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ChatGPTと一緒に作ってみる、効果的な社員教育動画の内容

前回、売上不振の婦人服専門店が取るべき対策を「ChatGPTを使って考える」という取り組みをした、メルマガ『j-fashion journal』の著者でファッションビジネスコンサルタントの坂口昌章さん。今回は販売員の教育について、ChatGPTと考えています。

婦人服専門店の販売員教育

こんにちは。

前回は売上不振の婦人服専門店の対策についてチャット君と共に考えてみました。

【参考】ChatGPTは伸び代だらけ。売上が上がらない原因と対策を聞いたら凄かった

今回は、販売員教育についてです。本来、これはファッション専門学校で教えるべきことですね。

職業教育の難しさは、常にビジネスモデルが変化し、それと共に学ぶべき情報やスキルが変化することです。これは教科書では対応できません。業界経験者の講師でも対応できません。そこで、チャットGPTの出番です。私も古い人間ですから、最新の状況を十分には理解していませんが、チャット君と相談することで、それをカバーできるかもしれません。

1.ファッション専門店の販売員研修

店舗販売スタッフの接客スキル向上やキャリアアップのための研修プログラムについて考えてみました。以下がその内容です。

(1)コミュニケーション・スキル 

接客販売では顧客とのコミュニケーションが重要です。また、日々の業務では店内の販売スタッフ間のコミュニケーション、本社の営業担当や物流担当、商品企画担当とのコミュニケーションも重要になります。

具体的にどんな場面でどんな相手とのコミュニケーションに課題があるのかを話し合ってから、具体的なトレーニングメニューを考えることが必要です。

積極的な傾聴、効果的な質問テクニック、顧客からの苦情や困難な状況への対処法などのトレーニングが含まれます。

(2)商品知識

商品知識のない販売員を店頭に配置することは、ブランドの信頼をなくすことにつながります。商品の素材、デザイン、パターンの工夫による着心地の良さ等を顧客に訴求することにより、接客がスムーズになります。

また、シーズントレンドテーマ、カラートレンド、素材トレンド等の知識は、ファッションが好きな顧客とのコミュニケーションに役立ちます。

店頭で展開される商品については、シーズン毎に、あるいは展示会毎にデザイナーやMDから解説してもらうと良いでしょう。

ラグジュアリーブランドの中には、合宿研修で集中的に商品知識を教育するケースもあります。時間の許す範囲で、商品知識の教育を行いましょう。

また、販売員同士で顧客のニーズや嗜好に応じて商品をお勧めする方法などを話し合い、まとめておきましょう。

(3)販売技術 

アップセル(より上位の高価なものに移行してもらうこと)やクロスセル(いつも購入している商品やサービスに加え、関連するものを組合せで購入してもらうこと)の方法、提案型の販売方法、クロージング(顧客が購入の意思を最終決定する(クローズ)ために販売側が行うアプローチの方法)などに関するトレーニングが含まれます。

(4)顧客サービス

店内の雰囲気作り、挨拶、接客の方法、要望の聞き方などのトレーニングが含まれます。

(5)技術トレーニング

「POSシステム」「在庫管理システム」、その他店舗で使用するテクノロジーの使用方法に関するトレーニングが含まれます。

(6)職業能力開発

キャリアアップの方法、目標の設定と達成方法、総合的なパフォーマンスの向上などに関するトレーニングが含まれます。

(7)ロールプレイングと練習 

販売スタッフが実際のシナリオの中で、コミュニケーション、販売、接客のスキルを練習する実践的なトレーニングが含まれます。

全体として、トレーニングプログラムは、「教室での学習」「実践的な練習」「現場での応用」を織り交ぜた、インタラクティブで魅力的なものであるべきです。さらに、販売スタッフの特定のニーズや目標に合わせ、適切で効果的なものになるよう、定期的に見直し、更新することが必要です。

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2.未経験の販売員用動画教材

販売員教育の効果を高めるために、動画教材を制作することが有効です。

販売未経験者の初期研修として動画教材を作成する場合、以下のような要素を考慮して構成を考えましょう。

(1)はじめに

会社やブランドの特徴、ミッション、価値観の紹介から始め、ビデオ研修の目的を紹介します。これにより、研修のトーンを整え、文脈を作ることができます。

(2)トピックの提示

動画教材毎に、「コミュニケーションスキル」や「商品知識」など、特定のトピックを扱う必要があります。それらの内容と流れについて解説します。重要なポイントを説明するためのビジュアルエイド(図、グラフ、イラスト、写真等)や具体的な事例を用いて、明確で簡潔な方法で提示する必要があります。

