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先を読む。プレゼンは責任者よりも周りの若手に響かせた方がいい理由

プレゼンの場で相手側の決定権を持つ責任者だけを説得することに注力し、その周りにいる若手を無視したり、見下すような人に遭遇したこと、ありませんか? 無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者でマーケティング戦略の指導者として知られる弘中勝さんによると、そういうタイプは未来を見られない発想力の低い人間で、ビジネスマンたるもの、そうした場で「次のキーパーソン」を見つける洞察力が必要と説いています。

次の人を見抜く力

洞察力が鋭い人は、「次のキーパーソンを見つけられます。簡単に言えば「次に来る存在」です。普通の洞察力しか持っていない人は、一番流行っているもの、一番影響力がある人、一番手前にあるものにしか目が行きません。みんながそっちに目を向けている間に、今はまだほとんど影響力のない2番手以降のものに目を向けているのです。

例えば、プレゼンテーションをしている時に、相手側は5人の出席者がいて、実質中央の責任者だけが決定権を持っていて、ほぼその人だけが交渉をしているとします。ほとんどの人は、キーパーソンはその1人で、あとはおまけでついてきている人たちだ、と小粒な感じで無視してしまいます。

ところが、洞察力の鋭い人は、おまけっぽい他の4人にもきちんと目を向け、「次に影響力を持つ人は、この人だな」ということを見つけてしまうのです。「次」というのは決して「2番目に偉い人」ではなく、例えば「5年後にはこの人がリーダーになっている」とか「他のプロジェクトで活躍し始める」とか、そういう未来的なことです。

「次」のために、そういう部分を見逃さない。それが洞察力の鋭い人の視点です。

「若者には、こういうものがウケるんです」というプレゼンテーションをしていて、決定権を持つオッサンがいかに首を傾げていても、別にそのオッサンを分からせようとしない。洞察力のある人は、例えば他のおまけの4人から、最も若い担当者に分からせようとしたりする

というのは、若者の話で最も近い年齢なので、このオッサンの決定権者が後になって、「若い奴ってそうなのか?」なんて彼に聞いて、「そうですね。間違いないですね」「そうか」と、実は決定にすごく影響があったりする

そのオッサンが大した判断力を持っていなくて、うちの企画の良さが分かってもらえなくても、数年後にあの有能そうな参加者が次に責任者になった時にはうちの企画の良さを分かってもらえてもっと面白い仕事ができそうだ。

そういう、長期的な発想で相手を見ます。

そうやって、有能な若手がやがてブレイクした時に、「実は以前から昵懇の中なんですよね」といった信頼関係ができていたりするのです。

結局、こういう視点を持てない人って、洞察力がないという以前に、「どうせ若い奴なんて」と若者を見下したり、「こんな小物」と役職が低い人を相手にしなかったり、そういう人との接し方しかできない人です。

今の自分の視点でしか物を考えられないから、若い世代に注目することができません。「なんかうるさそうだから」という理由で近くに保育園が建設されるのを反対する人と同じで、「次の世代が育っていく」という未来を思い描くことができない発想力の低さなのです。

次のキーパーソン」が見抜けるためには、どんなことに意識しておかなければならないか、どんな意識を持っていてはいけないのか、考えてみましょう。

 【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

・「3年後には大活躍をしている人」を見抜くための洞察力トレーニングをするとしたら、どんな方法だとトレーニングになるか。その方法をノートに書いてみる。

image by: Shutterstock

 

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