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損得勘定ばかり気にする人は何故すべてにおいて結局は損するのか

皆さんのまわりに、「あなたとおつきあいすると得になる」などと言いながら近づいてくる方、いませんか? こんな言葉を口にする人からの仕事はすべて断ってきた、というのは無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さん。そこには一体どんな理由があるのでしょうか。

損得だけで判断しない基準を

これまでに地域も業界も規模も問わずさまざまな経営者、起業家にお会いさせていただきました。で、お会いしてきた中で、たまにこんなことをいわれることも。

「中久保さんとおつきあいすると得になると思うんです」

こうしたことを言われてもなんて返事したらいいのか正直わかりません。得とは一体、何をもって得と指すのか? がわからないからです。しかし、こうした人達のご相談の依頼を受けて仕事を進めていくうちに段々「得」がなんなのかがわかってきました。

たとえば、

  • 広告の構成からコピーまで作成してもらえる
  • 業界、地域のキーマンとの交渉に付き合ってもらえる
  • 事業計画を一緒に策定してもらえる
  • 人を紹介してもらえる
  • 事業目標を立ててもらえる
  • 人材育成をしてもらえる

つまり「~もらえる」で判断されていて、「何かをやってもらえる」が得だと思っていたようです。逆にいえば、何もやってくれないのだったら」ということです。こういうことがわかるようになってから、代わりに「何かをする」というのは私の仕事ではないので全てお断りしてきました。

自分にとって損か得かという損得勘定だけで物事の判断をしてしまうと表面的且つ目先なところでしか物事が見えず物事の本質を捉えることが出来ません

たとえば、みんながいいと言っているから自分も買う。みんながいいと言っているから自分も利用する。こういうタイプは表面や目先でしか物事を判断できないので、買い物に失敗すると「あ~損した。」となります。

そして、今度からは損をしないように損をしないように…と、だんだん過度な慎重を重ね、思考・発想・視野の幅を狭めたり行動力を低下させたりしていくのです。

自分にとっていいものはいい。周りの意見などどうでもいい。

損得勘定抜きでの価値判断がなければ物事の本質を捉えることはできませんし、必要なことに対してお金を払うときも消費感覚でしかいられません。損をしないように、元を取らないと…なんて考えているようでは、成長や発展など期待できないということです。

たとえば、広告、教育、備品などの経費を支払うとき、いかに損をしないようにするか? ばかり気になったりするといわゆる生き金になりませんから費用対効果も期待できませんし、自社、自己の都合ばかりなので、仕事を他社に依頼しても納期が遅れたり、クオリティが低かったりという問題が起きたりします。またそれが原因で取引先との溝ができることもあります。

そして、何より自分自身がどんどんとちっぽけで器の小さな人間になります。

必要なお金を使う時、あるいは仕事を発注するときは、「このお金を支払う機会を得ただけでも十分価値がある」なんて風に、ドンと構えておきたいものです。それくらいのほうが、発注先の相手も気持ちよく仕事をしてくれるしクオリティが下がることもありません。納期に遅れることもありません。よって、取引先とも良好な関係が継続して互いに成長していくことが出来ます。さらには、自分自身の視野や思考の幅を狭めないことや、行動力の低下を防ぐことにも繋がってきます。つまり、両者(両社)にとって、とてもプラスなのです。

いうなれば、お金を支払うという行為や仕事を発注したり依頼するという行為は、相手との関係をより深めたり、互いに成長していく為のコミュニケーションの一つであると同時に、自分自身の行動力低下を防ぎ思考視野の幅を拡げるきっかけでもあるのです。そして、これは損得勘定では、決して得ることのできない貴重な機会なのです。

発注、依頼、支払い時には特に損得勘定にならないよう十分気をつけましょう。値切ることばかり考えるのはやめましょう。

■今日のまとめ

『損得勘定抜きで価値判断する。』

  • 損得抜きで考え行動するために必要な価値判断を確立するには日頃からどのような意識や注意が必要か?考えノートに書く。
  • 協力会社や発注先に気持ちよく仕事をしてもらうために出来ることはなにか?考えノートにまとめる。
  • 上記2点を実践する。
 image by: Shutterstock
 
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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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