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ハーレーダビッドソンに学ぶ、お客を「生涯のファン」にする方法

自分が欲しいと思える商品を多く扱うお店を見つけると、何度も足を運びたくなるものです。今回の無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』では著者の梅本泰則さんが、商品のファンになって貰った先に付随する「ファンクラブ」の設立も重要だとした上で、愛好家向けの魅力的なイベントを企画し、全世界に散らばるファンの心を掴む事に成功する企業の例を紹介しています。

熱烈なファンを増やす方法

お客様に、何度も繰り返し購入していただくことが業績のアップにつながります。そのための方法はいろいろありますが、お店のファンになっていただくのも、その一つです。お店のファンになっていただくには、どうしたらいいでしょう。

お客様が求める商品を提供するのも良いですね。また、お客様が感動をするようなサービスをするのも良いかもしれません。そして、お客様との良い関係づくりができれば、きっとファンになっていただけるはずです。

良い関係づくりの一つの方法に、「ファンクラブ」を作るというものがあります。ただし、「ファンクラブ」は、作っただけでは大きな効果はありませんうまく活用することで何度もお店に足を運んでもらえます。そして、繰り返し購入していただくことが出来ます。

そこで、この「ファンクラブ」を、実にうまく活用している会社をご紹介しましょう。それはオートバイの「ハーレーダビットソン」です。ハーレーには「ハーレーオーナーズグループ」というファンクラブが、全世界にあります。日本でも、この活動は活発です。ハーレーを持っている人ならだれでも入会できます。

そして、入会すると与えられる特典がすごいのです。いえ、バイクを値引きしてくれるというわけではありません。何といっても一番の特典は各地で行われるツーリングイベントに参加できることです。

ファンクラブの特典

ハーレーを好きな人同士が集まって、わいわいとツーリングを楽しみます。一緒に同じ宿に泊まって食事をすれば、一気にお互いの距離も近くなることでしょう。ハーレーを通じて様々な人たちと知り合い仲良くなれるのです。いわゆる「コミュニティー」ですね。

人は、同じような人たちがいる「コミュニティー」に参加することで、ハッピーな気持ちになります。ですから、このコミュニティーに参加できることがお客様の大きな満足につながっていくわけです。

「オーナーズグループ」の特典は、そればかりではありません。本部から魅力的な情報が届きます。会報誌です。年に4回の発行で、イベントレポートや各種情報が載っています。ホームページからもそれなりに情報は取れますが、紙媒体での情報は、じっくり読めますので大切です。

そして、もう一つ重要な特典にマイレージサービスがあります。これは、愛車での走行距離や、イベントに参加した記録を讃えるためのプログラムです。走行距離が1,000マイル(1,600km)に達すると、記念のメダルがもらえます。仲間に自慢できますから、嬉しいですね。さらに、10万マイルを達成すると、「走りの殿堂」入りとなります。殿堂入りをした人は、メンバー限定のホームページに掲載。現在日本では600名ほどいるそうです。きっと鼻が高いにちがいありません。

これらの仕組みは、ファンをつなぎ留めておくためにも、リピーターとするためにも実に有効な方法です。おそらく、ハーレーオーナーズグループの会員の多くは生涯のお客様となることでしょう。これは、ワン・トゥ・ワン・マーケティングでいうところの「顧客生涯価値の最大化」です。このような仕組みをあなたのお店でもできないでしょうか。

スポーツショップのファンクラブ

もちろん、出来ます。あなたのお店には、もうすでに何千人ものお客様がお店の会員として登録されています。それを、それぞれのスポーツでファンクラブを作るのです。

お店では、野球、サッカー、バスケット、バレー、テニス、卓球、バドミントン、ハンドボール、ランニング、多くの競技スポーツを扱っています。いきなり、これら全部に対してファンクラブを作るのは大変です。まずは、売上上位3つのスポーツからファンクラブを始めてはどうでしょう。

例えば、ランニングのファンクラブを作ったとします。ハーレーのしくみを応用すれば、次のようになるはずです。ファンクラブの皆さんにはいくつもの特典を提供します。例えば、ランニングクリニックの開催です。優秀なコーチを招いて、ランニングのアドバイスをしてもらえば、会員の皆さんは喜びます。会場は近くの公園で良いです。しかも、お店のお客様同士が集まって、お互いに交流をします。ランニングのレベルが上がって、友人も増える。嬉しいことですね。

そして、ファンクラブの会員にはマイレージポイントを差し上げます。クリニックで走った距離はもとより、ランニング大会で走った距離も対象です。普段走っている距離も申告すればポイントになります。走った距離に応じて記念品を差し上げれば良いでしょう。

ファンクラブオリジナルの商品も作ると良いです。それによって、会員の皆さんのコミュニティーへの帰属意識が高まります。また、会報誌も作りましょう。これは結構大変な作業ですので、出来るところから始めます。ランニング技術、商品の深い知識、正しいトレーニング、怪我や故障の予防法・回復法といった情報はどうでしょう。いずれにしても、ファンクラブ限定の情報をお届けすると良いですね。

さらに、お客様の購入金額に応じてクラス分けをするとお店とのつながり度合いが強くなっていきます。こんな方法でファンクラブを作って運営されれば、きっとリピーターが増えることでしょう。

このように。「コミュニティ作り」は重要です。ぜひ、実行しましょう。

■今日のツボ■

image by: ermess / Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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