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桃を食べたら喉がカユい。果物アレルギーと花粉症の意外な関係

以前掲載の記事「近ごろ「果物アレルギー」の人が増加中?花粉症の人は特に要注意」でも取り上げた「果物アレルギー」ですが、一度発症してしまったらもう治る見込みはないのでしょうか。メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住の医学博士・しんコロさんが、そんな読者からの質問にずばり回答しています。

フルーツを食べると痒みが…これって果物アレルギー?

Question

ある時、大好きな桃を食べたら違和感を感じました。耳の奥から喉にかけて痒みを感じたのです。舌も痒いようなモニョモニョした感覚でした。こ、これは、もしや果物アレルギー? さくらんぼでも同じ症状がでました。でも、みかんとりんごと梨は大丈夫、メロンは微妙…と探りながらの日々。数年前、ついにいちごでその感覚に襲われました。その後、ドライフルーツ(いちご)入りのチョコを食べてもその症状…コレはショックでした。今年、梨を1つ半食べてその症状! でも半個なら大丈夫です。

年々食べられる果物が減ってきて残念でなりません。これは果物アレルギーですよね? 突然こんなことになるんですね。痒み程度で済んでいるのは軽いのでしょうか? 治ることはないのでしょうか?

しんコロさんの回答

フルーツを食べると口や喉が痒くなるのを、口腔アレルギー症候群といいます。花粉症を持っている人に特に起きやすく、フルーツ以外にも野菜やナッツでも同様の症状が出ることがあります。食べてからおよそ10~15分で唇や口の中にしびれや痒みを感じ、喉にも及ぶことがあります。ひどい場合には顔がむくんだり喘息発作やアナフィラキシーショックを引き起こすケースもあります。ちなみに、天然ゴムであるラテックスにアレルギーがある人も口腔アレルギー症候群になることが多いので、別名ラテックスフルーツ症候群として呼ばれることもあります。

なぜこんな症状が起きるのかというと、特定のフルーツ(もも、メロン、りんご、キウイ、マンゴー、グレープフルーツなど)に花粉に存在するアレルゲンと似た構造をしているタンパク質が存在しているからです。

アレルギーは一度感作してしまうと、身体が敏感に反応してしまってなかなか治らないことが多いのですが、絶対に治らないというわけでもありません。西洋医学的なアプローチでは、まずは強いアレルギー反応を起こす果物はしばらく避け、アレルギーを抑える抗アレルギー薬を定期的に服用して体質を変えていくことをします。そして、食べる時は少量からはじめ、少しでも口の中がピリピリと違和感を感じたら吐き出し、症状が悪化したら抗ヒスタミン薬などを服用して症状が悪化するのを防ぎます。

口腔アレルギー症候群もIgE抗体が関与しているので、レンコンサプリも試してみる価値があるかもしれません。また、体調がすぐれない時、ストレスが多い時、生理前後で体調が万全ではない時などはアレルギー反応を引き起こしそうな果物は避けた方が良いでしょう。

image by: Shutterstock.com

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ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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