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その男、情報意識高い系。さとり世代がすぐに仕事を辞めるワケ

驚くほど簡単に仕事を辞めてしまう最近の若者に対して、「耐久力がない」「やる気がない」などというレッテルを貼りがちな「大人」、多いですよね。しかし14万人以上の読者数を誇る無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者、弘中勝さんはその最大の理由を「情報量の多さ」だと分析しています。

イメージだけ膨らんでも

最近は新人として会社に入ってもすぐ辞める若者が多い、とよく言われます。

新入社員の3割が3年以内に辞めていく、などとよく言われますよね。

若い人に耐久力がなくなったとか、本当にやる気がある人がいなくなったとかいろいろ分析っぽいことが言われていますが、私は「情報力が多い」ことが最大の理由だと思います。

昔の若者に比べれば、インターネットもあるからすぐに調べられる、すぐに人に聞ける、雑誌や書籍の数も多い、とにかく情報力が増えています。

情報力が増えるということは、どういうことか。

イメージが膨らむ、ということです。

良い情報も悪い情報もいろいろ取り込むと、自分の中のイメージが膨らみます。

これは、いいことのように思えますが、実はそうではありません

真実に近づくのであればいいのですが、真実に近づいていくのではなく、自分の中のイメージが膨らんでいくだけなのです。

要するに、逆に真実から遠ざかった自分だけの考えが出来上がってしまうんですね。

だから、自分なりの膨らんだイメージに対して「これならば自分でもできそうだ」という感想を持ってしまい、実際に働くと数日で「なんかイメージと違う」と思ってしまうのです。

イメージを膨らませれば膨らませるほど、真実とはかけ離れていて、失望するわけです。

それはそうですよね。要するに、真実に触れていない時のイメージなど、いくら膨らませても大した価値ではないのです。

>>次ページ 正しい「情報の生かし方」とは?

やってみないと分からない」という単純な意識が情報化社会になっていくにしたがって希薄になっていってるんですね。

だから、忍耐力やヤル気などの精神論ではなく、「若者は情報力が高くなっている」というだけなのです。

情報力が高いというのは1つの能力ではあるけれど、そのように事実との剥離が大きくなるなどのデメリットもあるんですよ、ということです。

逆に、情報の精度が高まったり、「まず実際にやってみましょうよ」という体験型の情報が多くなれば、若者の情報力はプラスに働くわけですから、若者だけが悪いのではなく、情報発信側の問題でもあるんですね。

そしてこれは、就職する若者だけではなく、あらゆる人に言えることで、「情報をたくさん収集するだけで納得しない」ということが大切です。

情報をたくさん集めれば事実に近づくのではなく、自分なりのイメージが膨らむだけであり、きちんと実体験や実地確認があってこそ情報は生きるのだということを理解しなければなりません。

大切なのは、

「膨らんだイメージだけで判断しない」

ということです。

イメージは膨らんでも所詮はイメージでしかない。単なる仮説でしかありません。

きちんとその仮説を検証することが大事で、情報をたくさん集めた人が偉いわけでもなんでもないのです。

情報をたくさん集めたからといってそれで満足、安心しないようにしましょう。

実践の伴わない情報は、まだまだ大した価値ではないのです。

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