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数字を読めないと出世しない。ビジネスで大切な「数字力」とは

デキるビジネスマンは数字に強いとよく言われます。しかし、数字をベースに考えることはそう簡単なことではありません。新入社員や経験が浅い人間ならなおさらです。しかし、数字を扱うことでさまざまなメリットが生まれ、提案や企画にも説得力が増すと語るのは、ビジネスパーソンを数学的に変身させる専門家・深沢真太郎さん。自身のメルマガ『深沢真太郎の「~伝える力が身につく~ 数学的思考の授業」』の中で、数字を読む大切さを説いています。

どうすればあなたの部下は数字を読んでくれるのか?

管理職の悩み。いろいろありますよね。経営層との関係やコミュニケーション。部下との関係やコミュニケーション。自分自身のスキル。いわゆるプレイングマネジャーの方はなおさら難しいポジション。今日もいろんなものを抱えながら頑張っている人たちのはずです。

本当に、お疲れ様です。職業柄、ビジネス系の講座や企業研修に招かれます。だから上記のような方々とお会いする機会がたくさんあるわけです。みんな、何かに悩んでいます。今日はその中の「部下」に対する悩みにフォーカスします。

部下×数字力

シンプルに言えば、部下が数字に対する感度が低い。だから思考も具体的にならないし、持ってくる提案もフワッとしたものばかり。根拠や裏付けもないので、その提案を承認できない。結果その部下はもちろん、部門全体の仕事も前に進まない。結果その部門の生産性が落ちる。部門を預かる管理職としては、看過できない問題でしょう。

一般論ですが、プライベートとビジネスシーンの違いはなんでしょう。様々な答えがある問いですが、私は「いちいち理由が要る」という答えがエッセンシャルだと思っています。

例えばプライベートでランチにカレーを食べるとします。なぜカレーを選んだのでしょうか。別に理由なんて要りません。強いて理由を言語化するのであれば、こんな感じでしょう。
「なんとなく食べたかった」
「たまたま店の前を通りがかったから」
「そんな気分だったから」
理由なんて要らない。もちろんそれでOKなわけです。しかしこれがビジネスになると話が変わってきます。

例えば会議を開くとします。なんでその会議をするのか、理由が要ります。取引先に発注をするとします。なんでその取引先にそのサービスを発注するのか、理由が要ります。そしていちいち「ハンコ」が要ります。ビジネスは「いちいち理由が要る」世界でする行為なんですね。

前置きが長かったかもしれません。数字の話をしましょう。

部下は数字を読んでくれない。そんな課題があったとします。というか、ほとんどの企業(その管理職)が持っている課題です。なぜ部下は数字を読んでくれないのか。その答えはとってもシンプル。数字を扱わなければならない理由がないから。あるいはその理由をわかっていないからです。

管理職になるような方はそもそも仕事ができる人です。仕事ができる人は、数字の大切さがすでによくわかっています。だから「そんなの当たり前」としか思えません。

しかし、部下や若手はそうではありません。教えてあげないといけない、気づかせてあげないといけない。そういうテーマなんです。それも管理職の重要な仕事なんです。私が企業研修で「そもそもなぜ数字って大事なんだろうね…?」というアプローチから入るのはこういう理由によるものです。まさにこれも「理由」の話。やはりビジネスでは「いちいち理由が要る」ですね…。

ではどうすればいいか。数字を扱うことのメリットを伝えることです。メリットは仕事によって様々ですね。そこはその現場の仕事を熟知している管理職の腕の見せ所です。

例えば新入社員を採用する人事担当者であれば、新人の基礎能力をいちいち定性的な情報で探ることは面倒です。基礎能力検査などのスコア(数字)が入手できれば楽です。「数字を求めたほうが、あなたの仕事は楽だよね」ということが伝われば、部下は勝手に数字を求めて仕事をし始めます。

ちょっとエクササイズをしてみましょう。

Q、あなたの部下(後輩)をひとり設定してください。実在する人物であることが重要です。その人物が数字を使って仕事をしたほうがいいメリットは?言語化してみてください。

「デキる人は数字に強いから」といった抽象的な表現ではメリットを感じません。具体的に言語化することがポイントです。つまり、自分の(部下の)仕事を深く理解していないと答えを出せない問いですね。よくある間違った指導は、「べき」で強制することです。
× 「数字を使うべき」
○ 「数字を使ったほうが得」
理由に腹落ちしない行為を強制しても、部下は絶対にやりません。強制という概念がパワハラという言葉を想起させる時代になっています。ご注意ください。

こうしてポイントを整理していくと、ビジネスにおける数字力とは何かがはっきりします。お勉強の出来やいわゆる偏差値といったものとはまったく関係ないリテラシー。数字に強いとは、計算力(暗算力)といったものとはまったく違うものであること。

ああ、結局いつも私がこの授業で申し上げている結論に至ってしまいますね。数学とビジネス数学はまったく違うのだと。今日のテーマは、きっと「ど真ん中」の話です。皆さんもぜひ逃げずにやりましょう。

最後に、私はこのようなテーマで研修をする際に必ず事例としてご紹介するストーリーがあります。逃げずにやった人の話です。メディアでも数多く取り上げられた、ある経営者の七転八倒。今回の授業のすべてが、この実話に当てはまります。

この授業にご参加の皆様には、ぜひ読んでみて欲しいと思います。どうすればあなたの部下は数字を読んでくれるのか?この問いの答えになっているはずです。
石坂産業(埼玉県三芳町)の石坂典子社長『社員はなぜ、数字に興味を持ってくれないのか?

そろそろ時間だ。今日はここまで。

image by : shutterstock

深沢真太郎この著者の記事一覧

日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。予備校講師から外資系企業の管理職などを経てビジネス研修講師として独立。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。さらにSMBC・三菱UFJ・みずほ・早稲田大学・産業能率大学などと提携し講座を提供。2018年には「ビジネス数学インストラクター制度」を立ち上げ、指導者育成にも従事している。
数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、述べ1万人以上を指導してきた教育の第一人者。世界中の学校と企業で「ビジネス数学」が学べる世の中にすることを使命としている。テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。BMコンサルティング株式会社 代表取締役 一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事 国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者 国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター

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