日本語に関するクイズ、TV番組などでも大人気ですが、あなたは「正しい日本語」を使えていますか? 無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さんが今回紹介しているのは、そんな日本語を扱った書籍。編集者である柴田さんご自身も間違えてしまうクイズ満載の勉強になる一冊です。
富士本昌恵、山本ユウカ・著 パルコ
富士本昌恵・山本ユウカ『ソレ! へんてこな日本語です。』を読んだ。妻はテレビのクイズ・常識・日本語問題などの番組ハンターで、録画(設定はわたしがやるんだけど)した番組を翌日の午後に一人でゆっくり(もちろんCMなどは早送りして)見るのが楽しみな人。日本語の正しい表現、漢字書き取りなどにめっぽう強いのだ。
だから、時々漢字や慣用句などのテストをされるのが困る。それでも半分以上は正しい答えを出すので、なんとか面目は保たれている。歳のわりによく覚えていると、いちおう評価されるが、編集者上がりとしては面目ない。いや、今でも編集者のつもりだが。グヤシ~のでこっそり役立ち本を読んだのだ。
「まんがで学ぶ日本語の誤用」というサブタイトルがある。カバーには「とんでもございません」「白羽の矢が当たったんで早退しま~す」「コーヒーになります」なんて、聞いてるほうが冷や汗のサンプルが。テレビでも、アナウンサーはともかく、キャスターとかゲストとかが悲惨な日本語を連発している。
わたしは、まあ一応常識はわきまえておる、という自信はあったのだが、次々と誤答するではないか。こんなはずではなかった。どんどん自信をなくしていく。今まで正しい日本語を使っていなかったのか。いや、かつては知っていたが、忘れてしまったのだ、そうだ歳のせいだ、そう呟いて自分をなぐさめる。
恥ずかしいけど、間違っていたことを告白する。もしかしたら、歳とったから間違えたのでなく、若い頃から間違って覚えていたのかもしれない。ある語句について、二つの解釈があり、どちらか片方が○なのだ。惜しいことに、語句のすぐ下に二つの解釈があり、頭に○と×がついている。一目で両方が見える。
二つの解釈のどちらかを選ばせて、正解は文末に示せばよかったのではないか。たとえば「悲喜こもごも」だが、「(一人の)心の喜び悲しみ 喜ぶ人と悲しむ人がいる」とある。さあ、どっちだ。わたしは後者のほうだと思ったのだが、その頭に×がついているので、これでは考える間もないではないか。残念……。
- 煮え湯を飲まされる ○信頼する人に裏切られる ×敵にひどくやられる
- 他山の石とする ○悪い行いを参考にする ×いい行いを手本にする
- 枯れ木も山のにぎわい ○ないよりはいい ×にぎやかでいい
- 気が置けない ○気を遣ったり遠慮しなくていい ×気を遣うし遠慮もしてしまう
……などなど、いままでいい加減につかっていたことを反省したのだ。
テレビでよく出てくる「こだわりの~」って表現、いやだなと思っていた。細かいことにとらわれる、必要以上に気にする、難癖な人って印象。ところが、最近では、細かいところまで気を遣ったことをセールスポイントとして知らせる、いい意味で使われるらしい。そういわれてもいやなものはいや。
編集長 柴田忠男
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