移住者をラーメン店主に 佐野市が修行あっせん―栃木

2020.01.29
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by 時事通信

佐野ラーメンの伝統製法「青竹打ち」=栃木県佐野市(同市提供)

佐野ラーメンの伝統製法「青竹打ち」=栃木県佐野市(同市提供)

 移住してラーメン店を経営しませんか―。栃木県佐野市は、ご当地グルメ「佐野ラーメン」による移住プロジェクトに着手した。市内の店で修行し、市が創業を支援。移住・定住につなげるほか、後継者の育成も目指す。既に30人超の移住希望者から問い合わせがあるといい、市は遅くとも夏ごろまでに正式に募集する。
 佐野ラーメンの店は市内に約150軒。太い竹を使った伝統製法「青竹打ち」によるコシの強い縮れ麺が特徴だ。全国的に知名度が高く、週末には有名店に県内外の客が行列をつくる。


栃木県佐野市のご当地グルメ「佐野ラーメン」(同市提供)

栃木県佐野市のご当地グルメ「佐野ラーメン」(同市提供)

 「移住するには仕事が必須」と考えた市は、ラーメン人気に着目。修行店のあっせんや空き店舗の紹介、経営ノウハウの伝授など新規店舗開業を全面支援し、市内への移住・定着を期待する。後継者不足に悩む店や中心部の空き店舗解消につなげる狙いもある。
 現在、市は修行店の選定に向けて市内ラーメン店にヒアリング中。店側は「佐野ラーメン全体の底上げによって業界の活性化につながる」と賛同しているほか、後継者難の店からは「味の伝統を引き継いでもらうのは良いことだ」と歓迎する声も聞かれる。
 プロジェクトは民間企業に委託。今後移住・創業支援をする組織の設立や、市内のラーメン店主の姿を紹介したプロモーション動画の制作、青竹打ち体験などを行う。(2020/01/29-13:33)

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