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メルマガ名
映画野郎【無料メルマガ版】
発行周期
ほぼ 週刊
最終発行日
2018年07月13日
 
発行部数
411部
メルマガID
0001536793
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
エンターテイメント > 映画 > その他

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映画野郎【無料メルマガ版】  2018.7.13 vol.588

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

   INDEX

(1) コラム一番星
 ◆『爆言! シネトーク最前線!!』第114回:新作ネタバレトーク!『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』編PART2
 ◆要ゆうじの『コメディ千本ノック』第273本目:『淑女と髯』
(2) ガチンコ!!シネマレビュー
 ■バトル・オブ・ザ・セクシーズ
(3) 映画野郎クロニクル 
 ◆【ガチンコ!!シネマレビュー】■不能犯

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(1) コラム一番星

[※コーナー紹介:各ジャンルのスペシャリストが週替わりもしくは不定期に更新していく、「映画野郎」でしか読めない連載読み物コーナーです!]
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◆『爆言! シネトーク最前線!!』 

[※コラム紹介:映画野郎編集部のメンバーが映画界の時事ネタをテーマに座談会形式で本音トークします! 今回もまだまだ話題作、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』トーク後編です!]


■第114回:新作ネタバレトーク!『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』編PART2

(※編集部注:以下すべてネタバレして語っていますので、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』を未見の方は、見てからお読みください!)

原口一也(以下、原口):そこらへんに絡んで、自分は全体にカップル率の高さってのを感じましたね。ハン・ソロとキーラだけでなく、今言ったランドとドロイドL3-37のカップルとか、あとベケットとすぐ死んじゃったタンディ・ニュートンのヴァルとか。それはディズニーだからってのもあるかもしれないけど。

じょ~い小川(以下、小川):ヴァルはいいキャラなだけにあっけなかったのは勿体なかった。

KANTO:ヴァルというキャラも、今までにない感じ。ブラックスプロイテーションのヒロインみたい。

原口:さっき言われたけど、冒頭からハン・ソロとキーラがけっこうブチュブチュやるのが、キスシーンの大安売りみたいで、ちょっとげんなりした。

小川:キーラとハン・ソロに関してはハッキリ言いますと、『スター・ウォーズ・ストーリー』じゃなくて、『スター・ウォーズ・ラブストーリー』ですよ、あれは。

KANTO:キーラはなんだかセクシー路線を行ってましたね。言動が。

原口:キーラはけっこう重要な役だよね。

KANTO:でも、キーラがいたおかげで楽しめました。それもなかったら本当に1点どまり。

原口:戻したいですが、あとアッサリ描かれていた、「ハン・ソロ」の名前の由来。あれどう? ギャグに使われた感はあるけども。

KANTO:あれはヒドイ。名付け親があの人になってしまう。

原口:役名もない受付のオッサンに「ソロ」ってつけられちゃったっていう。

KANTO:やはり、壮大なコントだったのかな。

小川:あれ、『ゴッドファーザーPART II 』のオマージュかと思った。検閲官に名前をつけられてね。

KANTO:スピンオフだから好きに作れたとか。

原口:まあ、面白エピソードとしてはあまりの意外性で笑えましたが。

小川:そこかい、みたいなね。

KANTO:まあ、40年もスター・ウォーズと付き合って、あれを見せられたら笑えないのは察してください。

原口:はい。で次いいですか? 今回、懐かしのエピソード4での「ケッセル・ランを12パーセクで走った」っていうセリフの源流がわかるエピソードも描かれているんですが。そこらへんはKANTOさんどうだったですかね?

KANTO:あれ、1回目ではよくわからなかった。

小川:あ、KANTOさんでもでしたか。

KANTO:2回目で、ケッセル・ランをショートカットして12パーセクで走ったということがわかりました。

小川:ああいう惑星描写は悪くありませんでしたね。

原口:あそこらへん、自分もネットとかをあたって意味を調べたりしましたね。
「パーセク」の単位をルーカスが勘違いしてセリフにしたんじゃないかって背景とかも知ったりして。

KANTO誰も試さなかったショートカットを成し遂げたってことですね。これはわかれば面白いエピソードだと思います。タコが唐突に出てきてビックリしたけど。

原口:これはかなりマニアックなエピソード取りだったかなと。

KANTO:さらに、脱出ポットを餌にして逃げるとか。ちょっとこの辺りは、面白かったですよ。

原口:で、そろそろ肝心な質問いいっすか?

