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「で、それが何の役に立つの?」自己PRと商品説明の明白な共通点

就活において、自分のスペックだけを強調する自己PRがあまり効果的ではないことは、社会人としての経験を持つ方の多くが認識しているのではないでしょうか。この「法則」が商品説明にも当てはまるとするのは、接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさん。坂本さんは今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』でその納得の理由を明示するとともに、理想的な自己PRと商品説明についてレクチャーしています。

自己PRは何のため?

就職活動をする時、(アルバイトの面接でも構いません)自己PRをする機会がありますよね。履歴書に欄が設けてあることもありますし、面接の際に「自己PRをどうぞ」と言われることもあるかもしれません。

この自己PRって何のためにあると思いますか?

「自分の能力を最大限アピールするため」とか、「自分がどんな人間なのかを知ってもらうため」といった回答が出てくるかもしれませんが、実は採用する側の視点で見ると、決してそうではありません。

採用する側、自己PRを聞く側からすれば、「この人が自社にとってどれだけ貢献してくれるか」を知りたいがために聞くのです。

これは、採用側の立場に立って考えてみれば、誰でもすぐにわかります。

「私は名門大学を主席で卒業して、TOEICは900点以上取っています。部活では、全国優勝を成し遂げたチームの主将を務めていました」などともしアピールすることができるような人がいたとしても、それがスーパーの品出しの仕事の面接だったとしたらどうでしょうか。名門大学を主席で卒業していようが、TOEICで900点以上取っていようが、全国優勝チームの主将をやっていようが、それが何の役に立つのか見えてきませんよね。そうなると、面接官としては、「で、それが結局何の役に立つの?」と感じて採用しにくくなってしまうのです。

だから、自己PRをするとしたら、相手にとってどんな利点や利益があるかを明確に伝える必要があります。

「TOEICで900点以上取っているから、英語に関しては自信があります。インバウンド向けのPOPを作れるので、外国人が通いやすいスーパーにできるかもしれません」とアピールしてもらえれば、採用側は、「あなたを採用すればそんなメリットがあるんですね」と思ってくれやすいでしょう。それが企業側が求めるニーズと合致していれば、どうやっても採用したくなるものです。

大事なのはここからです。

これを接客に置き換えてみてください。

皆さんにとってPRすることになるのは、自分ではなく商品と置き換えられます。それを採用者ではなく、お客様に置き換えてPRをすることになりますよね。そうなった時に、「この商品はこれだけすごいんです!」といくらPRをしたとしても、お客様は先ほどの面接官と同じで、「で、それが何の役に立つの?」と思って終わりです。お客様にとっての利点や利益が何もわかりませんから、買う理由が無いのですね。

でもそれが、「お客様の生活にこれだけ役に立ちますよ」「お客様にとってこんなに利益が生まれますよ」ということが伝えられたとしたら。お客様とすれば、買わない理由がなくなり、買う選択をしてくれるようになります。自分がどんな風に役に立てるかを伝えるのと同じように、商品がどんな風に役に立てるかを伝えるのが、販売員の仕事なのです。

自分の能力をただ伝えるだけの、誰にとってもメリットのない自己PRのように商品説明をしてはいないでしょうか?面接に置き換えて考えてみると、商品説明を見直すことができるかもしれませんよ。

今日の質問です。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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