松下電器を一代で築き上げ、経営の神様として知られる松下幸之助氏。その逸話は至る所で語られていますが、今回、無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』で紹介されているエピソードは、初心を忘れがちな社会人の目を覚まさせてくれるようなものと言えそうです。まさか、こんなことまでしていたなんて…と目からウロコの「行動」もありますよ。
商品を抱いて寝る
松下幸之助翁のエピソードは、それこそありとあらゆるところで語られていますので、いまさらここで紹介するほどではないかもしれません。
それでも、これはご紹介したいなと思うのが、私自身が仕事をする上で心がけていることにつながるエピソードです。
それは、新製品の企画会議で、企画担当の役員が、「この商品はこういうところが新しく、ここにこんな機能があって、これで今まで以上に作業が捗ります」といった感じで、新機能や性能の高さをあれこれ説明していると、一言「それでお客さんはどんだけ喜ばはるんや?」と質問されたということです。
どれだけ新機能を詰め込もうが、どれだけ性能を向上させようが、買ってくれるお客さんが喜ばないものは松下幸之助翁にとっては魅力のある企画とは思えないということです。
どれだけお客さんが喜んでくれるんや?
この一言はシンプルですがつい忘れがちです。「これだけサービスしているんだから、工夫しているんだから喜べ」という傲慢さが提供側ににじみ出るようではいけないわけです。
また、もうひとつ。新製品のテストモデルを松下幸之助翁は、文字どおり「抱いて寝た」そうです。それぐらいに愛着が持てるかどうか。そういう製品なら間違いなく売れる。それだけの愛着が湧かないような製品は売ろうとしても受け入れてもらえない、という話です。
自分たちがこよなく大切に思えるというモノを作ってこそ、お客さんにも喜んでもらえる。
うなるしかありません。モノだけでなくサービスでも同じですね。サービスは抱いて寝るわけにはいきませんが、それでも、それぐらいの愛着がもてるサービスとなっているか。
そういう思いで日々の仕事に向き合ってみると、至らないところの発見につながり、もちろんサービス向上にもつながります。