KANTO:はい。

小川:いきますか。

原口:登場キャラクターのサプライズで、最後の方にダース・モールが唐突に出てくるじゃない、あれどう思った?

小川:あれで混乱した。

KANTO:死んだはずじゃ……っていうのが、最初の印象。

原口:一応読者用に解説しとくと、ダース・モールとはエピソード1の『ファントム・メナス』でオビ=ワンに胴体真っ二つにされて落ちていく奴。死んだと思われていた奴というか。

小川:だから時間軸が????になった。エピソード3と4の間じゃなかったの、って。

原口:そうそう時系列でいうと『ファントム・メナス』で死んだ後の話だから、「まだ生きてる!」的な驚きがあったとは思うんだけども。

KANTO:実は『スター・ウォーズ 反乱者たち』というアニメシリーズの続きとして描かれていたそうです。

原口:あと『クローンウォ-ズ』にも出てくるんじゃなかったっけ?

小川:『クローンウォーズ』に出たダース・モールか。

KANTO:アニメを追っている人から教えてもらって、なるほどと思いました。
しかも、本作が、ハン・ソロ3部作の序章であることも判明。2作目以降は、作るかどうかわかりませんが。

小川:じゃあスター・ウォーズ3の前?

KANTO『スター・ウォーズ』3の後ですよ。つまり、ダース・モールは下半身が機械の体で生き残った。それが、『スター・ウォーズ 反乱者たち』で描かれているわけです。

小川:あのダース・モール、下半身機械なんだ。それは確認します。

KANTO:でも、エピソード4の前にモールは殺される。さて、誰にどこで殺されることになるのか。それはちょっと今言えませんが。

原口:となると、今後のハン・ソロ続編ではダース・モールが重要キャラになってくるということですね?

KANTO:そうです。そのハン・ソロの続編が「ボバ・フェット」なんですよ。
そして、3作目は「オビ=ワン」ということになりますね。

原口:そこが広がってくるわけかー。

小川:あ、3作目がオビ=ワンなのか。

原口:となるとまた、キーラの存在もまた同様に重要になってきそうですな。最後で別れちゃったから、当然再会してのエピソードが期待されるわけだし。

KANTO:本作では、実はそうした続編への伏線がいくつかあって。このまま残り2作が作られなくなると、投げっぱなしになっちゃいます。

小川:そこは残念ですね。

原口:全米でヒットしなかったから、ナシになっちゃうとしたらそれはそれでもったいない。

KANTO:キーラは、ダース・モールの下で動いていた。そこまではわかった。ではその先はどうなるのか。とても知りたいですよね。

原口:自分はこのまま作り続けてくれたらそれは追いかけますよ。

小川:今回はあれでしたが一応追います。

KANTO:ジャバ・ザ・ハット率いる、ハット・カルテルとクリムゾン・ドーンの組織対決も楽しみだったのに。

小川:私からいいですか? 今回の話の中心になるハイパー燃料の元コアクシウム運びだけど、氷の惑星辺りまでは良かったけど、後半扱いが雑じゃなかったかな? ニトログリセリンみたいな物を扱っているのに緊張感がない。

KANTO:緊張感ゼロでしたね。

原口:ああ。あの物質の存在を最後までうけとめきれなかったというか、なんだかよくわからなかった。まあ雑ですね。

KANTO:それも残念ポイントのひとつ。

小川:ああいう物質運びの映画クラシックに『恐怖の報酬』というのがありまして、それを踏襲してほしかった。

原口:わかりますよ。

KANTO:宇宙船が発達しているのに、鉄道で運搬する意味づけがないから肩透かしですよ。

原口:わはは、それ言ったら確かに。でもあの鉄道強盗シーンはけっこう好きですよ。アクションシーンとして前半のポイントにはなるというか。

小川:最後に『カサンドラ・クロス』でね。

KANTO:絵作りとしては、『ワイルド・スピード』を見ているみたいだったので、面白いとは思います。でも、『スター・ウォーズの世界観』では???でしたね。

原口:それは確かに。あと違う視点からいいですか? ドラマ部分だと、ベケットとハン・ソロの師弟関係が、けっこうグッとくるところはあったんじゃないですか?