(3)デモンストレーション

トピックを紹介した後、そのスキルや知識を実際のシナリオでどのように適用するかを示すデモを行います。

ロールプレイングやシミュレーション、顧客とのやりとりの成功例などを通じて理解を深めましょう。

(4)フィードバックとフォローアップ

各ビデオの後、販売員が内容を理解し、業務に活用できているかどうかを確認するために、フィードバックとフォローアップを行うことが重要です。クイズやアセスメント(評価を定めること)、インタラクティブなエクササイズで、知識やスキルをテストすることができます。

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(5)まとめと結論

各ビデオの最後に、重要なポイントのまとめと、提示されたスキルや知識の重要性を強調する結論を提示する。

各ビデオの視聴後のフォローアップについて、以下のような方法があります。

(1)グループディスカッション

Q&Aセッションを予定して、ビデオで紹介された内容について販売員が質問したり、話し合ったりします。

(2)マンツーマンのコーチング

マンツーマンのコーチングやメンタリングセッションを実施し、営業担当者に個別のフィードバックやサポートを提供します。

(3)ロールプレイング演習 

ビデオで紹介されたスキルや知識を実践するために、ロールプレイング演習を行います。

(4)OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)

同僚や上司のサポートやフィードバックを受けながら、学んだことを実際の場面で活用する機会を設けます。

全体として、効果的なビデオトレーニング教材を作成する鍵は、魅力的でインタラクティブ、かつ販売員のニーズに合ったものにすることです。また、フォローアップやサポートを行うことで、販売員が学んだことを業務で活用し、パフォーマンスを向上させることができるようになります。

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3.売上不振の販売員用動画教材

販売員が成績で悩んでいる時には、再教育が必要です。そのための教材ビデオを作成する場合、彼らが苦しんでいる具体的な領域を特定し、その問題に直接対処することが重要です。ここでは具体的な内容について解説します。

(1)販売テクニックの復習

顧客へのアプローチの方法、ニーズを把握するための質問の方法、セールスを成立させるための方法など、販売員が使うべき基本的なセールステクニックの確認から始めます。

(2)よくある間違い

「顧客の話を聞かない」「関連商品を提供しない」「強引すぎる」など、販売員が犯しがちな間違いを特定します。これらの間違いの例を挙げ、なぜそれが問題なのかを説明します。

(3)商品知識

店舗で販売されている商品とその特徴や利点を確認します。販売員が商品をよく理解し、効果的に勧めることができるようにしましょう。

(4)コミュニケーションスキル

効果的なコミュニケーションの基本を確認します。例えば、「積極的な傾聴」「自由形式の質問の使用」「ボディランゲージへの注意」などです。また、これらのスキルが営業成績の向上にどのように活用できるかを例示して説明しましょう。

(5)ロールプレイングを行う

ロールプレイングの練習を行い、販売員が安全で協力的な環境の中で販売テクニックやコミュニケーションスキルを実践できるようにします。これにより、販売員は自信を持ち、販売現場でのパフォーマンスを向上させることができます。

(6)モチベーションアップと目標設定 

販売員のモチベーションを高め、販売成績の向上に向けて目標を設定し、その進捗状況を把握する方法を指導します。これにより、販売員は集中力を維持し、向上への意欲を高めることができます。

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(7)フォローアップとサポート 

トレーニング終了後、コーチング、メンタリング(1対1の関係で指導する)、パフォーマンスレビューなど、継続的なサポートとフォローアップを行う。これにより、販売員が継続的に改善し、目標達成に向けた軌道に乗るようにすることができます。

全体として、効果的な再教育ビデオを作成する鍵は、販売員が苦戦している特定の分野を特定し、その改善を支援するために的を絞ったサポートとトレーニングを提供することです。

具体的な課題に取り組み、継続的なサポートを提供することで、販売員がより効果的に、それぞれの役割で成功できるよう支援することができます。

編集後記「締めの都々逸」

「課題とテスト 分からなければ そこで勉強すればいい」

教育とは、教える方が教えたいことを教えるのことではありません。教わる方が必要なことを教わるものです。

その意味で、現在の大学や専門学校は時代の変化に対応していません。教えてほしいことは科目になっていません。時代後れの内容を延々と教え続けています。

「ChatGPTがあると既存の教育ができないので禁止する」というのは本末転倒です。学生がChatGPTを使いこなすと、既存の授業やテストのレベルの低さがばれてしまうので反対しているとしか思えないのです。

職業教育は、現場で役立つものでなければ価値がありません。マーケティング論ではなく、マーケティング活動が必要です。それには、ChatGPTを使いこなす教育が必要になるでしょう。(坂口昌章)

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image by: Shutterstock.com

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