月刊バロック通信

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バッハ・ヴィヴァルディ・ヘンデルが活躍した時代へようこそ! チェンバロ奏者で『古楽でめぐるヨーロッパの古都』の著者が バロック音楽を中心とした古楽の世界へ、まったりのんびりご案内します。

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メルマガ名
月刊バロック通信
発行周期
月刊
最終発行日
2017年09月22日
 
発行部数
191部
メルマガID
0001306010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 音楽 > クラシック

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月刊バロック通信 Vol.76
こんにちは。いにしえの宮廷楽師です。今月は以下の内容をお届けします。
=<< 目次 >>=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
++01 ある女性作曲家の消えた後半生
++02 おすすめコンサート情報
++03 これからの公開講座
++04 突撃!バッハの昼ごはん
++05 編集後記
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=

++01 ある女性作曲家の消えた後半生

ヴィヴァルディが多くの優秀な生徒を育てたピエタ女子養育院は、孤児が保護され、高度な音楽教育がなされたことで有名な施設でした。しかしそこには、両親とも健在なのに入学できる子供たちもいました。アンナ・ボン(1739-1765以降)もその一人。彼女は旅回りのオペラ一座の座長を父に、ソプラノ歌手を母に生まれました。
彼女がこの世に生を受けようとしていた頃、父ジロラモ率いるボン一座は、ロシアのザンクト・ペテルブルクで女帝アンナ・イヴァノヴナに仕えていました。彼らが休暇で一時イタリアに帰還している間の1739年8月に、アンナは母方の故郷であるボローニャで生まれました。

4歳の時にすでに、アンナはヴェネツィアのピエタ女子養育院に預けられてしまい、両親は再び興業の旅へ・・・とはいっても、オペラ歌手を引退して間もない母方の祖父がヴェネツィアに住んでいたので、両親も安心して興行に赴くことができたのでしょう。当時のピエタ女子養育院では、授業料を支払って教育を受けさせるために入学させるケースもあり、アンナは数名の同じような状況の生徒とともに、入学が許可されたのでした。

ピエタでアンナを教えたのは、カンディーダというヴィヴァルディの直弟子の弦楽器奏者でした(ピエタの出身者はファーストネームのみが伝えられています)。そこでアンナはさまざまな楽器の演奏とともに、聴音・初見視奏や視唱・ソルフェージュ・装飾法などの基礎的な音楽教育を受け、10代半ば過ぎには両親のオペラ一座に合流し、活動を始めることになります。

1755年アンナが16歳のころ、両親の一座はブランデンブルク=バイロイト辺境伯フリードリヒ3世の妃ヴィルヘルミナに仕えはじめ、彼女が新たに作った宮廷劇場のこけら落としにインテルメッツォ(コミカルな内容をもつ音楽劇作品)を上演しました。この作品は、複数の作曲家が楽曲を持ちよって一つのオペラに仕上げる「パスティッチョ」による作品で、アンナも楽曲を提供したと思われます。
彼女が残したもっと確実な足跡は、翌1756年に「作品1」《通奏低音伴奏つきフルートソナタ》をニュルンベルクのバルタザー・シュミット社から出版したこと。たった17歳の時に作曲されたこの作品は、ブランデンブルク=バイロイト辺境伯フリードリヒ3世に献呈されました。というのは、フリードリヒ3世は義理の弟であるプロイセンのフリードリヒ大王のように、フルートの愛好家であり名手だったからです(妃のヴィルヘルミナはフリードリヒ大王の姉)。

1762年アンナが23歳のころにボン一家は、ヨーゼフ・ハイドン率いるエステルハージ家の宮廷音楽家のメンバーとなります。ハイドンは1764年、エステルハージ侯ニコラウスがフランクフルトから帰還した折に、祝賀カンタータ《突然の喜びから》を作曲しますが、このときの演奏予定者としてハイドン自身の手で、母とアンナを示唆する記録がなされています。

