月刊バロック通信

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バッハ・ヴィヴァルディ・ヘンデルが活躍した時代へようこそ! チェンバロ奏者で『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の著者が バロック音楽を中心とした古楽の世界へ、まったりのんびりご案内します。

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メルマガ名
月刊バロック通信
発行周期
月刊
最終発行日
2018年05月22日
 
発行部数
206部
メルマガID
0001306010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 音楽 > クラシック

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月刊バロック通信 Vol.84
こんにちは。いにしえの宮廷楽師です。今月は以下の内容をお届けします。
=<< 目次 >>=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
++01 領主の鏡(後編)
++02 これからの公開講座
++03 突撃!バッハの昼ごはん
++04 編集後記
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

++01 領主の鏡(後編)

チェコのモラヴィア地方ヤロムニェジツェの領主、ヨハン・アダム・フォン・クヴェステンベルク伯爵(1678-1752)は、ハプスブルク家の家臣で、ウィーンで高等教育を受けたのちにイタリアへ赴き、そこでイタリアオペラの魅力に取りつかれます。その後ウィーンで皇帝ヨーゼフ1世の補佐官をしている間に、当地の優秀な音楽家やその後援者である貴族たちとの密なネットワークを築き、故郷に戻ったのちにイタリアオペラを最高の環境で上演するための素地を固めていきました。

宮廷オペラ劇場設立にあたっては、ウィーンゆかりの者ばかりでなく、ヤロムニェジツェ在住のチェコ人にも仕事をふり分け、衣装や舞台背景などは地元の職人が製作しました。しかし何といってもこの劇場に大きく貢献したのは、ジュゼッペ・ガッリ=ビビエーナ(1695-1757)という建築家でした。彼は4世代にわたってヨーロッパ中の劇場建設に携わったビビエーナ一族の一員で、ヤロムニェジツェの劇場建設に携わった時にはまだ20代後半でした。
彼は後年100を超えるオペラで舞台美術に携わり、バイロイトの辺境伯歌劇場(工期1745年-1750年、2012年世界遺産に登録)やドレスデンのツヴィンガー宮殿オペラハウス(1750年完成、1869年に火災で焼失)などの建設を手掛け、晩年にはベルリンのフリードリヒ大王にも仕えています。そんな彼の才能を若い頃に見抜くことができたのは、クヴェステンベルク伯爵の高い見識のなせる業といえるでしょう。

ヤロムニェジツェの宮廷オペラ劇場の公開画像は残念ながら見当たりませんが、同じくビビエーナが内装を担当したバイロイト辺境伯歌劇場の様子がこちらです。
https://worldheritagesite.xyz/bayreuth/

桟敷席が階層をなして並ぶきらびやかな劇場には、近郊の街または遠方からも多くの観客を惹きつけました。そしてその劇場でのオペラ上演を成功に導いたのは、クヴェステンベルク伯爵の情報収集能力によるところが大きかったのです。

彼はウィーンの居城を管理する執事ホフマンに、ウィーンの宮廷オペラ劇場の動静を逐一報告させていました。どのような演目が上演されているのか、それに対する聴衆の反応はどうか。ウィーンだけでなくブルノやプラハといったチェコの他の街や、ブレスラウ(現ポーランドのヴロツワフ)とドイツの主要な宮廷の情報も収集し、それをもとに上演する演目を選んでいました。宮殿の文書館に、実際に上演されたものばかりでなく、当時流行したイタリアオペラの総譜がくまなく所蔵されているのは、そうした理由があったためです。

さて、チェコを支配していたドイツ語圏の貴族と、被支配者であるチェコ人との間には、常に難しい関係があったことは想像に難くありません。そのような時代にクヴェステンベルク伯爵は、特に次にあげる2つのことを行ったことで、モラヴィアの地に音楽文化の一大中心地を築き上げることに成功しました。

