世の中にはいろいろな種類の「話し方ノウハウ本」がありますが、相手を動かす話し方をすることがビジネスパーソンにとって重要ですよね。無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者である土井英司さんは今回、元駿台予備学校化学科講師の犬塚壮志さんが書いた「目からウロコ」な一冊を紹介しています。
【カリスマ講師の「説明」の技術】⇒『「よい説明」には型がある。』
犬塚壮志・著 日本経済新聞出版
こんにちは、土井英司です。
本日ご紹介する一冊は、累計13万部の「説明本」の人気著者で、元駿台予備学校化学科講師の犬塚壮志さんによる、話し方の本。
2019年8月にPHP研究所から出ていた『感動する説明「すぐできる」型』を文庫化にあたって大幅加筆、再構成、改題したもので、以前よりもぐんと読みやすくなり、新たに「型」が追加されています。
世の中には、いろんな話し方本がありますが、ビジネスパーソンにとって大切なのは、話すことによって上司や仕事相手、投資家を「動かす」こと。
そのためには、「上手な話し方」だけでは足りないのです。
本書では、読者が説明したいもの、紹介したいものをインパクトを持って伝える「11の型」を紹介。
具体的には、以下のテクニックを紹介しています。
第1の型 メリット訴求
第2の型 対比
第3の型 因果
第4の型 カットダウン
第5の型 破壊
第6の型 ニュース
第7の型 希少性
第8の型 伏線回収
第9の型 決断誘導
第10の型 自己主張
第11の型 欠如アピール
聴き手の頭の中を知る方法、メリット提示の仕方、「仮想敵」の設定、「対比」を使いこなす3つのパターン、質を落とさず聴き手の負担を軽減する方法、前提壊し、選択肢の設定など、悪用厳禁の効果的テクニックが紹介されています。
社内でのコミュニケーション力を向上させたい人、プレゼンやピッチで勝利したい人に、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
研修講師はじめ、人前で話す人には、「即」役立つテクニックだと思います。
さっそく本文のなかから、気になった部分を赤ペンチェックしてみましょう。
聴き手がつまらないと感じる4つのパターン
1.話の内容がまったくわからない
2.その話は自分には関係ない
3.自分に関係する内容だけれど、今は不要・自分には無理そう
4.すでに知っていること・できていることで、もう当たり前
人がもっとも興味があるのは、「自分に直接関わること」
自分が「何を話したいか?」ではなく、聴き手に「どう変わってほしいか?」をまず明確にする
話し手は、聴き手の視野を広げてあげるべき場合がある
メリット提示の4ステップ
1.聴き手の問題点をあぶり出し、メリットの存在に気づかせる
2.成功事例を紹介し、頭の中に絵を描かせる
3.自分がそのメリットを提示できる理由を伝える
4.メリットを享受できる具体的なステップを説明する
「対比」の使い方3パターン
1.2つの対象を対比
2.平均と対比
3.1の対象の中で対比
即効フレーズ
「○○(仮想敵)には絶対に負けません!」
「○○(仮想敵)は、絶対に倒します!」
「○○(仮想敵)をなくすことが、私の目指すゴールです」
「因果の型」
1.遠い因果関係をつなげる
2.第3の因子(真因)を見つける
3.因果関係を逆転させる
「金属」「非金属」という分類で抽象化しておき、そこから説明を展開することで、説明の総量をカットダウンできます
即効フレーズ
「ここだけの話ですが、……」
「まだ表に出ていない話なのですが、……」
「ほんの一握りの人しか知らないことなのですが、……」
即効フレーズ
「皆さま、真ん中の○○を選ぶことが多いです」
「この○○が、一番人気です」
これまでいろんなものをトークで販売してきた土井から見ても、これは心理学を踏まえた、使えるノウハウ集だと思います。
一般的な話し方本では物足りない、もっと実践的な本が欲しい、という方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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