さて1765年にアンナはエステルハージ宮廷での職務を辞しますが、その後の足取りは消滅しています。かつては同時代の作曲家エルンスト・ルードヴィヒ・ゲルバーによる情報として、1767年にヒルデブルクハウゼンで歌手のモニェーリと結婚した、とされていましたが、当時の教会の記録によると、モニェーリは別の女性とすでに結婚していて、3人の子供がいたことが分かっており、アンナの記録は見つかっていないとのことです。

もう一つの可能性として、彼女の足跡をボヘミアにたどれるとする研究者もいます。アンナが作曲した宗教的アリア《天の星よ》の自筆譜が、チェコのチェスキー・クルムロフ城に保存されていることや、19世紀のチェコの作曲家ズデニェク・フィビフの所有する古い手書き譜の中に、アンナらしき名前が認められることが、その根拠とされています。真相はどうだったのでしょうか。

ヴィヴァルディの孫弟子でハイドンの同僚でもあったアンナ・ボン。その時代に女性として、オペラ歌手としてではなく作曲家として功績を残すことは、稀有なことではありました。ちなみに彼女が出版した作品2はチェンバロ・ソナタ集、作品3は室内楽(トリオソナタ)曲集で、作品1を含め、復刻版の楽譜が入手可能です。どれも親しみやすいですし、いにしえのJK世代が書いた曲、ご興味があればぜひ眺めてみてはいかがでしょうか。

☆今月の一曲☆ アンナ・ボン作曲 《チェンバロのためのソナタ》Op.2-1 ト短調
https://www.youtube.com/watch?v=nZXH4P5o2aU

++02 おすすめコンサート情報

朗読と音楽のコラボレーション 風流楽コンサート
2017年12月2日(土) 14:00開演 ※ 3日(日)から変更になりました。
アートルーム 新紀元(JR立川駅より徒歩2分)
朗読 野田香苗 チェンバロ 渡邊温子  
ご予約、お問合せ cembalonko2002♪excite.co.jpまで。
(♪をアットマークに替えてください)
 
中央大学混声合唱団
第54回定期演奏会 ヘンデル「メサイア」
2017年12月10日(日) 16:00開演
オリンパスホール八王子(JR八王子駅前)
出演 指揮 飯坂純 ソプラノ 石田亜希子 アルト 鈴木涼子 テノール 大久保憲 バス 大森いちえい オルガン 渡邊温子 オーケストラ アレクテ室内管弦楽団
合唱・主催 中央大学音楽研究会混声合唱団  
ご予約、お問合せ 中央大学混声合唱団 http://c-konsei.lolipop.jp/TheChuoUniversityChorus/

ドラマチック・バロック!Vol.7
2018年1月27日(土) 14:00開演
東京オペラシティ 近江楽堂 (京王新線 初台駅直結)
出演 ソプラノ 秋吉邦子 チェンバロ 渡邊温子
詳細はこちらにも随時アップいたします http://cembalonko.exblog.jp/28127220/
ご予約、お問合せ cembalonko2002♪excite.co.jpまで。
(♪をアットマークに替えてください)

++03 これからの公開講座

チェンバロ生演奏と共に聴く音楽講座
『古楽でめぐるヨーロッパの古都』(その3)

【日時と内容】
昨年出版された『古楽でめぐるヨーロッパの古都』をテキストに、著者自身が解説する音楽講座、好評につき第2巡目を開講いたします。一回ずつ完結の講座ですので、ご都合やご興味に合わせてご参加いただけます。(各木曜日・10:30-12:00)
第1回 9/14 第1章 ザンクト・ガレン(スイス)& 第2章 ニコシア(キプロス) 終了
クラシック音楽の始まり
第2回  9/28 第3章  アントウェルペン(ベルギー)
画家ルーベンスが聴いた音
第3回 10/12 第4章  リューベック(ドイツ)
バッハが訪ねた街
第4回 10/26 第5章 セビーリャ(スペイン)
キリスト教とイスラム教の接点
第5回 11/9 番外編  プエブラ(メキシコ)
ヨーロッパと中南米の交流