1つ目は初めてのチェコ語によるオペラを作曲させたことです。当時の宮廷ではイタリア語によるオペラや、ドイツ語によるジングシュピール(音楽がつかない素の台詞の部分を含む音楽劇)がレパートリーの主流でした。高等教育を受けた支配者層は、ドイツ語はもとよりイタリア語・フランス語が理解できるのは当たり前でした。それに対し、地元の人々が使っていたのはチェコ語。ここに大きな断絶がありました。
そこでクヴェステンベルク伯爵は1722年にチェコ人のヴァイオリンの名手フランティシェク・ヴァーツラフ・ミーチャ(1694-1744)を宮廷楽長に起用、1730年に《ヤロムニェジツェの起源について》という、初めてのチェコ語のオペラを作曲させ、被支配層のチェコ人たちにも理解できるように上演させたのでした。

2つ目は音楽教育です。先ほど触れた情報収集網をつかって、近隣の街や村から音楽の素養のある子供を集め、芽が出そうな者はウィーンに送り込んで音楽教育を受けさせ、その後ヤロムニェジツェの宮廷楽団員に採用しました。宮廷楽団の立ち上げの頃こそウィーンの音楽家に頼っていた伯爵でしたが、地元の人たちにそうした機会を与えたことによって、この宮廷楽団と音楽に個性がもたらされ、全盛期を長く保つことに貢献しました。

異文化が交わり合うところに輝くものが生まれる、という事例は、歴史を紐解いていくと数多く見つけることができます。支配者と被支配者の関係であっても、人間同士の関わりというレベルにまで視点を近づけると、実は身分や立場を超えての共同作業であったことが分かります。クヴェステンベルク伯爵が育んだヤロムニェジツェ宮廷の音楽活動も、そうした貴重な営みの一つに数えられるものに違いありません。(終)

参考:ヤロムニェジツェ城のサイト
https://www.zamek-jaromerice.cz/en

☆今月の一曲 ヨハン・アドルフ・ハッセ作曲 
オペラ《カーヨ・ファブリツィオ》より<非道な父よ、恩知らずな夫よ>
https://www.youtube.com/watch?v=jmNgtWAoRoQ
※ヤロムニェジツェで上演されたオペラの中の一曲。

++02 これからの公開講座

●音楽講座 『古楽でめぐるヨーロッパの古都』(4)
書籍『古楽でめぐるヨーロッパの古都』をテキストにした4回目。5月31日(木)スタートです。作曲家ゆかりの「街」での音楽活動の様子や作曲家の生きざまを、歴史や時代背景とともに探っていきましょう。
チェンバロの生演奏とCD音源で、テキストに登場する音楽もたっぷりお楽しみいただきます。
一回ずつ完結の講座ですので、ご都合やご興味に合わせてのご参加もお待ちしております。
(各木曜日・10:30-12:00)
第1回 5/31 第6章  クレモナ(イタリア) ヴァイオリン製作と北イタリアの宮廷
第2回  6/14 第7章  ツェルプスト(ドイツ) 大都市からの客演奏者たち
第3回 6/28 第8章  マンハイム(ドイツ) J.C.バッハの成功と失恋
第4回 7/12 第9章 ヴェルサイユ(フランス) ダンスが好きな国王たち
第5回 7/26 第10章 ヴェネツィア(イタリア) ヴィヴァルディにライバル登場!

●チェンバロの歴史
日時:6月6日(水)10:30-12:00
会場:朝日カルチャーセンター新宿校
参加費:会員 3240円 一般 3888円
お申込み・お問合せ 朝日カルチャーセンター新宿校 03-3344-1945
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/35aa00a0-6557-fe13-94b2-5a65659b91a4

●教会と音楽 セミナー
第4回 北ドイツ紀行・リューベックからベルリンまで 7月7日(土)10:00-12:00
会場:Space415(JR中野駅より徒歩12分)http://space415.info/access/
参加費:各回3500円
詳細、お申込み:http://i-travel-square.tokyo/seminar/church-music/
メール info@i-travel-square.tokyo 電話 03-6706-4700 株式会社 アイ・ティ・エス(尾芝)まで

「教会と音楽セミナー」は、著書『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の視点、つまりある街・ある場所でどんな音楽が鳴り響いていたのだろうか、という視点で、様々な地域についてのお話を進めていきます。毎回、CDなどによる音源資料と、街の様子が分かる画像資料をたくさんご用意していますので、旅をする気分で、美しい音楽とその時代背景をお楽しみください。

