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「ボーナスもらったらすぐ辞めます」とか言う奴には減額してもいい

社会人の大半が楽しみにしている賞与。賞与支給にありがちな5つの問題とその解決法を、社会保険労務士の飯田弘和さんが配信する無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』で紹介しています。

御社の就業規則には、賞与の定めがありますか?

賞与(ボーナス)は、支給してもしなくても、法律上、なんの問題もありません。

ですから、「賞与(ボーナス)なし」でも、構いません。その場合は、就業規則に定める必要もありません。

ただし、もし賞与(ボーナス)を支給するのであれば、就業規則に定めておくことが必要です。

ボーナス支給に関して、問題となる事柄をいくつか挙げます。

1.ボーナス支給日に在籍していない者へも、支給しなければならないのか?

2.ボーナス支給後すぐに辞めてしまう者へも、支給しなければならないのか?

3.業績不振でも、支給しなければならないのか?

4.懲戒処分を受けた者へも、支給しなければならないのか?

5.算定対象期間中の一部に、「休業」や「休職」がある者へも、支給しなければならないのか?

このような問題に対処するためには、就業規則に明確に定めておくことが必要です。

1についての対応
規定例:賞与は、支給日に在籍する労働者に対して支給する。

2についての対応
規定例:支給日から1ヶ月以内に退職を予定する者については、その額を減額して支給することがある。

3についての対応
規定例:会社の業績不振その他やむを得ない事情により、支給時期を延期し、又は支給しないことがある。

4についての対応
規定例:懲戒処分を受けた者については、その額を減額して支給することがある。

5についての対応
規定例:算定対象期間中の一部に、「休業」や「休職」がある場合、「休業」または「休職」日数分を減額して支給する。

ここで、気をつけていただきたいのが、「産前産後休業」や「育児休業」、「介護休業」を取った者に対して、休業日数分以上の減額措置を行うと、「不利益取扱い」を行ったと判断されます。これは、均等法上の違法行為です。

また、「所定労働時間の短縮措置」の適用を受けた者の賞与は、その短縮割合に応じたぶんしか減額することができません。それ以上の減額は、「不利益取扱い」として、均等法違反となります。

均等法違反の行為は、労働局雇用均等室からの指導を受けたり、損害賠償請求の裁判を提起されることがあります。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社の就業規則には、賞与の定めがありますか?」

image by: Shutterstock

 

採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ

ぜひ、この場を通じて御社の就業規則をチェックしていただき、問題が生じそうな箇所は見直していただきたいと思います。現役社会保険労務士である私が、そのお手伝いをいたします。

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