遅くまでの残業など当たり前、「時間が足りない」が日々の口グセに、などという状況に陥っていませんか? 無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、そういう人間に限って本当に重要な仕事を「後回し」にするクセがあり、さらには重要なことに気付かず「ほったらかし」にしていることも多いと指摘し、ひとつの仕事を他の仕事と関連付けながら「効率的に仕事を片付けるコツ」を明かしています。
仕事を後回しにしないための処方箋
日々仕事をしていると、こんな思いをしたことありませんか?
「あの時にやっておくんだった」
「なぜあの時、すぐに取り組んでおかなかったんだ!」
「どうして、お客様にあの時、伝えなかったんだ!」
なんて後悔。なんの自慢にもなりませんが、私もそういったこと、多々ありました。今でこそ、その回数は激減してきましたが、それでもまだまだあります。こんなことでは、当然、モチベーションも下がるし、仕事の質だって落ちます。
では、そんなことにならないようには、どんな風に仕事に取り組めば良いでしょうか? 工夫の1つとして「その仕事をやらなかったことによる損失どれくらいか?」を明確にします。例えば…
- もし、この立てた戦略をスケジュール通りに実践しなかったら、売上がいくら減少するのか?
- もし、今日、抱えている課題に対する施策を考える時間を作ることができなかったら、来月にどれほど影響してしまうか?
などと、具体的に数字を交えて、その損失をノートに書き出していきます。そして、その数字が大きいものほど影響することが大きい、ということが分かりますから、優先順位にして影響の大きなものから取り組むようにしていきます。こうして、自分自身で危機感を募り、仕事を管理していくわけです。
すると、どうなるか?「仕事を後回しする」ということがなくなります(厳密に言えば、後回しではなく優先順位によるタスク管理です)。そして、1つ1つの仕事に対する実行力が加速します。また、責任感も一層強まってきます。さらに、時間の使い方が段々と上手くなっていきます。
よく、1日「30時間欲しい」とか「時間がいくらあっても足りない」という人を見かけますが、このような人は、目の前の課題で手一杯。「とりあえずこれが片付いてから…」などと言っては、後回しのクセがついてる人が多いようです。そして、目の前の仕事をいつまで経ってもクリアできなかったり、対応に追われるばかりで、実は優先しなければならない重要なことは他にあるのに、それすら気づかぬままでほったらかしにしてしまっている人なんかもいます。
当たり前ですが、1日は24時間しかありません。時間は何を於いても最も貴重なものです。ですので、時間の使い方を間違ってしまうとどれだけの損失になるか? 一度見つめなおし、具体的に数字を交えて明確にしましょう。
この先「あの時やっとけば良かった!」なんて後悔しない為にも…、と、言葉にすれば簡単そうに思えますが、日々仕事をしているとせっかく立てたスケジュール通り、事が進まないことも多々ありますよね。たとえば、予期せぬ急用によって、邪魔をされてしまう。お客様からの急な呼び出しや上司からの思いも寄らない指示、クレーム対応などなど。せっかく、1日のスケジュールを立てたのにも関わらず、このようなイレギュラーな要素が、1日のうちにいくつも含まれてきます。
では、このような状況さえも回避して、スケジュール通りに行く方法はないだろうか? ってことになってきますが…、それは決して難しいことではありません。緊急な対応をしなくてはならない仕事が、スケジュール(取り組まなかった場合の損失の大きい順)の中にある項目の中で最も関連性が強いと感じるもの、あるいは、関連付けできる項目の中に組み込んでしまうのです。
例えば…、顧客に送るDMの文章を考えることがその日の最優先事項だったとします。ところが、お客様からのクレームが入り、直接お客様に謝りに行かなければなりません。当然、お客様のところに出向きます。そこで…、謝罪したあとにクレームに対するお礼を言います。クレームを頂いたことにより改善すべき点がクリアになったというお礼です。そして、そのエピソードをDMに活用します。
「先日、○○のようなクレームを頂きました。そのおかげで、○○の部分を改善することが出来ました。ですので、お客様にはご安心してご利用頂けます。私どもは、お客様から喜びの声だけでなく、お客様の目線で厳しいお声を頂き、商品開発、サービスの改善に役立てております」
と、このように緊急の対応もその日にしなくてはならない事に関連付けることで、一層、その仕事に厚みが増す場合があります。もちろん全てが当てはまる、なんてことはないでしょうが、関連付けてみると意外とその日の仕事が上手く行く、ということもあるのです。臨機応変を地でやっていきましょう。
■今日のまとめ
『仕事を後回しにするとどんな損失になるか?明確にする。』
- その仕事をその日にしなかった時の損失を数字など入れて具体的に書き出す。
- 書き出したことの中で、危機感の大きいものから順に優先事項として取り組む。
- 急用が入った場合に備えて、優先項目に関連付けるという意識を持つようにするにはどんな工夫をしておけば良いか?考えておく。
- 忙しいは言い訳に過ぎない。臨機応変を心がける。
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