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1つのアイデアがポーンと出ただけでは発想力がない。むしろ2つ目が肝

ビジネスのカギとなる、発想力。代替案を求められて瞬時に出せる自信はありますか? とっさのときの発想がビジネスにおいても重要です。無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さんが、発想力を高めるためにおさえたおきたいポイントについて紹介しています。

発想力は2つ目から

 発想力で大事なのは、2つ目からです。

「発想力が高い」というのは、「これだ」と思うアイデアがポーンと素早く出てくる、とイメージしている人が多いですよね。

でも、「これだ」というアイデアは、大抵誰にでもポーンと出てくるものなのです。だから、1つだけアイデアがポーンと出てきても、それは決して発想力が高いわけではなく、みんなと同じ発想力のレベルです。

発想力が問われるのは、2つ目からです。

というのは、発想力というのは、「代替案が必要な時」「失敗した時」「困った時」「どうしようもない時」など、答えに行き詰まった時に必要になるものだからです。

1つだけアイデアが出てくるというのは、あくまでも「普通の答え」でしかありません。それは「ひっかけクイズ」のようなもので、最初の答えは、ひっかけと同じなのです。

大抵みんなはこう答えるよね、というものが「最初にポーンと出てくるアイデア」であって、頭を働かせるのはそこからと言えます。そこから頭が働かない人は、1つ目にすぐポーンと引っかかってしまう、むしろ「発想力のない人」であるケースが多いのです。

例えば、異性とデートをすることになり、「こういうお店だったら、喜んでくれるだろうな」という候補は、1つはすぐに挙がります。自分がよく使っているお店だったり、以前に誰かから教わった店だったりして、すぐに頭の中に出てきます。

ところが、その日はそのお店は満席だったとか、彼女はその食材が食べられなかったとか、いざそのアイデアが使えなくなった時に、「じゃあ、どうする?」というのが発想力です。「このお店がダメなら、もう分かんないよ~」ということになると、発想力はゼロです。

最初にサッと「このお店を知ってんだよね」「このお店がすぐに思い浮かぶんだよね」なんていう素振りを見せたところで、全く大したことがないということが分かります。

「これがダメなら、じゃあこれ」
「こっちが無理なら、こういうのはどうか」
「これができないなら、こういうのもいいよね」

と、次々に劣らぬ代替案が出てくる、というのが、本当に「発想力が高い」人です。

コンサルタントを自称する人たちに相談すると、「ああ、こうすればいいですよ」と教えてくれる人は、すごくたくさんいます。でも「他には?」と尋ねてみると全く出てこなくて、「いや、これしかないんだ。こうするべきなんだ!」とその答えに凝り固まっているコンサルタントが、かなり多いんですね。

それは発想力のない証拠で、セオリー通りの答えしか持ち合わせていないのです。

そういう1つの答えをズバリ出せるのがコンサルタントという職業だと思いがちですが、全く違います。ビジネスの市況や環境は目まぐるしく変わるのだから、臨機応変にどんどん代替案が張り巡らせられる、というのが本当のコンサルタントであるべきです。

発想力のないコンサルタントなんて、マニュアルを読んでいるのと同じことであって、人間である必要性が全くないんですね。

だから、発想力を高めたいと思ったら、積極的に「2つ以上のアイデアを考える」ことです。「これだ!」というアイデアがひらめいても、そこまでは誰でもできるんだと考えて、その他のアイデアも必ず用意しておく。

そういう、常に複数のアイデアを出す鍛錬を積み重ねておくことで、いざトラブルが起きた時に、「こういう方法もある。それもダメならこういう方法もある」と、次々に解決策が出てくるようになるのです。

 

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・会議や提案書など、アイデアを出す必要がある場面は社内にどれだけあるか。ノートに列挙する。
・それぞれに、「必ず代替案も考えておく」ルールを作るとしたら、どんな工夫や取り決めが必要か。その簡単な案をノートにまとめる。

image by: Shutterstock

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