小川:そこが最大の魅力でしたね。

原口:繰り返し「誰も信用するな」って言うセリフが、後々の裏切りの連続で効いてくる感じがあって。そこらへんは褒めたいところ。

KANTO:まあ、スパイ映画でよくある展開ですが、良かったと思います。

小川:ウディ・ハレルソンに尽きる、今回は。

原口:ウディ・ハレルソンも良かったし、悪役のポール・ベタニーも良かったと思う。今回この2大ベテランがカッコよかった。

小川修司 最初見た時はウディ・ハレルソンがサージェント・スローターに見えた。

原口:それはプロレスネタだからKANTOさんにわからないよ!(笑)

小川:プロレスネタすみません。ポール・ベタニーはロン・ハワードの監督作品では『ダ・ヴィンチ・コード』でも悪役でしたね。

KANTO:マーヴェルの映画だといい人なのに、ロン・ハワード作品だと悪役。最後の決闘シーンが良かったね。ハン・ソロとベケットの。

原口:決闘的な見せ場は、やっぱり西部劇を意識しているのはありますね。

小川:それはありましたね。『許されざる者』風な。

原口:ロン・ハワード的にはそこらへん、60年代的な演出を意識しているってのはあったみたいです。

小川:ウディ・ハレルソンが二丁銃というのも似合っててカッコ良かった。

原口:ああ、あのピストルの回し方とかいいですよね。

KANTO: 西部劇風なのはいいですよ。一匹オオカミなんだから。

小川修司 だから、その辺をもう少しハン・ソロに期待してましたね。まだアウトロー見習いなのかな? この作品では。

KANTO:ちょっと、楽屋落ちの話をしてもいいですか? 2回目に気がついたことを。

小川:どうぞ。

KANTO:ドライデン・ヴォスの部屋に、インディ・ジョーンズの宝がけっこうあって笑いました。

原口:ああ、そうでしたっけ?

小川:へぇ~~。トリビアだ。

KANTO:例えば、チャチャポヤン寺院の黄金像とか、クリスタルスカルとか。色々な偶像みたいなのが飾ってあって、その中でしっかり映ってます。

原口:それ聞くと、また見ないといけないかなという気になってきた。(笑)

KANTO:ボバ・フェットの戦闘服が飾ってあったのは、多分次回作への伏線なのかと。

小川:結構小ネタが多く、細かい。

原口:確かにありましたね。いろいろネタが仕込まれているんですな。

KANTO:小ネタはたくさんあって、それを楽しみにもう一度みたいとは思ってますよ。

原口:で、もうひとついいっすか?
個人的な感じかもしれないけど、俺たちは『ローグ・ワン』を見てるからっていうのもあるけど、キャラクターについて、チューイとランド以外はその後のSWに出てこないわけじゃない。だからベケットとかそのうち死ぬんだろうな……と何となく思いながら見ちゃうってところない? そうしたら案の定、死んじゃうわけだけど。
それである意味どんな死に方をするのかというか、言ってしまえば『ファイナル・デスティネーション』的に楽しんでしまうひねくれた見方もしてしまったりするんだけど、そういうのない?(笑)

KANTO:キーラは途中で死ぬと思っていましたが、違う結果でしたね。次回につづくと。

原口:キーラは可愛いから、残しておいたのはいい判断だと思います。(笑)

小川:そこは割りきりで、そこを同じ『ローグ・ワン』と比べて遥かに物足りなかったですね。そのぐらいないと次回以降楽しめない。(笑)

