牛の骨髄とともにボールに入れる。
3. 卵をいくつか溶いて加え、さらに小粒のレーズンも入れて混ぜ合わせる。
4. タルト生地を用意し、楕円形に形成し、縁を立ち上げる。
5. 生地に具を入れ、ふたをする(しなくてもよい)。オーブンで焼く。

※バッハの生きた時代と音楽についてのエッセイと、バッハ時代の料理のレシピが掲載された同人本を、歴史的料理研究<音食紀行>遠藤雅司氏と共同で執筆中です。ここでご紹介しきれていないレシピも掲載予定。発売日が決まりましたらお知らせいたしますので、どうぞご期待ください!

++06 編集後記

梅雨明けする前からすでに酷暑がつづいていた東京です。みなさま、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

7月20日に拙著『古楽でめぐるヨーロッパの古都』は出版一年目の誕生日を迎えました。私にとっては初めて世に出した子供みたいなもので、多くの皆様方に温かく迎えていただき、心より感謝を申し上げます。これからも、この本がお役に立つ方のもとに、たくさん旅立っていけますよう、引き続き応援をよろしくお願いいたします。
活動的だった上半期もひと段落しましたが、今後の新しい企画や、来年にかけてのコンサートの準備が、すでに始まっています。8月中旬にはフランスへ、取材を兼ねた観光旅行に行って参ります。14世紀に一時期教皇庁があったアヴィニョンやアルルなど、南仏も少し訪れる予定で、秋以降の公開講座を彩る新鮮な「ネタ」を探しあてられるでしょうか…

今月も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また来月もお元気でお会いいたしましょう。
ご質問・ご意見・ご感想などもお待ちしております。
→ http://form.mag2.com/mouwuuanio

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月刊バロック通信
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★発行人:いにしえの宮廷楽師(渡邊温子)
★サイトURL:http://cembalonko.exblog.jp/
★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
★お届け先のアドレス変更・配信停止:http://www.mag2.com/m/0001306010.html
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