感じの良い表情や声のトーンを心がけお客様に「提案」をしているのに、どうしても購入に繋がらない。そんな方は、大切なワンステップを忘れているのかもしれません。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者・坂本りゅういちさんは、提案の前にまず相手の要望を聞き出す「質問」をすることが大切だと記しています。
提案する前にやらなければいけないこと
仕事上、いろんな販売員の方と出会い、接客を見たり、受けたりする機会があります。その中で、一番改善を求める機会が多いのが「第一印象」と「提案」です。
「第一印象」は、すぐに皆理解してくれます。表情や、声のトーンなど、お客様に最初に接する(見られる)部分の話ですね。どんな表情や声のトーンがいいのかは、誰もが良くわかっているのです。
しかし、「提案」の部分では、苦戦する人が少なくありません。なぜかというと、「提案」をすることが大事だと思っている人が多いからです。
いや、もちろん提案をすることはとても大事なことなんです。お客様に、いかに商品やブランドの魅力を知ってもらえるかは、提案力にかかっています。
ですが、それに囚われすぎて、提案する前に必ずやらなければいけないことを忘れている人があまりにも多いのです。それこそが、「質問」です。
そもそも提案は、相手が求めていることを知らなければ、やりようがありません。これは販売に限った話ではなく、どんな仕事でも同じことのはずです。まったく見当違いの提案をされても、時間の無駄でしかありません。
例えば、アパレルショップに入ってきたお客様だからと言って、全員が全員、洋服を買いに来ているわけではありません。中にはバッグを買いに来た人もいれば、サンダルが欲しい人も来るわけです。そんなお客様たちに、いくら洋服の提案をしても、響くわけがありませんよね。
お医者さんで考えると、すごくわかりやすくなります。
「症状は何ですか?」
「どこが気になりますか?」
と、確認することなくいきなり処置をするお医者さんなんてありえませんよね。そんなことをしていると、間違った処置をしてしまって取り返しのつかないことになる可能性すらあります。まず最初は、今の状態を知ることから始めなければ、処置のしようなんてないのです。だから、最初に「質問」が必要です。
お医者さんの場合なら、見た状態である程度判断できることもあるかもしれません。しかし、販売では違います。パッと見ただけで、「この人が何を考えて何を求めているか」まではわかりません。それらを知るためにも、質問を繰り返して、要望を引き出すことが何よりも先決なんです。
そうして、出てきた要望に対して的確な提案、お医者さんで言うなら、的確な処置をすることで、相手は満足します。
相手がいる仕事なら、どんな仕事でも、まず最初は聞き出すことです。そこからようやく、こちらの提案を始めることができます。
今日のおさらいです。
- 提案する前には、必ず相手の求めることを確認する。
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