「また年をとってしまった」と嘆く人は老いぼれやすい? 浅野セメント、日本鋼管などの創業者・浅野総一郎氏が新潮社の創業者である佐藤義亮に語った、人生における年齢についての話題を、今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』が紹介しています。
浅野セメント創業者の訓言
月刊『致知』最新号の特集テーマは、「丹田常充実」です。
本特集のテーマに込める思いを綴った『致知』主幹による総リードの一部をお届けします。
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浅野セメント、日本鋼管などの創業者・浅野総一郎が新潮社の創業者である佐藤義亮にこう言ったという。
「大抵の人は正月になると、また一つ年を取ってしまったと言い、殊に年配になると正月がくるのを恐がるが、私は年なんか忘れてしまっている。
そんなことを問題にするから、早く年がよって老いぼれてしまう。この世は一生勉強していく教場であって毎年一階ずつ進んでいくのだ。
年を取るのは勉強の功を積むことに他ならない」
勉強とは学問だけでなく仕事を通じて自分を磨くことで、その勉強に真剣勝負の心構えで臨むことが必要、それを積み重ねて一年に達した時、人生学の教場の一学年を卒業させてもらえる、と言葉を重ね、浅野総一郎はこう結んでいる。
「私にとってはこの人生学の教場を卒業するのはまず百歳だろうとちゃんと腹に決めている。昔から“男の盛りは八十から”という。あなたは五十代だそうですが、五十などは青年、大いにやりなさい」
佐藤はこの言葉に圧倒されたと言っているが、人生大学を卒業するにはこれぐらいの気概が要るということを先達は教えてくれている。(『致知出版社の「人間力メルマガ」』2024年2月14日号より抜粋)
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