多くの方が「すべきではない」と考えるパクりですが、「市場はパクりで活性化する」と言うのは、無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさん。しかしその「パクり方」にも礼儀があるとして、「正しいパクリ方」をレクチャーしています。
ビジネスモデルの“正しいパクり方”
新規事業を立ち上げようとしているあなたに質問です。そのアイデアは、どこから生まれたものでしょうか? 緻密な戦略から導き出したもの? それとも、ひらめき? 何れにしても、そのビジネスモデルはまったく新しいものではなく、どこかに存在しているものであることを断言します。
どれだけ優れたアイデアだと思っていても、それは既存のものをアレンジしたものか、何かと何かを融合させただけのものです。すべての物事、無から有は生まれないのです。言葉に抵抗があるかもしれませんが、どこからか“パクった”ものなのです。パクりを否定するわけではありません。新しいものを生み出すためには、パクりが必要なのです。
日本中、世界中を歩いて見つけたものをヒントに、自分で作って販売するのは、大昔から行われてきたことです。それがなければ、新しいものは世の中に広まりません。「流行」は、まさにその典型。“パクりの連続体”とも言えます。多くの会社やお店がパクることで、世の中の隅々まで行き渡るのです。
もし、あなたが新しいビジネスを始めようとするなら、いろんなところからパクってくれば良いのです。ただし、パクりにはルールがあります。商品の方向性や売り方をパクるのは良いのですが、明らかに違う会社・お店であることをわからせなければなりません。お客さまが勘違いして入ってしまうようなパクり方は、絶対にやってはいけません。
以前、焼き鳥屋さんの「鳥貴族」と「鳥二郎」との間で、訴訟問題となったことがあります。鳥二郎は、ロゴや店舗デザイン、メニューまで、鳥貴族そっくりなものを作ったのです。これは言語道断。お客さまへの詐欺行為だと言っても良いでしょう。儲けるためには何をしても良い、と考えています。
他にも、「塚田農場」と「山内農場」。「磯丸水産」と「豊丸水産」。恥ずべきパクりが横行しています。特に飲食業界が目立っていますが、“礼儀正しいパクり方”をしているお店もあります。
「ラーメン二郎」をパクっているお店は、全国に広がっていますが、批判されているお店はありません。いわゆる、“インスパイア系”と呼ばれるラーメン屋さんです。「野菜マシマシ」や「ニンニクマシマシ」などの方向性はパクっていますが、店名やロゴ、店舗などはオリジナルとなっています。また、「ラーメン二郎」がそれを許すことで、“二郎系”として全国に拡散し、「ラーメン二郎」はその頂点として、君臨することができるのです。
正しいパクり方をすれば、その分野の市場そのものを拡大することができ、儲けにも繋がるのです。「吉野家」をいろんな企業がパクったからこそ、牛丼が日常食として定着したのです。香川県のうどんをパクったからこそ、セルフうどんが日本中に広まったのです。
市場は、パクりで活性化します。新ビジネスを考えるなら、どんどんパクりましょう。ただし、礼儀正しく。