原口:うん、『ローグ・ワン』のほうがキャラの死に方はドラマチックなものが多かったというのはありますが。

KANTO:いやホント、次回作は絶対つくってほしいですよ。

小川:今回文句を言いましたが不思議と次回作に期待はありますね。

KANTO:ボバ・フェットとハン・ソロの確執を描くチャンスだし。

原口:続編は見たい、確かに! でも日本でもちゃんと興収1位でヒットしているんだからそれはやってもらわないと。……ではそろそろにしますか。

KANTO:お願いします。

小川:ということで今回の『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』編ですが、かつてのハン・ソロというキャラクターに思い入れがあるとちょっと厳しく、雑さや穴が目立つ作品ではありましたが、細かい『スター・ウォーズ』シリーズトリビアを散りばめたマニアックさも見逃してはいけない映画で最後は『スター・ウォーズ』愛で見る映画でしたね。
一部の報道では『スター・ウォーズ』のスピンオフ作品製作凍結の話もありますが、『ハン・ソロ』3部作の続きを是非とも見てみたい期待は高いですね!

(第114回終わり!)

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
・TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー中!
・配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
・公式HP:https://starwars.disney.co.jp/movie/hansolo.html
【スタッフ】
監督:ロン・ハワード/脚本:ジョン・カスダン、ローレンス・カスダン
【キャスト】
オールデン・エアエンライク、ウディ・ハレルソン、エミリア・クラーク、ドナルド・グローヴァー、タンディ・ニュートン、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、ヨーナス・スオタモ、ポール・ベタニー、他
原題:SOLO: A STAR WARS STORY/製作国:アメリカ/製作年:2018年

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◆要ゆうじの『コメディ千本ノック』

[※コラム紹介:脚本家・コメディライターの要ゆうじによる、必見のコメディ映画コラムです! ]


■第273本目:小津安二郎監督が撮ったラブコメディの傑作!─『淑女と髯』

巨匠・小津安二郎の戦前の作品は一般にあまり知られていないが、後年の名作群からは想像もつかないようなナンセンスコメディがけっこうある。その中でも隠れた傑作である『淑女と髯』(1931年)は、冒頭の剣道試合で見せるドタバタギャグからしてマルクス兄弟作品を思わせるテイストがあり、今観ても色あせていない。監督デビューわずか4年目、27歳の時の作品である。

主演は二枚目俳優の岡田時彦。30代の若さで急逝したスターだが、岡田茉利子の父親でもある。本作は昭和初期の映画としては珍しい、非常にモダンなラブコメディだ。特に、「前半では非モテ男だった主人公が、後半にはモテモテになってしまう」という展開はハリウッドのコメディを思わせる。

大学生の岡嶋喜一(岡田時彦)は立派な髯をたくわえたバンカラな男で、剣道の達人でもあり男子学生の間ではヒーロー的存在だった。岡嶋が剣道の試合で優勝した日、友人で男爵家の子息である行本輝雄(月田一郎)から彼の妹・幾子(飯塚敏子)の誕生会に誘われる。行本の屋敷に向かう途中、岡嶋は廣子(川崎弘子)という娘がモダンガール風の不良娘(伊達里子)から恐喝されている現場を目撃。モダンガールをたしなめ、廣子を救うのだった。
そして誕生会。幾子とその友人の令嬢たちがパーティを楽しんでいるが、岡嶋が来ると聞いて「あんな時代遅れの髯っ面、大嫌い!」と次々悪口が飛び出すのだった。そこに岡嶋が到着するが、幾子の意地悪でダンスを強要される。仕方なく剣舞を踊るが、振り回した刀に怯えた令嬢たちは皆帰ってしまった。行本は岡嶋を庇うが、幾子から「岡嶋さんもお帰りになってください」と言われてしまう。
やがて就職時期になり、岡嶋も就職の面接を受けに行くが、どこに行っても不採用。とある会社で以前助けた廣子と再会し、彼女がその会社で働いていることを知る。しかし、その会社でも不採用となった。後日、岡嶋の部屋を訪ねた廣子は「あなたの不採用は髯が原因です。髯さえなければ絶対に合格します」とアドバイス。廣子の言葉に従って髯を剃り落とした岡嶋は、見事有名ホテルに採用されたのだった。行本の屋敷に就職の報告に行くと、見違えた岡嶋を見た幾子の態度がガラリと変わる。
一方、廣子の家では縁談話が持ち上がり、母親(飯田蝶子)からもせっつかれるが、廣子は乗り気ではない様子。そこへ就職のお礼にやってきた岡嶋。さっぱりした男っぷりに廣子の母親も好印象を持つ。岡嶋が帰ると、廣子は「私は岡嶋さんのような方でないと結婚する気になれません」と母親に告白するのだった。行本家でも幾子の見合いがセッティングされるが、こちらもまた乗り気ではなさそうな雰囲気。見合い相手に「あなたは剣道をなさいますか? 私は剣道をされていない方と結婚する気はありません」と言い放つ。
数日後、廣子の母親から彼女jの恋心を聞かされた岡嶋は、自分も廣子を想っているがそんなことを口にするのは失礼だと思っていたと伝える。相思相愛だとわかり、うまくいくように見えたのだったが……。

