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東京五輪とコロナが終わった後、世界に「日本の時代」が訪れる理由

賛否の声が上がる中、23日に開幕した東京オリンピック。今大会については一部から「日本衰退の象徴になりかねない」との声も上がっていますが、そのような懸念は現実のものとなってしまうのでしょうか。今回のメルマガ『国際戦略コラム有料版』では著者で日本国際戦略問題研究所長の津田慶治さんが、衰退どころかコロナ後にやって来るのは日本の時代と大胆予測した上で、その理由を詳述。さらに今後の日本企業の役割として、日本が無意識のうちに取ってきた「神道的な社会システムの世界への拡散」を挙げています。

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コロナとオリンピック後の世界はどうなるのか?

コロナとオリンピック後の世界は、それ以前の世界と大きく変わるような気がする。その検討。

東京オリンピックが7月23日に開幕した。しかし、東京は連日1,000人越えで、8月中旬には新規感染者が3,000人を超えると試算されている。その割に重症者数は、多くない。65歳以上の感染者数も少ない。

開会式を見ると、質素でコロナ禍での大会ということで地味にしたのであろう。この演出なら、辞任解任されたクリエイティブディレクターの佐々木宏氏、音楽責任者の小山田圭吾氏や演出担当の小林賢太郎氏でなくとも誰にでもできると思われた。奇抜なアイデアもない。

そして、競技も始まり、選手のコロナ感染も拡大している。PCR検査キットも不足しているという。無事にオリンピックが終了することを願うしかない。

感染爆発が選手村で起これば、中止になる可能も出てくるし、選手村が世界のエピ・センターになり、世界への感染拡大を促進させてしまいかねないからである。

また、開会式当日、ブルーインパルスが東京の空に五輪マークを描くはずが、気候や天候の影響もあって描けなかった。

だが、日本の実力を示す機会なので、国民の感動を呼ぶシーンも期待もしているが、それより、何事もなく無事に終了してほしいというのが本音である。組織員会は、無責任で平時の準備で大会を進めようとしているので、何かと問題が出てくる。

その問題をモグラ叩きのように解決しているが、その叩き方が失敗しないかと、ヒヤヒヤ見ているという方が現実に近い。

この感覚は菅首相も同じようで、首相記者会見のTBSのアナウンサーの質問にいらだっていたが、菅首相でもどうにもできないことを複数回、畳みかけられたから怒ったようである。

今回のオリンピックは日本衰退の象徴とみなされかねないので、1964年の前回東京オリンピックが復興の象徴とされたことと対照的な象徴とされかねない。

日本衰退とみなされないためには、オリンピック後に日本復活とさせる必要がある。しかし、8月下旬には新規感染者数が1万人になると京大の西浦教授は言う。このままにすると、本当に日本沈没になる。

しかし、日本復活のためには、ワクチン接種を早く進めて、40歳以上まで済んだら、コロナ感染症をインフルエンザ級の感染症にして、保健所の役割を小さくして、町の「かかりつけ医」中心のシステムに戻して平常化させて、オリンピックをコロナ克服の象徴にするしかない。

今までは、重症者数や死亡者数も多く、緊急体制を引いていたが、その必要性もなくなる。今までは、保健所ネックが起きて入院ができないなどの状態も起きていたが、正常化することで、それがなくなることを期待したい。

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コロナ後の世界

そして、コロナ克服したコロナ後を考えると、日本の時代が来るように感じる。このコラムは、神道的な自然と人間の共生をするべきと強く主張してきたが、その時代がコロナ感染症により、世界に広まった気配を受ける。

1つには、脱炭素社会の実現に向けて、世界が動き始めた。その中心が太陽光発電である。自然と人間の調和において、太陽が重要な位置にいることを示している。まるで天照大神の信仰ということで神道的な展開になっている。

2つには、弱者や敗者に配慮した経済システムにやっと、米国も変化した。米国は弱肉強食の新自由主義の経済システムであったが、民主主義の大多数の国民は、そのような新自由主義経済を拒否したことが大きい。そして、製造業の復活に動き始めた。

3つには、国民の自由をITの技術で縛る中国の国家体制に、米欧日が協力して対応し始めた。今までは、中国の安い労働力を使い、安い製品を作る方向できたが、中国を排除して、脱炭素での適正な価格の製品を民主国は一致して求め始めた。

新自由主義ではなく、民主的で倫理に基づく資本主義に転換するようであるが、これは、江戸時代の近江商人の「三方よし」の考え方である。そして、新実存主義のマルクス・ガプリエルも、「これからは倫理資本主義」と言っている。

しかし、これらは、日本神道的な江戸時代の経済であり、日本の思想の見直しが必要になる。現代の日本人は、アメリカンナイズされて、日本が世界から遅れるのではないかと心配された。

しかし、日本はリユースが、近年大々的に展開されてきた。メルカリが最初にリユースビジネスに火をつけたが、その後、実店舗でのリユースも活況になってきた。セカンドストリートやトレジャーファクトリー、ブックオフなどのチェーン店が大量に出てきた。

このリユースで粗大ごみが減っていることになるし、安値で買えることで、給与が少なくなった労働者の大きな味方である。

リサイクルも活況であるが、リサイクル業者の株価は軒並み大幅な上昇をしているが、再資源化のコストは高い。なるべく、リユースで使う方がコスト的には有利である。

このリユースが盛んな江戸時代では、古着屋が多く存在していた。新しい着物は今でも100万円もするが、古着であれば30万円程度で、それより古い古着は3万円になって、庶民にも手が届いた。庶民は、古着しか買えなかったのである。リユース店は、この現代版になっている。

もう1つ、規格外の野菜や果実が売れるようになってきた。また、売れ残った大量在庫の食料品も売れるし、それを売る店も流行り始めている。

この活動で食品ロスも減ることになる。

日本が貧乏になり、それに合わせて社会システムも更新されているとも言えるが、地球環境、自然と人間の共生という意味では非常に良いことである。江戸の完全循環型社会ではないが、徐々に循環型社会がコロナにより姿を表してきた。

というように、日本では無意識のうちに神道的な対応をしているようなのである。このシステムを世界に拡散させることが、日本企業の役割でもあるとみる。

さあ、どうなりますか?

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image by: f11photo / Shutterstock.com

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【著者】 津田慶治 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎月 第1〜4月曜日 発行予定

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