【会場】タニタ楽器浦和支店北浦和東口センター(JR北浦和駅徒歩4分)
http://www.e-tanita.jp/onkyo/kaijyo/center/higashiguti.html

【参加費】
5回シリーズ受講 12,000円(2名様同時申し込みで1名様10,000円)
1回 2,500円(2名様同時申し込みで1名様2,000円)

【お申込み・お問合せ】 タニタ楽器浦和支店 Tel. 048-831-0910

++04 突撃!バッハの昼ごはん

1745年に出版されたベストセラー『ライプツィヒの料理本』に掲載されたお料理をご紹介します。もしかしてバッハも味わったかもしれない料理のレシピを、ちょっとのぞいてみませんか。

その7 <お米のスープ>
1.お米をゆでてお湯を捨てたのち、牛肉のブイヨンとナツメグを入れて煮る。
2.1.に牛脂かバターを入れて混ぜておく。
3.別の鍋に牛肉のブイヨンを沸かす。
4.卵3個を溶きほぐし、それを沸かしたブイヨンに、静かに慎重に注ぐ。かき混ぜないで、糸の玉のようになるようにそっと注ぐこと。
5.お米を盛り付け、その上に糸の玉状になった卵をスープから引き揚げ、のせる。レモンを絞り、レモンの皮片をちらす。お米の代わりに、ひきわり麦で作ってもよい。
訳注…5.の行程のあと、周りにゆっくりとスープを注いてもよいのではないでしょうか。「かき玉ごはん」ではなく、スープのレシピのはずなので…(笑)

番外編(閲覧注意)肉にうじ虫が湧いているように見せる方法(!)
リュートの弦を細かく切る。それを、肉を調理している鍋に入れ、そのまま沸かす。そうすると弦が膨張し、まるで肉に蛆虫がいっぱい湧いているように見えるが、食べても誰もおなかを壊さない(schadet aber doch niemand)。
訳注…こういう、遊び心(というか、悪戯心?)が当時の食文化の中にあったことには驚きです。リュートの弦はガット(羊の腸)でできていますから、良くゆでれば食べられるのかしら!?
それはさておき、このレシピから一つ重要なことが分かります。それはリュートという楽器が、18世紀半ばには、名前を聞けば「ああ、あれね」と分かる程度に普及していたということ。『ライプツィヒの料理本』は意外にも、当時の音楽実践に関する有益な情報を提供してくれました。

※バッハの生きた時代と音楽についてのエッセイと、バッハ時代の料理のレシピが掲載された同人本を、歴史的料理研究<音食紀行>遠藤雅司氏と共同で執筆中です。完成までしばらくお待ちください。

++05 編集後記

9月に入り各地で台風による深刻な被害もありましたが、みなさま、ご無事にお過ごしでいらっしゃいましたでしょうか。

今年の秋は、少し余裕のあるスケジュールになりました。例年10月に行っている「ドラマチック・バロック!」の公演を、今回は来年1月に行う予定にしているためで、こうした時は自分を肥やすチャンスなのです。ただし、肥えるのは知識や感性だけであってほしいのですが… 
先月のフランス取材旅行の成果を整理したり、冬以降のコンサートや公開講座の準備を進めたりしながら、演奏では新しいレパートリーにも着手。興味のある公演や公開講座にも積極的に足を運びたいと思っています。
世上は何かと騒がしい今日この頃ですが、皆様におかれましても、美しいものを充分に愛でることのできる素敵な季節となりますように、お祈りしております。

今月も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また来月もお元気でお会いいたしましょう。
ご質問・ご意見・ご感想などもお待ちしております。
→ http://form.mag2.com/mouwuuanio

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★発行人:いにしえの宮廷楽師(渡邊温子)
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★発行システム:『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
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