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【書評】35歳まで「やりたいこと」はやるな、得意なことを仕事にしろ

今回の「3分間書評」で取り上げるのは、飛ぶ鳥を落とす勢いのモブキャスト社長・藪考樹さんが著した1冊。メルマガ『毎日3分読書革命! 土井英司のビジネスブックマラソン』の著者が「起業家はぜひ読んでおきたい」とおススメする、その内容とは?

バカの知恵』 藪考樹・著 プレジデント社

こんにちは、土井英司です。

以前、とある大御所経営者から、こんなアドバイスを頂きました。

「土井さん、事業というのは『』の要素がなくてはいけないよ」

「伸」というのは、もちろん「伸びる」という意味。つまり、どの事業で勝負するか考えた時、そこには何らかの伸びる要素がなければならないというのです。

確かに、アマゾンのジェフ・ベゾスはインターネットの可能性に賭けたわけですし、スティーブ・ジョブズもスマートフォンとそのネットワークに勝機を見出しました。やはり「」を見極めることは、ビジネス成功の鍵なのでしょう。

では、どうすれば伸びている事業を知ることができるのか?

それには、伸びている事業の経営者が書いた本を読むのが近道です。

そこでご紹介したいのが、モバイルコンテンツビジネスを手掛けるモブキャスト社長藪考樹さんが書いた「バカの知恵」。42歳にして2度の上場を経験した著者が、起業で成功するために必要な考え方を、エピソードを交えながら紹介した1冊です。著者自身の体験が色濃く出ている本で、その分だけ具体的に学べるのが特長です。さっそく、気になるポイントを見て行きましょう。

「バカ」であっても、あっちこっちに流されずに、目的地にたどり着けるようにやり方を工夫しなければならない。明確な目標を立てて、それを常に見失わないように努力する、というのが、そのひとつの方法だ

僕は有名になろうと思ったり、自分を売ろうなんてことは少しも考えていない。僕はあくまでも会社の経営者だ。経営に結びつくこと以外を頑張っても、それが会社のためになるはずもない

いろいろな会社とお付き合いをしていると、「え、なんで?」と思うことが僕にはよくある。名誉欲に駆られている経営者を見てもそう思うし、「会社の経費だから」と言ってムダなお金を使う人もそうだ。お金が出ていくだけの話なのに、まるで魔法か何かのように勘違いしていたりする。お金だけじゃない。人に対しての取り扱いも間違えている会社は多い。自分の親しい友達とか、一緒に暮らしている人にだったら絶対に言わないようなことを、部下に対してぶつけていたりする

「楽して生きるのがいちばん」「欲を失ってはならない」「運を自ら手にする」。その3つの掟を自分に課して生きようと決めた

当時読んでいた本にこんなことが書いてあった。「仕事には『時間を売る仕事』『体を売る仕事』『頭を売る仕事』の3つしかない」

やりたいことをやって人生を終えるためには、人生の前半戦で億万長者になっておかなければいけないというのが僕の考え方だ。もしも35歳までに、「やりたいこと」をやっていたら、後で絶対に苦労する。「やりたいこと」ではなく「得意なこと」を仕事にすることが、目標達成のために必要なのだと僕は考えた

「伸びる業界で仕事をしないとダメだ」。サーフィンをするときに、小さな波しか来ない海岸に通ってもしかたない。大波が来てこそ、大技だって決められる

全力投球とは別の何かを捨てること

起業しようという人は、できるだけ早い段階で、自分がどんなタイプの「バカ」なのか気づいたほうがいい。そうすれば、自分が「バカ」のままでいないために、何をすればいいかが明確になる

変なことをしようとしたときに「そっちじゃないよ!」って気づかせてくれる目覚まし時計をちゃんとセットしておかなければならない

いくらリクルーティング目的で書かれた本とはいえ、後半はちょっと自社の宣伝が過ぎたかもしれません。

もうちょっと起業家へのアドバイスを増やしてくれたら、もっと良い本になったのに、とちょっぴり残念です。

ただし、お金の使い方、人の使い方、立ち止まって自分を戒める方法に関しては、とても勉強になりました。

起業家は、ぜひ読んでおきたい1冊です。

image by: モブキャスト

 

毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン
著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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