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1杯780円の価値あり。みそ汁を主役に据えた専門店の美味しい戦術

「みそ汁が1杯780円」と聞くと驚いてしまいますが、それでも人気を博しているみそ汁専門店があります。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では著者でMBAホルダーの青山烈士さんが、そんなお店「MISOJYU」の人を惹きつける秘訣を分析・解説しています。

脇役を主役に

注目を集めている「みそ汁」専門店を分析します。

● earth grace株式会社が運営している創作みそ汁専門店「MISOJYU

戦略ショートストーリー

食べ物にこだわる方をターゲットに「ヘルシーで美味しいみそ汁を存分に楽しめる」「日本の伝統的な食文化を楽しめる」等の強みで差別化しています。

こだわりのみそ汁やおにぎりを提供するだけでなく、武田双雲さんの作品ギャラリーやわかりやすいオーダーガイドの設置により、海外からの観光客の支持も得ています。

■分析のポイント

脇役を主役に

飲食店に食事をしに行って、みそ汁の価格が780円と聞いたら驚きませんか? みそ汁が無料で付いてくるお店もありますから、なかなか受け入れがたいですよね。

ですが、「MISOJYU」は、お得なセットメニューがあるとはいえみそ汁単品の価格が780円にもかかわらず、人気のお店になっているのです。これは、「MISOJYUのみそ汁に780円を払う価値があるということを示しています。

そこで、今回は、なぜ「MISOJYU」のみそ汁に780円の価値があるのか?について、考えてみましょう。

まず、大きなポイントとしてはみそ汁を主役にしたということです。日本人の感覚ではみそ汁が主役(メイン料理)になるとは思いませんよね。脇役のまま、価値を高めることは難しいと思いますが、主役にすることで価値を高めているわけです。

具体的には、みそ汁を主役に置いたことでみそ汁には、メイン料理としての役割が求められますので、「MISOJYU」のみそ汁は、様々な具がゴロゴロと沢山入っていて、食べ応えがあるようにしています。さらに、材料は有機野菜を中心に使い、だしは厳選して、こだわりのオリジナルブレンドのお味噌で、作られています。

このように、こだわりのあるメイン料理としてであれば、780円という価格でも受け入れられやすいと思いますし、有機野菜を使っていることを考えれば、むしろ、安いと思う方もいるかもしれません。

また、みそ汁を単体として考えるのではなく、日本の食文化を楽しむための空間全体の中の一部と考えるとどうでしょうか。

書道家の武田双雲さんの作品を鑑賞しながら、食事ができるということは貴重だと思いますし、特に海外から来た観光客にとっては、浅草という立地かつ和の空間で、日本の食文化を代表する「みそ汁」や「おにぎり」を楽しめるということは、価値のあることだと思います。そう考えるとみそ汁に780円を払う価値があると思う方も多いのではないでしょうか。

要するに、「みそ汁を売っているのではなく日本の伝統的な食文化を楽しめるなどの体験を売っているということですね。

「MISOJYU」をプロデュースしている「TEAM地球」には様々なスペシャリストが関わっているようですが、「MISOJYU」のみそ汁だけでなく、店舗を構成する一つひとつがよく考えられていると思います。今後も注目していきたいです。

◆戦略分析

■戦場・競合

■強み

「ヘルシーで美味しいみそ汁を存分に楽しめる」
→海外から日本に来た観光客にとっては、「日本の伝統的な食文化を楽しめる

★上記の強みを支えるコア・コンピタンス

上記のような、スペシャリスト集団が強みを支えています。

■顧客ターゲット

◆戦術分析

■売り物、売り値

「MISO SOUP(お味噌汁)」

「ONIGIRI(おにぎり)」

その他、セットメニューや期間限定メニューを展開しています。

■売り方

■売り場

※ 売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

image by: 「MISOJYU」公式サイト

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【著者】 青山烈士 【発行周期】 ほぼ 週刊

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