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1本7万円から! 人気の眼鏡「フォーナインズ」が安売りしない理由

眼鏡を愛用する人にとって、何より優先させたいのはそのかけ心地の良さ。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で著者の青山烈士さんが紹介するのは、格安眼鏡店が話題となる中、高値ではあるものの「最高のつけ心地」にこだわり多くのファンを獲得している眼鏡ブランドを展開する企業です。同社が決して割引せず定価販売にこだわる理由とは?

何を追求するのか

日本を代表する眼鏡ブランドを展開している企業を分析します。

フォーナインズ(眼鏡の製造・販売) 

戦略ショートストーリー

実用性を重視する方をターゲットに、「最高の着け心地を実現することを追求する企業姿勢」に支えられた「掛けていてここちよい」などの強みで差別化しています。

こだわりを持ったブランドであることを雑誌掲載などにより伝えることで、来店を促し、店舗で純国産フレームの品質を体感してもらうことで、ファンを増やしています。

分析のポイント

何を追求するのか

フォーナインズのHPより引用↓

999.9(フォーナインズ)のブランド名は純金の品質表示に由来します。純金のインゴットに刻まれた999.9という数値には最高純度の品質という意味があります。私たちフォーナインズも常に眼鏡フレームとして最高純度の品質を追い求め、限りなく1000に近づく努力を日々繰り返していこうと考えています。

フォーナインズは、1995年の創業ですから、20年以上にわたって、最高純度の品質を追い求めていることになります。

この品質を追求する姿勢が、魅力的な商品を生み出し、魅力的な商品を生み出し続けることでブランド構築につながり、ファンが増えることにもつながっているわけです。

追求してきた品質(積み重ねてきた品質)は他社にとっては簡単に追いつけないことも意味しています。

今回のポイントであり、戦略上、重要となるのが、この「何を追求するのか」ということです。

戦略には、方向性として、大きく3つが考えられます。

これらのすべてを同時に追求することはできません。もし、三つを同時に実現しようとすれば中途半端にしか追求できない、つまり、差別化できないでしょう。

前回、「お得意様ばかり『えこひいき』でも、街の電気屋さんが儲かるワケ」でご紹介した「でんかのヤマグチ」は「顧客密着」を追求していますが、「安さ商品の品質や品揃えは追求していなかったですよね。だからこそ、激しい競争の中で、差別化を実現できているわけです。

もちろん、「顧客密着」を追求しているからといって、「商品の品質」を全く気にしないわけではありません。あくまでも、優先順位として何が先にくるかということです。

追求することが明確であればあるほど、社内のメンバーが迷わなくて済みますので、力を発揮しやすくなります。何を追求するのかが、明確でないとあれもこれも手を出してしまい、力が分散されてしまいますからね。

今回のフォーナインズの事例からは改めて、戦略の重要性を感じました。今後も、日本を代表する眼鏡ブランドとして、品質を追求し続けるフォーナインズに期待しています。

◆戦略分析

■戦場・競合

■強み

1.掛けていてここちよい

2.壊れにくい、錆びにくい

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

最高の着け心地を実現することを追求する企業姿勢と独自の技術・部品」

上記のような企業姿勢と独自の技術・部品が強みを支えています。

■顧客ターゲット

◆戦術分析

■売り物

純国産の眼鏡フレーム」

■売り値

■売り方

こだわりを持ったブランドであることを認識させることに注力」

■売り場

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: 「フォーナインズ」公式ホームページ

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【著者】 青山烈士 【発行周期】 ほぼ 週刊

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