MAG2 NEWS MENU

筋トレは1年単位で正しく向き合う。プロが教える3つのポイント

年が改まるこの時期は、新たな目標を持って1年の計画を立てるのにピッタリです。トレーニングに励む人たちも例外ではなく、1年単位でブレないトレーニングするためのヒントを掴みたい読者から、メルマガ『届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ』の桑原弘樹塾長に質問が届きました。塾長は、筋トレで気をつけるべきポイントを大、中、細部と3つの視点でアドバイスします。

1年という単位でトレーニングを考えてみる

Question

新しい年を迎えましたが、1年という単位でトレーニングを考えた場合、どのような視点をもつべきでしょうか。途中色々とイレギュラーな出来事があった場合にも、筋トレ時に絶対にブレないようにしておくべきポイントを教えてください。(42歳、男性)

桑原塾長からの回答

1年という単位で考えた場合は、やはり、トレーニングは筋トレ(=筋肉)という事になるでしょうね。ランニングであったり、クロスフィットであったり、色々なトレーニングがありますが、効果が出るのに一番時間がかかるのが筋トレだと思いますから、やはり1年くらいのスパンで向き合うのが正解だと思います。

奥が深い世界ですから、様々なポイントが思い浮かんでしまいますが、私が意識している大きなポイント、中くらいのポイント、具体的なポイントの3つをご紹介したいと思います。

まず、最初の大きなポイントとは、筋トレは「効かせる」事が目的であるという点です。高重量を扱うことは大賛成ですが、それは扱う重量が重くなる方が効かせやすくなるからです。ところが、やがて重量を増やしていくことが目的となってしまうと、それは逆に効かせないトレーニングとなってしまう危険性がありますから要注意です。

筋トレの極意は、軽いモノを重く感じる事です。そのうえで、その軽いモノを少しずつ重くしていけばより効いてくれるのです。重いモノを持とうとすれば、いつの間にか重いモノを軽く感じようとするようになってしまいます。これは筋トレではなく、競技になってしまいます。

軽いモノを重く感じて、それを少しずつ重くしていき(漸進的向上)、やがて重さを目的にしそうになったら効かせる事に意識を戻す。このせめぎ合いが大切です。筋トレでは力を不合理に使い、逆に競技では力を合理的に使う。この効かせるという精神が最初の大きなポイントです。

次のポイントは、少し具体的になってきます。それは「速筋」を意識するという事です。ご存知の通り、筋肉は大別すると速筋と遅筋に分かれます。そして、筋肥大は速筋が起こす現象です。ところが、日常生活含め、多くの動作は遅筋が行っているのです。

実は筋トレもその多くは遅筋が行っています。仮に10レップが楽々とこなせたとしたら、それは遅筋で行っているということになります。筋肥大が難しい理由のひとつは、遅筋が疲れてからしか速筋に刺激が行かないという点にあります。つまり、痛みを伴う辛いトレーニングをしなくては、筋肥大はしないという事です。

一生懸命に筋トレに励んでいるのに、中々成果が出てこない大きな理由のひとつが、この速筋への刺激という点にあるのです。

「効く」ことを考え逆算してメニューを組む

通常10レップ×3セットで組むのが一般的かと思いますが、1セットの8~9レップ目でギリギリになる負荷設定にしているか、もしくはそういったフォームで行っているかの見直しをするといいと思います。

常に1セットごとに速筋に刺激を与えるのが難しい場合は、最初のうちは3セット合計で速筋への刺激を与える感じでもいいでしょう。つまり、2セット+数レップで遅筋をギブアップさせて行くのです。速筋とはそのくらい辿り着くのが難しい存在であり、それを成し遂げた人だけが筋肥大を手に入れる事が出来るのです。

ぜひ、筋トレをする際には、常に速筋というキーワードを頭に置いて取り組んでみてください。

最後はより具体的なポイントとして、スティッキングポイントを押さえておきたいと思います。スティックとは棒状という意味の他に、くっつくとか、張り付くという意味があります。英語でstick to~という熟語は、「~に固執する」と訳したりします。つまり、スティッキングポイントとはベタッとくっついて動かなくなるポイントの事を意味します。

先の速筋に効かせようとした際、どこかで急に挙がらなくなるポイントが出てきます。このスティッキングポイントを超えられるか否かが、筋トレの効果が上がるか否かの分かれ道にもなります。

通常、本能のままに筋トレをしていると、このスティッキングポイントを外すように動作を行います。例えば、スクワットをした場合、段々としんどくなるとしゃがむ深さが浅くなります。これはそれ以上下げてしまうとスティッキングポイントに近付いてしまうからでもあります。

私たちはこのスティッキングポイントを「美味しいポイント」などと呼んだりしますが、力を不合理に使うという事は、このしんどいポイントを乗り越える事でもあります。

スティッキングポイントは個人によっても多少違いますが、種目によっても変わったりします。例えば、一般的にベンチプレスは一番バーを下げた状態にスティッキングポイントはありますが、ダンベルプレスの場合はそこから少し挙上した辺りにあるケースが多いです。サイドレイズの場合は、肩を水平に近づくにつれて現れますし、プリチャーカールなども一番下げた場所にあります。

ひとつひとつの種目を行う際に、この一番美味しいポイントを逃していないかを意識する事で筋トレの効果はグッと増していくと思います。

今回はトレーニングの観点からのみのポイントとなりましたが、栄養面からひとつだけ加えるとするならば、筋トレ後にプロテインを飲むゴールデンタイムも1年を通じて外さないようにしたいですね。

image by: Shutterstock.com

桑原弘樹この著者の記事一覧

桑原塾塾長 桑原弘樹は、国内大手食品メーカーでサプリメント事業を立ち上げ、全商品の企画開発に携わる一方、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会 日本支部PDAなどの立場で、国内外問わず多くのトップアスリートに直にコンディショニング指導を行ってきた。サプリメントは作るだけにとどまらず、「日本で一番使っているのでは」と豪語するほどのユーザーでもあり、年間300回のワークアウトも欠かさない。サプリメントやダイエットなどの分野で、多くの情報が散乱する昨今。サプリメントを作り、自ら試し、活用法を指導してきた、桑原塾長が、本物で価値あるボディメイク情報を提供すべく、スクランブル発進する!!!

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 届け!ボディメイクのプロ「桑原塾」からの熱きメッセージ 』

【著者】 桑原弘樹 【月額】 ¥550/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け