そもそも主人公が髯を生やしている理由が、男らしさや日本男児としてとかではなく、「尊敬するリンカーン大統領の真似」と「苦手な女性を遠ざけるため」というのがイイ。だからこそ、惚れた廣子からのアドバイスであっさり趣旨替えをしてしまうのだ。

岡嶋の友人である行本は彼の髯を気に入っており、妹から「あんな髯のどこがいいの?」と聞かれて「元来、英雄は髯を好むものだ」と偉人たちの肖像画を見せたりする。さらにお札を取り出して「大蔵省だって髯を奨励してる」というギャグ。それに対し、妹は髭を生やした軍人のイラストが描かれた仁丹を差し出して「これでも飲んで頭を冷やしたら?」と返す。こういう会話のコメディセンス、一瞬小津作品ということを忘れそうになってしまう。

さて、本作のもうひとりのヒロインはモダンガール役の伊達里子だが、ラスト近くでは非常にオイシイ芝居を見せてくれる。本来のヒロインである川崎弘子を完全に食ってしまう存在感に引き込まれてしまった。

『淑女と髯』
DVD発売中! (あの頃映画 松竹DVDコレクション 「東京の合唱/淑女と髯」/発売元:松竹)
監督:小津安二郎/原作・脚色:北村小松
出演:岡田時彦、川崎弘子、飯田蝶子、伊達里子、月田一郎、飯塚敏子、吉川満子、他
※AmazonでDVDをチェック!⇒https://amzn.to/2Ndv4JD

◇要ゆうじ(かなめ・ゆうじ) Facebookプロフィール
⇒https://www.facebook.com/yuji.kaname/about


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(2)  ガチンコ!!シネマレビュー

[※コーナー紹介:熱心に映画館へ足を運ぶ新作好きな映画ファンのため、精鋭レビュアーが気になるその内容をいち早く辛口レビューしまくります!]
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■バトル・オブ・ザ・セクシーズ

《作品データ》
1973年に実際にあったアメリカの女子テニスプレイヤーのビリー・ジーン・キングと男子の元世界王者のボビー・リッグスの性別の壁を越えた世紀の一戦を中心とした社会派&スポーツ映画。ビリー・ジーン・キングは女子テニスのチャンピオンでありながら賞金が男子テニスプレイヤーよりも遥かに少ないことに不満を持ち、女子テニスの協会を設立する。そんなある日、ビリーは男子の元世界チャンピオンのボビーからの挑戦を受けることに。
ビリー・ジーン・キング役にエマ・ストーン、ボビー・リッグス役にスティーブ・カレルが演じ、他アンドレア・ライズブロー、サラ・シルヴァーマン、ビル・プルマン、アラン・カミング、エリザベス・シュー、オースティン・ストウェル、ナタリー・モラレスが出演。監督は『リトル・ミス・サンシャイン』のヴァレリー・ファリスとジョナサン・デイトン。

・7月6日(金)より、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー
・上映時間:122分
・配給:20世紀フォックス映画
【スタッフ】
監督:ヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン/脚本:サイモン・ボーフォイ
【キャスト】
エマ・ストーン、スティーブ・カレル、アンドレア・ライズブロー、サラ・シルヴァーマン、ビル・プルマン、アラン・カミング、エリザベス・シュー、オースティン・ストウェル、ナタリー・モラレス

原題:BATTLE OF THE SEXES/製作国:アメリカ/製作年:2017年
公式HP:http://www.foxmovies-jp.com/battleofthesexes/