●歴メシ!とめぐるヨーロッパの古都(全6回)
会場 松本記念音楽迎賓館(東京都世田谷区岡本2-32-15)
http://ongakugeihinkan.jp/
選曲とお話 渡邊温子(『古楽でめぐるヨーロッパの古都』著者)
調理 <音食紀行> 遠藤雅司(『歴メシ!世界の歴史料理をおいしく食べる』著者)

イタリア、スイス、ベルギー、ドイツ、スペイン、フランス…音楽と旅する本『古楽でめぐるヨーロッパの古都』に登場する街6カ所を巡ります。一回につき一つの街を取り上げ、そこで作曲された音楽を聴きながら、作曲家も食べたかもしれない!?その時代の歴史的再現料理をいただきます。当地の風景画像を眺め、古の音楽が育まれた時代背景を探っていきましょう。

第3回 6月17日(日)アントウェルペン(17世紀ベルギー、ルーベンスの時代)
第4回 7月28日(土)リューベック(17世紀ドイツ、ブクステフーデの時代)
第5回 9月 2日(日)セビーリャ(16世紀スペイン、大航海時代)
第6回 10 月27日(土)ヴェルサイユ(18世紀フランス、ルイ14世の時代)
参加費:各回 アルコール有り¥5,000 アルコール無し¥4,000
お申込み・お問合せ:cembalonko2002♪excite.co.jp(♪をアットマークに替えてください)

++03 突撃!バッハの昼ごはん

1745年に出版されたベストセラー『ライプツィヒの料理本』に掲載されたお料理をご紹介します。もしかしてバッハも味わったかもしれない料理のレシピを、ちょっとのぞいてみませんか。

その16 <牛肉のズルツェ(煮こごり料理)> 原文レシピ番号193
1. 脂ののった牛の頭半分を小さくたたき切り、数ポンドの首肉も同様にする。
2. それらを一緒にとても柔らかくなるまで煮込み、よく冷ます。
3. 骨を取り出し、他の部分はとても細かくほぐし、生姜・胡椒・丁子で強めに香りづけする。乾燥したマジョラムとセージを細かくすりつぶして加え、さらによく混ぜ合わせる。
4. 木製のまな板に丈夫なナプキンをしき、その上に3.をのせ、持ち上げてくぼみのあるところにしっかり押し付ける。ナプキンの上部をしっかり結ぶ。その上に板をのせ、重石をのせる。重石をしてしばらくの間は汁がでてくるので、そのまま置き、そのあと一晩置く。
5. ナプキンをとりはずし、深皿にいれ、酢をそそぐ。
6. 切り分け、酢をかけて供する。この料理は3週間もつ。また2.で加熱するときに塩を加えても良い。

++04 編集後記

ゴールデンウィーク中から夏のような日差しを感じた5月ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。

このメルマガが発行される頃、私は2年ぶりにアメリカを訪れています。ミシガンで北米歴史的鍵盤楽器協会のカンファレンスに参加した後、ワシントンDCでさまざまな演奏会を聴いたり、国立議会図書館のストラディヴァリウスのコレクションを見学したりしている頃と思います。
ストラディヴァリウスといえば、5月31日(木)から始まる音楽講座『古楽でめぐるヨーロッパの古都』(4)の第1回のテーマが「クレモナ」。ストラディヴァリをはじめとするヴァイオリンの名工を育んだ街のお話です。お申し込みの出足が早く、すでにかなりお席が埋まって参りました。参加ご希望の方はお早目のお申込みをお勧めいたします。

今月も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また来月、お元気でお目にかかりましょう!アメリカ珍道中のお土産話があるかも?
ご質問・ご意見・ご感想などもお待ちしております。
→ http://form.mag2.com/mouwuuanio

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月刊バロック通信
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★発行人:いにしえの宮廷楽師(渡邊温子)
★サイトURL:http://cembalonko.exblog.jp/
★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
★お届け先のアドレス変更・配信停止:http://www.mag2.com/m/0001306010.html
★ご意見・ご感想はこちらまで http://form.mag2.com/mouwuuanio
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