大なり小なり失敗やミスを犯してしまったこと、誰にでもありますよね。しかしビジネスの現場においては、きちんと謝罪をしたにもかかわらず信用・信頼をなくしてしまうこともままあるものです。では、どうすればそのような事態を避けられるのでしょうか。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、「誠意のある謝罪に必ず付け加えなければならない、信用を落とさぬために伝えるべきこと」を紹介しています。
失敗やミスをしてしまったら…
誰にだって失敗やミスはあります。ですが、同じような失敗やミスを何度も繰り返すのはよくないということをみんな認識しています。たとえ小さな失敗やミスであっても、信用や信頼といった商売・ビジネスにとって最も重要なものを失くしてしまう恐れがありますから。
以前こんなことがありました。ある会社に仕事を依頼したときのことです。仕事をしてもらうには、先払いが必要ということで、先に決済を済ませたところ、数日後、突然メールで「決済の確認が取れていません」という内容のメールが届いたのです。慌てて、再度確認してもらったら、先方のミスだということが判明しました。
すぐに平謝りのメールを頂きました。レスポンスも早かったですし、謝罪文からも先方の誠意は伝わってきました。めでたし、めでたし…と言いたいところですが、「同じミスを再度犯してしまうかも?」という可能性が拭いきれているものではありませんでした。
このような不安を顧客(私)に思われてしまうということは、完全にその顧客(私)から信用や信頼を回復しているとはいえません。また仕事を依頼するか? と言われれば「?」です。
どういうことかというと、言葉で、誠意は伝わるものの、今後このような問題が起きないようにするための施策が一切表記されていないからです。つまり、謝罪の気持ちや反省しているということ、相手へ誠意を言葉で伝えるだけでは、お客さんは安心できないのです。反省の態度や誠意ある言葉と、信頼や信用の問題は別なのです。
一度失敗やミスを犯してしまい、そのことでお客様へ迷惑をかけてしまえば謝罪する、ということは誰にでもすぐに出来ることです。ですが、商売やビジネスをしていくうえでそれだけでは不十分。謝罪だけでなく、今後同じようなミスや失敗をしないために、起きた問題の原因はどこにあったか? を明確にし、さらに、原因を取り除くためにどの点を改善する必要があり、それに対してどう取り組んでいくのか? を迅速に示すことが重要なことなのです。
だからといって、「今後このようなことが起きないようにするために十分に注意します」ではダメです。「今後このようなことが起きないようにするためにいついつまでにこの部分を改善し、実施します。実施に当たっては、チェック部門を1名から2名に増員しダブルチェックによる強化を行うことで…(以下省略)」といったように行動を具体的且つ明確に示すことが必要なのです。
逆に言えば、迅速にこうした対応ができる会社やお店はたとえ失敗やミスをしたとしても、顧客サービスへの意識が低いというわけではないので、信用や信頼を即座に失墜させるということはありません。
失敗やミスを犯したら、反省は誰でもしますし、凹みます。そして、そのことによって顧客や周りの仲間に迷惑をかけてしまったなら、誠意ある謝罪だけでなく迅速に次の行動を示すようにしましょう。
御社では同じような失敗やミスを繰り返さないために普段からどのような取り組みをされていますか? また、失敗やミスのあと、それを繰り返さないための施策をきちんと情報発信できていますか?
■今日のまとめ
『失敗やミスをした後の行動を示す。』
- 失敗やミスをしてしまったときの対応についてどのような取り組みができるか?社内で話し合う。
- 話し合ったことをまとめ、失敗やミスをしてしまったときの手順書を作成する。
- 社内で手順書を遵守するための工夫や施策を講じ、徹底する。
- 定期的に手順書そのものの見直し、改善を行う。
image by: Shutterstock.com