ナイキやアディダス、スタバ、ユニクロなど、ロゴマークを見るだけで企業名がすぐ頭に浮かぶ大ブランド。「自分たちもそうありたい」と思うものの、とても広告費など捻出できない…、という中小企業の皆さんのために、今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、町の小売店がブランド力を手に入れる方法を紹介しています。
お店のブランド力を上げる法
ブランド力をあげるために、スポーツに力を入れている大学や高校があります。しかし、一歩間違うと、そのブランドイメージが悪くなってしまうことだってあるのです。せっかく築いてきた努力が無駄になります。これは、企業やお店でも同じことです。
では、ブランドとはいったい何でしょうか。ベンツ、ナイキ、アマゾン、ユニクロ、スターバックス。世間には、ブランドというブランドがあふれています。そのマークやロゴが頭に浮かんでくれば、もうれっきとした大ブランドです。
ご存知のように、ブランドの始まりは、牛の「烙印」だと言われています。他の牧場の牛と区別をするためのものです。つまり、ブランドの本来は、他の商品や企業とを区別するためのものでした。
やがてブランドは、「お客様に選んでもらうための目印」としての役目に変化していきます。その後さらに、品質の保証、歴史、評判、信用、イメージといったものが含まれるようになってきたのが、現在のブランドです。
そのブランドに傷がつくということは、これらの形のない財産に傷がつくということになります。ですから、ブランドを大事にする企業やお店は、そんなことにならないようにさまざまな決まりを設けたり、行動をしているのです。
そして、そうしたブランドの凄いところはブランドマーク一つで、価値を上げられることです。例えば、同じデザインのシャツでも、ブランドを付けるだけで価格を高くしても売れていきます。これが、ブランド力です。
ブランド力があると
ブランドは、企業やお店とお客様を結びつける「絆」と言ってもいいでしょう。
企業やお店にとって、ブランドはお客様に対して商品やサービスの価値を約束するシンボルです。また、お客様からすれば、その価値を得られる保証や安心感、期待感をイメージさせるシンボルです。
ですから、お客様はそれぞれのブランドに対してそれぞれのイメージを持っています。例えば、
- このブランドの商品は、あれくらいの品質だ
- このお店の店員さんは、こんな感じだ
- このブランドを選ぶのは、あんな人だ
- このブランドを利用すると、人からこのように見られる
というように。お客様は、こんな基準でブランドを選んでいるのです。そこで、ブランドを大事にする企業やお店は、まず品質について考えます。例えば
- どんな品質の素材を使えばいいか
- 製品や作り方にどんなこだわりを持っているか
- どんな接客や応対をすればよいか
- どんなイメージの広告宣伝が必要か
- どんな社員教育をするのがよいか
といったことです。これらは、すべて品質にかかわってきます。
そして、もっと大切なことは、企業がどんな考え方や方向性を持っているかということです。それも、大きなブランド力となります。その結果、ブランド力がある商品やサービスについて、お客様はこう考えます。
- あれこれ調べなくても安心
- 品質が良いに決まっている
- 自分のライフスタイルが表現できる
これらは、お客様がブランドを選ぶ理由でもあります。そしてさらには、少々高くても満足だとか、逆に、高いことで安心するお客様もいることでしょう。まさに、これがブランドの力です。
では、あなたのお店がブランド力を備えるにはどうしたらいいのでしょう。
スポーツショップのブランド力
町のスポーツショップにもブランド力はあるのでしょうか。あります。ただし、それは大手スポーツ店のように、店名がブランドになるわけではありません。そうなるためには、広告宣伝にかなりの投資が必要です。
実は、そんなことをしなくても、ブランド力を上げる方法があります。どんなことでしょう。もちろん、品質の高い商品をそろえて提供するということは必要です。また、有名ブランドを取り扱うこともブランド力をあげることにつながるかもしれません。
しかし、あなたのお店にとって本当に大事なのは「□□といえば、〇〇スポーツ」と言われるようになることです。例えば「野球用品を買うなら〇〇スポーツ」とか、「勧めるとすれば○○スポーツ」とか、「店員さんが気持ちいいのは〇〇スポーツ」とか、お客様が言うようになってくれることです。それが、お店のブランド力だといえます。
要するに、お客様にどんな良いイメージを持ってもらうかということです。
そんなブランド力がつくとお客様が値切るなんてことはなくなります。お店で買ったことが大満足です。さらには、周りの人に自慢さえするかもしれません。
つまり、有名ブランドを売ることがお店のブランド力ではありません。どんな売り方をするか、どんな「思い」を持って商売をしているかがブランド力です。それがお客様に伝われば、ブランド力はあがります。
ただし、お客様は敏感です。少しでも手を抜いたら、長年育ててきたブランド力が水の泡となります。今回の日大の対応を見て、つくづくそう思いました。
■今日のツボ■
- ブランドは、企業やお店とお客様を結びつける「絆」。
- 「□□といえば、〇〇スポーツ」と言われることが大切。
- 売り方やお店の思いも、大きなブランド力である。
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