《『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』レビュー(レビュアー:じょ~い小川)》

テニスなどテレビのスポーツニュースで錦織圭がどうしたとかジョコビッチに負けたぐらいの興味しかないが、この映画はテニスの世界とかよくしらなくても1970年代の風景やスティーブ・カレルが演じる曲者の元世界王者ボビー・リッグスのキャラなどで飽きない展開にはなっている。

要は男性優位な社会の中での女性の立ち上がり、ウーマン・リブの映画で、エマ・ストーン演じるビリー・ジーン・キングを中心に女子テニスプレイヤーたちの苦闘が描かれている。そのかつかつな生活ぶりにちょっぴり『タクシー・ドライバー』のトラヴィス的なものが時代的にもダブる。

1970年代描写、空気感はよく出ている。女子プレイヤーたちが集うファミレスや泊まる安モーテルの風景やリッグスのオフィスの様子などいかにも70年代の雰囲気がビンビンに感じられる。加えて、スティーブ・カレルが演じるボビー・リッグスもまた強烈なキャラクターの持ち主で、変な格好で試合したり、犬を連れながら試合したりギャグのようなシーンが多く、またこれを『フォックスキャッチャー』でも偏屈なオーナーを演じたスティーブ・カレルと考えるとそのカメレオンぶりに驚く。

対して、エマ・ストーンもおそらく実在のビリー・ジーン・キングにそっくりなんだろうが、メガネのちょっと野暮ったい感じで、いつもの可愛さが影を潜めてる。ある意味実在のキャラになりきってはいて、その地味さが70年代的でもあるが悲劇のヒロインという以外は入り込みにくい。また、全体的に女性目線なのでそこも野郎目線としてはなんとも肩身が狭い思いの映画である。

70年代描写とスティーブ・カレルの良さを見る映画で、上記のことをひとまずそれはそれとして考えればストレートな展開の作品ではある。素直な展開のスポーツ感動映画が好きな人なら一見の価値はある。

評価:★★★
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【評価の星取りの見方→★★★★★:傑作!! ★★★★:秀作 ★★★:佳作。観て損はない。★★:凡作。★:駄作】


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(3)  映画野郎クロニクル

[※コーナー紹介:かつて掲載していた記事やコラムで、今読み返しても面白そうなものをセレクト掲載! 今回は本日Blu-rayとDVDが発売されたばかりの邦画の封切当時に掲載したレビューをお届け!]
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◆【ガチンコ!!シネマレビュー】

■不能犯

《作品データ》
「グランドジャンプ」にて連載中の人気コミック原作の沢尻エリカ、松坂桃李主演による新感覚のSFクライム・サスペンス! 電話ボックスの男に殺人を依頼するとその依頼が遂行されるが、殺す思いが不純だと依頼者に災いが降りかかる。女刑事・多田はこれらの変死事件から「不能犯」の男・宇相を追う
主人公の多田役を沢尻エリカ、「不能犯」の男・宇相を松坂桃李、他新田真剣佑、間宮祥太朗、真野恵里菜、忍成修吾、芦名星、矢田亜希子、安田顕、小林稔侍が出演。監督は白石晃士。

・2018年7月13日(金)、Blu-ray&DVD発売!
※amazonでBlu-ray豪華版をチェック!⇒https://amzn.to/2LcxszT
(2018年2月1日ロードショー【PG12】/配給:ショウゲート)
【スタッフ】
監督・脚本:白石晃士
【キャスト】
松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣佑、間宮祥太朗、テット・ワダ、菅谷哲也、岡崎紗絵、真野恵里菜、忍成修吾、水上剣星、水上京香、今野浩喜、堀田茜、芦名星、矢田亜希子、安田顕、小林稔侍

《『不能犯』レビュー(レビュアー:じょ~い小川)》

設定的に「世にも奇妙な物語」にありがちなエピソードながらニュートラルな気持ちでこの映画を見たが、深夜の30分、40分のテレビドラマならまだしも、いきなり100分以上の長尺での映画作品としてはちょっとキツかった。

冒頭で1つ、以降2、3の小「不能犯」エピソードを見せつつ、女刑事・多田と「不能犯」の男・宇相のやり取りがだいたいの軸。細々としたエピソードはそれなりに悪くないし、松坂桃李が演じる宇相のキャラも立っている。

