崩落の阿蘇大橋が開通 熊本地震から4年11カ月―観光復興に弾み
2016年4月の熊本地震で崩落した国道325号阿蘇大橋ルート(熊本県南阿蘇村)が7日、開通した。震災から約4年11カ月。熊本市方面と阿蘇地域をつなぐ国道、県道の復旧が全て完了した。「阿蘇の玄関口」の開通で、観光復興にも期待が寄せられている。
この日開通したのは、旧橋から約600メートル南に架け替えられた「新阿蘇大橋」(525メートル)。片側1車線で、歩道も整備された。
午後3時、先導車に続き車やバイクがゆっくりと進み始めた。歩いて渡る人やランナーの姿もあり、すれ違うたびに手を振り合っていた。
橋のほど近くで震災前から喫茶店を営む阿南理恵さん(68)は「感動した」と目を潤ませた。朝から次々と客が訪れ、開通1時間後にようやく昼食を取ったという。愛犬を連れて開通を見届けた看護師の甲斐ひろみさん(56)=同村=は「便利になってうれしい」と笑みを浮かべた。
同日午前に行われた開通式には、赤羽一嘉国土交通相や蒲島郁夫県知事ら約50人が出席。赤羽国交相は「地震からの復興が国民全体に勇気と希望を与えることを祈念する」と述べ、蒲島知事は「観光や産業の復活に大きな効果をもたらす」と期待を込めた。(2021/03/07-17:58)