が、女刑事・多田に沢尻エリカというキャストは流石に無理があった。頑張ってアクションをやってはいるが、その頑張りぶりが浮いて見えるぐらい似合わない。走る沢尻エリカが似合わなく、なんともおかしい。彼女の身体能力の問題か、見せ方・演出の問題かとにかく格好悪い。加えて「不能犯」による殺人描写のCGが粗い。これらのため、軸になる宇相と多田のやり取りが面白くない。

加えて、終盤に爆弾を使ったエピソードがあるが、この爆弾の取り扱いや対処がまるでなってない。警察が絡んでるなら絶対にあり得ない措置で、見た目はパニックに見えるが、まだ消防法がしっかりしていない昭和のような光景が繰り広げられている。クオリティの低さのとどめ、いかに残念な作りかが分かる。

はっきり言って「不能犯」の男の設定と沢尻エリカと松坂桃李のアイドル映画。冒頭でも書いたが深夜の40~50分なら許せるが映画だと許せないというレベル。「トリック」みたいにテレビドラマで慣らしたらまた違ったかもしれない。 今、公開している某米アカデミー賞候補作品と比べると雲泥の差を味わえるがお金と時間に余裕がある人だけでいいかな。

評価:★


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■編集後記

先週起こった西日本の豪雨災害、報道によるとなんと200人以上の死者が出ているということで、衝撃を受けております。雨でそんなに人が亡くなるとは。災害に遭った地域の方は映画どころではないとは思いますが、亡くなった方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方の1日も早い日常への復帰を祈っております。
さて7月に入ってもう2週間近くなりますが、2018年も半分が終わったということで思い立って、ぱっと今年上半期に見た映画振り返っておきます。新作劇場公開作のみで面白かった映画の上半期ベスト10。それなりに「映画野郎的」な視点で選んでいるつもりなので、何らかの参考になれば幸い。
【原口の2018年映画上半期ベスト10】
1位:犯罪都市
2位:カメラを止めるな!
3位:悪女/AKUJO【R15+】
4位:デッドプール2【R15+】
5位:スリー・ビルボード
6位:キングスマン:ゴールデン・サークル【PG12】
7位:ミスミソウ【R15+】
8位:万引き家族【PG12】
9位:タクシー運転手 ~約束は海を越えて~
10位:アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル【PG12】
次点:聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア【PG12】
『カメラを止めるな!』のあのアイデアも良かったし、『悪女』のどうやって撮影したかわからないアクションも最高で上位は迷ったんですが、やっぱり『犯罪都市』が、マ・ドンソクのキャラほかあらゆる面で最高だったかなと。あまり話題にならず、ムーブオーバーもしなかったのが残念。
『カメラを止めるな!』はネットで口コミが広がって公開規模がどんどん拡大されているのに、バイオレンス系ってなかなか話題広がりにくいなあ……とつくづく思う。好き嫌い激しいジャンルだし、暴力描写って嫌悪する人多いから、面白くても広く勧めるのを遠慮しちゃう人も多いのだろうけども。『犯罪都市』は10月にDVDが出るようなので、見逃した方はそれで見てください!
次点以下ですが、きょうだい関係の緊迫感が見モノな吉田恵輔監督の『犬猿』、あと笑いどころが意外に多い福田雄一監督の『50回目のファーストキス』も面白かったです。上位の作品は年始に発表する映画野郎の年間ベストテンにも絡んでくるかと思いますが、どうしても最近見たものが印象強くて、年頭に見たものは印象薄れてきちゃいますねえ。
また最近、今更ながらロングランで話題の『バーフバリ 王の凱旋<完全版>』も見てますが、確かに面白かったもののそこまでハマらず。演出のクドさとか、役者の演技のオーバーぶりとか超ハイテンションで、ハマる人の気持ちもわからんではないですが、けっこう真面目でソツのない作りだったかなと。インド映画はやっぱり『ムトゥ 踊るマハラジャ』みたいにツッコミどころ満載なコメディ寄りのものが好きなので。採点は★★★★くらい。ということで、下半期も面白い映画に出会えるといいな。(原口一也)

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